ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
修学旅行はパンデモニウム
裏京都での頼み事×旅館内での作戦会議
するとここで気配が変わった。よく見ると周りの人間=観光客は眠っていたので、松田と元浜と桐生も同じようにその場で倒れ込んでいた。ゼノヴィアが厳しい顔でその女性を見てたが、俺は見るとゼノヴィアが警戒する訳だ。
頭部に獣耳が生えてるし尻尾も出てるが、狐の妖怪のようだ。周辺一帯を見ると囲まれてるし、獣耳ばかりだ。ゼノヴィアは攻撃しそうだったが、待てと言ってその女性に近づいたら片膝をついていた。俺に用があるようだ。
「私は九尾の君に仕える狐の妖でございます。先日は大変失礼な事をしましたが、まさか貴方様が黒鐵様とは知らずに。我ら姫君が貴方様にお会いしたいと申されております。どうか私達に付いて来て下さいませ」
その言った後にロスヴァイセが来たが、アザゼル同様俺達を迎えに来たと言ってたな。道理で敵意を感じないのだな、俺らはどこへ行く?と言おうとしたら狐の妖から言った。
「我ら京の妖怪が住む裏の都です。魔王様と堕天使の総督殿も先にそちらへいらっしゃっております」
俺達は裏の都に入ったが、教会トリオと俺達七人は金閣寺の人気のない場所に設置されていた鳥居を潜るとそこは別世界だった。まるで昔行った江戸時代の町並みのような所で、扉や窓や通り道に面妖な生き物達が顔を覗かせる。一つ目や河童や狸の妖怪など、どれも妖怪世界で見た事あるばかりだった。薄暗い空間・独特の空気・古い家屋郡のワンセットとして、一緒にいた妖怪達がいた。
「うきゃきゃきゃ」
「やかしいぞ提灯お化け、悪戯する気あるなら、我が害をなす者を滅ぼすぞ?」
「すみません黒鐵様、ここにいる妖怪は悪戯好きでして。害をなす者はいないと思いますが、先程の一言により悪戯する気満々の妖怪らが静かになりました」
ここは妖怪の世界で、京都に住む身を置く場所。悪魔がレーティングゲームで使うフィールド空間に似た方法で、この空間を作り出しているとの事だ。狐のお姉さんは裏街か裏京都と呼んでいるとの事だ。ここに住まないで、表で住んでいる妖怪もいるのだとよ。
「・・・・人間か?」
「いんや、悪魔だってよ。でも後ろ三人以外は人間だそうだ」
「龍だ、龍の気配もあるが、神の気配も感じる」
妖怪達の話し声が聞こえてくるが、人間が入ってくるのがそんなに珍しいのか?悪魔もな。家屋が建ち並ぶ場所を抜けた先に、林に入って進むと巨大な赤い鳥居が見えてきた。鳥居の先にアザゼルとセラフォルーがいた。二人の間に金髪の少女がいたが、もしかして九尾の娘かな?今日は巫女装束ではなく、戦国時代のお姫様が着る豪華な着物を着ていた。
「お、来たか・・・・ってちょっと待て!?」
「どうしたのアザゼルちゃん?」
「一ちゃんの肩車に乗っているのは『無限の龍神オーフィス』じゃねえかよ!何故ここにいる?お前は『禍の団』のリーダーのはずだ!?」
「我は抜けた、我は一誠と戦い、敗れた。我と一誠は約束した、いつか仲間になって連れて行くと」
まあそうなるよな。アザゼルがオーフィスと言った瞬間、妖怪達やアーシア達は騒いだが俺の一言で黙らせた。アザゼルがこちらに来て光の槍を出したので、俺はハリセンでブン殴った。俺達の仲間に何すんだよアザゼル。
「いててて、とりあえずオーフィスの件はあとで話すとして」
「九重様、皆様をお連れ致しました」
狐のお姉さんはそれだけ報告すると消えてしまった。あれが狐火か。姫様は俺達の方に一歩出てきて口を開く。
「私は表と裏の京都に住む妖怪達を束ねる者、八坂の娘、九重と申す」
自己紹介後教会トリオに謝ってきたが、もう許してるらしいので顔を上げてくれた。この京都を取り仕切る妖怪のボスは九尾の狐こと『八坂』は、須弥山の帝釈天から遣わされた使者と会談する為、数日前に屋敷を出たという。
ところが八坂は、帝釈天の使者との会談の席に姿を現さなかった。不審に思った妖怪サイドが調査した所、八坂に同行していた警護の烏天狗を保護した。瀕死状態で、死の間際に八坂が何者かに襲撃されて拉致されたそうだ。
「ま、京都にいる怪しい輩を徹底的に探すまではいいが、事前に来ると言ったのに襲撃されたとはな。それは勘違いだった事で、アザゼルとセラフォルーが九重達と交渉して冥界側の関与は無いとな。だがその前に俺が居た事で何とかなったし、各勢力が手を取り合うとこうなる事は予測してたな」
「あの時一ちゃん達がいなかったら、勘違いのまま戦っていただろうな。オーディンの時はロキだったから、今回の敵役がテロリストって訳か」
俺もアザゼルも平和な日常を願うからなのか、自然と不機嫌になっていた。九重の両脇には、先程の狐のお姉さんと山伏姿の天狗の爺さん。天狗の長として、古くから九尾の一族と親交が深いとな。今回も拉致された八坂と娘の九重を心底心配していた様子。
俺達は屋敷に上がらせているが、本来なら上座は九重だが俺が始祖神と言われている創造神黒鐵なので上座に座っている。無論オーフィスは俺の膝の所に座っている。
「黒鐵様、総督殿、魔王殿、どうにか八坂姫を助ける事は出来んのじゃろうか?我らならばいくらでも力をお貸し申す」
天狗の長が一枚の絵画を見せてくれた。巫女装束を着た金髪の美人だったが、頭に獣耳があったのでこれが八坂かと思った。巫女装束を着ていてもナイスバディだと思ってしまうが、ボンキュボンとはこの事だろうな。
「八坂姫を拉致った奴らはまだ京都にいるだろう」
確かにな、もし殺されていれば京都に異変が起こる事は間違いない。九尾の狐は、この地に流れる様々な気を総括してパワーバランスを保ってる。京都はその存在自体が大規模力場となり、九尾がこの地を離れるか殺されていれば異変が起きる。今の所、異変が起きてないって事は八坂姫は無事であり、拉致した輩もいる可能性が高い。
「もしかしたら、一ちゃんの力を借りるかもしれないがいいか?人手不足だからな。一ちゃんの眷属は皆強者だ。対英雄派でも倒せるだろう?」
「ここにはヴァーリもいるし、オーフィスもいるから問題ない。それに関羽や曹操や孫策もいるから心配いらんだろう」
俺達は黒神眷属であり、最強の眷属。『王』である俺は神であり赤龍帝でもあるし、そう簡単に負けるはずがないからだ。だが最近になって赤龍帝の本来の力が今一つでない事は確実だ。ドライグに聞いてみたけど、元神シャルロットが封印処置したお陰か本来のパワーが出ないとたまに愚痴ってた。
「セラフォルー、悪魔側のスタッフは既にどれ程の調査を行っているんだ?」
「京都に詳しいスタッフにも動いてもらってるから心配はないと思うけど、一誠ちゃん達の眷属も頼むよ☆」
「そうか。まあいい、こちらでも諜報が得意な者らにやらせている。と言う事でグレモリー眷属であるアーシアとゼノヴィアは、最悪の事態を想定してここにいない祐斗とシトリー眷属にはアザゼルから伝えといてくれ。と言っても、どうせこっちに来ると思う。オーフィス関連でな、だからソーナに言っといてシトリー眷属に伝えとくとメールが入ったのでな。悪いがイリナからも伝えといてくれ」
「分かったよ一誠君。何か動きがあれば、いつでも連絡するからね」
家族旅行するはずが、こんなとばっちりを受けるとは思わなかった。九重が手をつき、深く頭を下げると共に天狗の爺さんと狐のお姉さんも続いた。
「・・・・どうかお願いじゃ。母上を・・・・母上を助けるのに力を貸してくれ・・・・いや貸して下さい。お願いします」
声を涙で震わせていたが、俺はすぐに仙術で落ち着かせるようにしてから妖怪世界から金閣寺に戻ってきた。俺らの仲間達全員に話そうと旅館に戻ろうとしてきたら、予想通りアザゼルがついて来たからだ。どうしてオーフィスが、俺の所にいるのかを詳しく聞きたいからだと。教会トリオは、桐生達を起こして行ってしまったので特別に案内させた。
「ほうここが一ちゃんの泊まってる旅館か、高級旅館って感じがするぞ」
「それはそうだろうよ、ここのオーナーは俺なんだから」
「確か高級ホテルのオーナーもしてると聞いたな、一ちゃんはどんだけ何だよ。酒を飲みながらでいいから、何故オーフィスがここにいるか教えろ」
俺が江戸時代の頃に出会ってから、その後戦って勝った。勝った後、必ず仲間にして迎え入れてやると言ったからこうなった。と言ったら納得したらしいが、オーフィスの蛇に関連して俺がもういないかのように話していたのは既に抜けていたかのように話していた。それに関しては事実だから、俺はいつか話す時が来るまで隠していたがここで話すとは思わなかった。
「なるほど、そう言うエピソードがあったとはそりゃ俺ら三大勢力も知らない訳だ」
「そう言う事だ。お、そろそろ皆が帰って来たらしいな。俺は行くがお前はどうするんだ?」
アザゼルはホテルに戻って、祐斗やシトリー眷属にさっきの事を話すと言っていたのでホテルに戻ったアザゼル。皆揃ったので、少し早めの夕食を取りながら裏京都での話をした。
「なるほどねー、確かに調べると帝釈天の使者と会う事になってたらしいわよ。『禍の団』で残ってるのは間違いなく英雄派ね」
「そうだアスモデウス。そこで今回の作戦は英雄派丸ごととっ捕まえる、構成員とかもだ。そのまま俺達の仲間にしてやろうかなと思ってな。特に曹操は黄昏の聖槍の持ち主だ。神殺しの神滅具二つ持ってる奴を、仲間にしたらいいと考えているが皆はどう思う?」
「質問。とっ捕まえたらどこに転送するの?」
「次元の狭間本家地下牢屋、京都行く前に牢屋の数を増やしておいた。俺達が帰るまでは絶対に出れないようにしてある」
「なるほど、一回次元の狭間本家に戻ったのはその為か。神器で壊されはしないのか?」
「それは心配ないが、一つバレた事があった。アザゼルが俺とオーフィスとの関係を」
それはヤバくないかと聞かれたが、オーフィスとは江戸時代からの約束だからだと言ったら納得したとな。ちなみにソーナは、ちゃんとシトリー眷属にこの事を伝えておいてくれたので説明する手間が省けた。今頃あちら側は夕食と風呂も済んでいるとイリナからの情報だったが、一応女子風呂を覗くエロバカ二人をマークしていたら予想通り覗こうとしていた。
『一誠君、一応警戒しておいたけどやっぱ来たわよ。女風呂を覗ける例のスポットがあったそうだから、それを潰してから今頃先生達のお説教でも受けていると思うわ』
「やはりか。全くあのエロバカ二人組がいるからか、面白味があるんだからな」
『それと祐斗君には話しておいたから、あとは一誠君次第かな。明日は予定通り観光地巡りをするらしいけど、ホテルにいつでも戻れるように転移用魔法陣の携帯簡易版を持って行くそうよ。私達を統括しているアザゼル先生からの連絡次第だけど、そっちはどうするの?』
「こちらはいつでも戦えるようにするだけさ。駒王学園にいるメンバーにはまだ言ってないんだろ?」
『まあね。「禍の団」に巻き込まれていると思っていないよ。あ、そうそう。ホテル内では基本男女の接触禁止だからなのか、ロスヴァイセさんとシトリー眷属らが特殊な結界を張って行かせないようにしたらしいわ』
「そりゃそうだろうな。若い男女が接触したら、何が起こるか分からないんだからな。階層ごとに男女の部屋を分けているから、先生達は勿論の事アザゼルやロスヴァイセと生徒会であるシトリー眷属により終始目を光らせているし就寝後になると監視カメラで監視している使い魔だからな」
俺とイリナだけの電話をしていたが、そちらでは就寝時間のはずなのに何故電話が出来るんだ?と疑問を投げかけたら隣にアザゼルがいるんだとよ。なるほど、教員が隣にいると電話出来る訳か。こちらもそろそろ眠くなったので、おやすみと一言告げてから電話を切った。
ページ上へ戻る