転生とらぶる
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Fate/stay night
1143話
凛の家から出て新都まで来たのだが……特にやるべきことがある訳でもない。
いっそ凛の家の周囲にいれば良かったのか?
そうも思うものの、住宅街では何か面白いことがある訳でもないし、暇なんだよな。
けど、新都に出て来て思い出したんだが、俺って実は金持ってないじゃん。
基本的にサーヴァントである俺は、金を持ってなくても特に困ることはない。
どうしても何か必要になった時は凛が支払ってくれている。
何気に、実はこれが黄金律Cの効果だったりするのか?
そんな風に考えながら、街中を歩く。
こうして見る限りでは特にいつもと変わった様子があるようには見えないが、街中を歩いている人の顔にはどこか不安の色がある。
まぁ、街中でガス漏れ事故が多発し、更には学校では生徒の多くが病院に運ばれるという事態になったんだ。
この冬木で暮らしていて、不安に思っても無理はない。
さて、暇潰しにここまで出て来たのはいいけど、これからどうしたものか。
そんな風に考えながら冬の寒さを感じつつベンチに座っていると、不意に驚く声が聞こえてくる。
「アーク!? アークじゃないか。こんな所に1人で、どうしたんだ?」
そう声を掛けてきたのは、色黒女にして、いつも凛と綾子をからかっては自爆している女、蒔寺だった。
「蒔寺こそ、こんな時間にどうしたんだ?」
「こんな時間って……」
呆れように呟く蒔寺は、視線を街中の街頭TVへと向ける。
「もう10時過ぎだぞ? こんな時間って言われるような時間じゃないと思うけど」
「……そう言えばそうか」
朝食を食べ終わったのが7時を過ぎた辺りだったから、TVを見たりなんなりで、結構時間が経ってたんだな。
「で、アークは何をしてるんだ? いつも一緒の遠坂や美綴は?」
あの2人がいないの見て、早速からかう対象が出来たとでも思ったんだろう。グイグイと突っ込んで来る。
今までは、迂闊なことを言って凛と綾子に叩き潰されてたしな。
確か、綾子が凛の家に住んでいるってのは知らなかった筈なので……
「凛なら昨日寝るのが遅かったらしいから、俺が家を出る時にはまだ寝てたな」
「へぇ? 何、夜も眠らせない程情熱的に遠坂の身体を求めたとか? いや、さすがに外国人。手が早いね」
自分でも冗談で言ってるんだろうが、まさか実はそれが正解だってのは思いも寄らないだろう。しかも凛だけじゃなくて綾子までセットで。
「なるほど。俺は手が早いのか。なら、蒔寺にも手を出してみるか?」
「お? そう返すか。やっぱりアークは女誑しの素質があるよ。間桐なんかよりはよっぽど」
まさか、ここであのワカメの名前が出てくるとは思ってもいなかっただけに、ちょっと驚く。
そう言えば、蒔寺はあのワカメがもう死んだってのはまだ知らないんだよな。
もし知ったら、こいつは悲しむのだろうか。
そんな風に思いながら、何となく悲しむような気はしていた。
今のやり取りから考えて、あのワカメに対していい感情を持っていないのは確実だ。
それでも、蒔寺の場合は多少なりとも関わったことのある相手が死んだと聞かされれば、間違いなく悲しむだろう。
「本当ならこのまま蒔寺に手を出す為にどこかの店にでも入りたいんだけど……残念ながら、家に財布を忘れてきて一文なしなもんでな。良かったら蒔寺が奢ってくれないか?」
「あのなぁ……どこの誰が、女と一緒に店に入るってのに、その金を女に払わせるんだよ。普通なら男の方が払うだろ? 残念ながらそんな甲斐性なしと一緒に店に入ることはありませんよーだ。……って、まずっ! もうこんな時間じゃん。待ち合わせ時間に遅れるから、そろそろ行くよ。じゃあな!」
それだけを告げ、元気よく走り去る蒔寺。
陸上部だけあって、その足の速さは大した者だ。
何だったか……クロネコ? 黒豹? 確かそんな風に自分の事を呼んでた気がする。
2月の寒空だから、さっさと屋内に入りたいって気持ちもあるんだろう。
実際、俺みたいに街中で足を止めて休んでいるような奴なんて殆ど見ないし。
まぁ、サーヴァントの俺だからこうして冬の寒空の下にいても特に何もないんだけど。
うん? けど、そう考えると凛も随分と寒さには強いって事になるな。
今の時期にミニスカートに生足で過ごしてるんだから。
いざという時の為、動きやすさを重視しているというのもあるんだろうけど。
特に凛の場合は外見からはあまり分からないけど、身体もしっかりと鍛えられている。
あの足にしたところで、触れると柔らかく、滑らかな手触りだけど、その下にはしっかりと鍛えられた筋肉があるのが分かるし。
……まぁ、実際に凛の生足に触れたりしないと分からない事だから、それを知るのは俺と綾子の2人だけだろうけど。
「……にしても、暇だな。そろそろ戻るか?」
誰に共なく呟き、立ち上がり掛け……それを見つける。
建物の屋根の上に立ち、こちらを見下ろしている人物を。
向こうにしても、自分が見つかるとは思っていなかった……って訳じゃないだろう。
寧ろ、自分を見つけるのが遅いと言いたげに笑みを浮かべ、その場から移動する。
戦おうという素振りはない。寧ろ、ちょっと俺と話したいとか、そんな視線を向けていた。
一瞬凛に対して連絡をしようかとも思ったが、今日は午後からバーサーカーとの戦いに赴くのだ。
だとすれば、体調を万全にして貰うに越した事はない。
向こうに戦うつもりがあるのなら、すぐに凛を呼んだんだが。
ともあれ、その人物……ランサーの後を追って移動を開始する。
まさか、あの神出鬼没のランサーと遭遇出来るとは思ってもいなかった。
神出鬼没? どうだろうな。どちらかというと1回しか会ってないんだから、神出鬼没というのはこの場合相応しくないのか?
そんな風に考えている間にも、どんどん街中を進み、やがて人の姿が殆ど見えない小さな公園に到着する。
この公園も、もう1ヶ月、あるいは2ヶ月くらいも経って春になれば遊んでいる子供とかその親がいそうだけど、寒さのピークでもあるこの季節は全く人の気配がない。
そんな公園の、ブランコの支柱にランサーは背を預けて立っていた。
「よう。久しぶりだな。随分と活躍してるみてえじゃねえか」
敵同士だというのに、まるで久しぶりにあった友人にでも声を掛けるようにして話し掛けてくるランサー。
戦意がないのは分かってたけど、まさかここまでフレンドリーに話し掛けてくるとは思わなかった。
「活躍?」
「何だよ、隠す必要はねえだろ? 昨夜の件だよ。知らないとでも思ってるのか?」
「なるほど、随分と事情に詳しいらしいな」
そんな俺の言葉に、何故か嫌そうな表情を浮かべるランサー。
うん? 何か嫌がる要素でもあったか?
「まあな。出来れば俺もあの戦いには参加したかったんだけどよ。……そういう意味じゃ、お前さんのマスターが羨ましいよ。随分と可愛いお嬢ちゃんだったし」
ランサーのその言葉に、思わずジト目で口を開く。
「妙なちょっかいを出すなよ?」
「分かってる、分かってるよ。俺だって別に人の女に手を出すような野暮な真似はしねえさ。もしもお前さんがいなかったら、話は別だったかもしれないがな」
そこまで告げると、ランサーは苦笑を浮かべて話を続ける。
「大体、あのお嬢ちゃんはお前に対してぞっこんって奴じゃねえか。妙な心配をしなくても、他の男に目を向ける事はまずないだろうぜ」
「……ぞっこん?」
ランサーの言葉に、思わず首を傾げる。
いや、確かに凛が俺に対して好意を持っているってのは分かる。
でなければ、2度も3度も身体を許したりはしないだろう。
けど、ぞっこんかと言われれば……首を傾げざるを得ないのは事実だ。
「あーあー、その辺が分からないようだと、まだ女に理解ってもんが足りねぇな。まぁ、その外見年齢だと無理もないかもしれねぇけどよ」
嘆かわしい。そう言いたげに首を横に振るランサーに、思わずむっとする。
「……で、凛の話はいいけど、何だってこうして姿を現したんだ? 俺とお前はサーヴァント。そして今は聖杯戦争真っ只中。なのに、お前にはまるっきり戦う気がない」
「それはそうだろ。大体、聖杯戦争ってのは人目につく場所でやるのは駄目なんだろ? なら、こんな真っ昼間っから戦う訳にもいかないさ。それも、こんな街のど真ん中で」
ちっ、やっぱりその辺は計算の上か。
「なら、改めて聞こうか。何だってわざわざ姿を現した? まさか、こうして馬鹿話をする為って訳じゃないんだろ?」
「いんや? お前と話をしてみたかったってのは事実だぜ?」
特に後ろ暗いところはありませんとでも言いたげな、そんなランサーの言葉。
「何だってわざわざ敵にそんな話をしにくる?」
「そりゃ、そっちの方が面白いからさ。……それに、お前は敵が一度くらい話した奴だからって、戦いの手を緩めるような真似はしないだろ? 少なくても、お前からは無数の死地を乗り越えてきた者特有の迫力がある」
……確かに。
いや、俺が無数の死地を乗り越えてきたのかどうかは、正直記憶が戻っていない以上は判断出来ない。
だがもし今夜にでもランサーと戦えというのなら、俺は躊躇をすることはないだろう。
その辺だけは、自分自身でもきちんと理解出来ている。
「そうだな。もし戦闘になるなら、いつでも戦ってやるさ」
「だろ? お互いにその辺の区別が出来てるんなら、こうやって話をするくれぇ、いいじゃねえか」
ランサーのその言葉に、溜息を吐いてからブランコの近くにある手すりへと腰を下ろす。
「で、そこまでして何を話したかったんだ? 言っておくけど、こっちの情報を話したりはしないぞ」
「ばっか。俺だってそんな事を聞くつもりはねえよ。ただ、これから戦うにあたって、お前の事をよく知っておきたいと思っただけだ。……そうだな、出来ればこういう話はお互いに酒でも酌み交わしながらするのがいいんだろうが」
残念ながら酒はねえしな、と続けるランサー。
酒ねぇ。俺が英霊だったからには、当然酒を飲んだこともあるんだろうが。どうにもいい印象は持てないんだよな。
多分、生前はあまり酒を飲まなかったんじゃないのか? と思うくらいに。
まぁ、試しに今度酒を飲んでみるのもいいかもしれないが、どちらにしろ、敵対しているランサーの前で酒を飲むなんて事は全く考えていない。
「残念だが、その機会はないだろうな」
「……ああ、だろうな。正直、俺のマスターの性格を考えれば、そういうのを許しそうにはないし」
「そうなのか?」
「ああ。何しろ、お前さんのマスターと違って、決して表には出てこない臆病者だしな。まぁ、聖杯戦争だというのを考えれば、そんなに間違ってるって訳でもないんだろうが……少なくても、一緒に戦っていて楽しいマスターかどうかって言えば、否と答えるしかないだろうな」
こうして話を聞く限りだと、マスターとサーヴァントの相性が最悪に近いように感じられる。
普通の召喚では、基本的にマスターと相性のいいサーヴァントが召喚される筈だ。
そうでないのを考えると、多分何らかの触媒を使って召喚されたんだろう。
こう考えると、自然の触媒がある状態で召喚された俺が凛と相性がいい――それこそ心も身体も――のは、ラッキーだったな。
俺の幸運はCでそんなに高くないんだが。
「なら、こっちに来るか?」
ふと……本当に何となく思いつき、そう呟く。
こうして話していて、もし仲間になっても信頼出来ると思ったからだ。
だが、ランサーは首を横に振る。
「残念だが、裏切りをする程に俺は落ちちゃいねえよ。マスターの方から妙な真似をされたんならともかく、今はそんなのはないし」
「妙なところで義理堅いな」
「へっ、味方をそう簡単に裏切れるかよ。なんなら、お前が俺の方に……いや、止めといた方がいいな。絶対に後悔する」
そこまで言うのに、マスターに忠誠を尽くすのか。
そういう意味では、凛がマスターの俺ってやっぱり恵まれてたんだろう。
口では色々と言うけど、何だかんだで友人思いだし。
まぁ、優しいんじゃなくて甘いと言うべきなのかもしれないが、その辺は押し通すだけの実力があるのも事実。
そんな風に寒空の下、公園で俺とランサーは会話を交わす。
人間ならまず確実に風邪を引いたり体調を崩していただろうが、俺達の場合はサーヴァントなので、全く問題はない。
殆どがどうでもいいような内容であり、この世界にやって来てからの食い物に関してだったり、ランサーが生きていた時代と違いすぎるという話だったりした。
俺も話しは合わせたが、何しろ未だに記憶は戻ってないしな。
そうして時間過ぎ……
「じゃ、そろそろ帰るか。今日は午後から用事もあるし」
「へぇ……ま、精々がんばんな」
短く言葉を交わし、そのまま別れる。
そして……
「ランサーと会ってたって、どういう事よ!」
起きてきた凛にランサーと会って世間話をした事を告げると、思い切り怒られるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:380
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1185
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