ロックマンX~5つの希望~
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Another6 セカンドアーマー
前書き
ジャンゴーとのバトル
息を切らしながら、エックスとゼロがヘリポートに出るとジャンゴーが怒りに震えていた。
ジャンゴー「自爆装置を止めたニャ!!?小賢しいイレギュラーハンター共め!!」
エックス「ジャンゴー!!お前達は間違っている!!俺が…倒す!!」
ジャンゴー「温いニャ!!」
ジャンゴーはこちらを振り返るのと同時にこちらに爪による一撃をエックスに喰らわせ、エックスを吹き飛ばした。
ゼロ「エックス!!」
咄嗟に動いてエックスを受け止めるゼロ。
ジャンゴー「たかがイレギュラーハンターの2匹如き。この俺に敵うと思うてニャ?…ニャイン?」
ふと、足に何か当たったような感触に下を見ると、それはエールのIDだった。
ジャンゴーはそれを拾う。
ジャンゴー「ふん、これを鉤にして、建物に入り込んで来たと言うわけニャ」
IDを握り砕こうとした刹那。
1枚のカードがジャンゴーの顔面に炸裂したのは。
ジャンゴー「ニャ!!?」
ゼロ「あれは…」
カードボムが飛んできた方向を見遣ると、傷付いたスパイダーが足を引きずりながらゆっくりとこちらに出て来た。
エックス「スパイダー…」
スパイダー「ジャンゴー…そいつに…あいつの魂に、汚ねえ手で触らないで貰おう。そいつはあんたみたいな、可笑しな野郎が…っ……触って良いような物じゃないっっっ!!!!」
スパイダーの激情に促されるようにエックスとゼロも疲弊した身体に鞭打ち、力強く立ち上がった。
ゼロ「イレギュラー、ワイルド・ジャンゴー。イレギュラーハンターとして貴様を処分する!!!!」
ジャンゴーは雷属性のレプリロイドだ。
炎属性に弱いと判断し、炎のエレメントチップを起動、全ての武器を炎属性、ハイパーモードにライズフォームを発動した。
エックス「ゼロ、それは……」
ゼロ「新しい力だ。ラーニングシステムの解析能力を向上させる形態だ。」
セイバーとシールドブーメランを構えてジャンゴーの攻撃に備えるゼロ。
エックスもハイパーモード・ファーストアーマーを発動させる。
ジャンゴー「小賢しいニャ!!」
イナズマキャプチャーをゼロに向けて投擲。
ゼロもシールドブーメランを投擲する。
激突し、シールドブーメランが力負けするが、ゼロはシールドブーメランを腕に戻すと威力が弱まったキャプチャーをセイバーで払ったが…。
ジャンゴー「電閃ネイル!!」
凄まじいスピードでゼロに肉薄する。
まだ解析が済んでいないゼロに見切れるような速度ではなかったが、何とか身体を捻って直撃を避ける。
左の肩のアーマーが吹き飛んだが、まだ戦える。
エックス「スパイラルチャージショット!!」
スパイラルチャージショットをジャンゴーに叩き込む。
ジャンゴー「遅いニャ!!」
完全に不意を突いたはずなのに、それすらジャンゴーはかわした。
エックス「なら!!」
スパイラルクラッシュバスターならば避けられないと判断したエックスはバスターのチャージを開始するが。
ジャンゴー「エックス、お前の弱点を教えてやるニャ。お前はバスターの最大火力を発揮するのにチャージに時間が掛かりすぎるのがネックニャ!!」
エックス「がはあ!!?」
ブースターによるスピードを上乗せした体当たりを喰らわせて吹き飛ばす。
スパイダー「トリックスター!!」
ジャンゴー「ニャ!!?消えただと!!」
スパイダー「あんたに見せるのは初めてだな。これが俺のハイパーモード・トリックスターだ。あんたからは俺の姿は一切見えねえ。」
その上、一時的に攻撃力も向上するから一方的に攻撃し放題と言いたいが、エネルギーの消耗が激しいのと持続時間が短いのが欠点だ。」
それに最初のエックスとゼロとの戦いで消耗しているために、普段より持続時間が短い。
エックス「今のうちに…」
スパイダーの考えを察したエックスはスパイラルクラッシュバスターを放つためのエネルギーチャージを開始した。
スパイダー「そらそら、どうしたジャンゴーさんよ?そんなんじゃ当たらないぜ」
カードボムを放ちながら、エックスのエネルギーチャージ完了までの時間を稼ごうとするが、後少しのところでトリックスターが解除されてしまった。
スパイダー「っ!!?トリックスターが…」
ジャンゴー「そこかニャ!!」
電閃ネイルでスパイダーを八つ裂きにしようとした時、ゼロがジャンゴーの腕を掴んで、顔面に強烈な一打を喰らわせ、吹き飛ばした。
ジャンゴー「ニャにい!!?」
ゼロ「今だエックス!!」
エックス「スパイラルクラッシュ…」
ジャンゴー「ニャめるなよ!!ドメガサンダー!!」
ジャンゴーが懐から取り出したドメガサンダーと呼ばれるエレメントボムの雷がエックス達に降り注ぐ。
予想外の攻撃にエックス達は膝をついた。
ジャンゴー「ドメガサンダー。メガサンダーの強化改良型ニャ。最後に俺のとっておきをくれてやろう!!全エネルギー解放!!行くニャーーーッ!!!!」
全身から凄まじい放電現象が起き、勢いよく跳躍。
そして高速回転。
狙いはエックス。
ゼロ「エックス…早く…動け…」
エックス「駄目だ…身体が…」
バインド状態ではないが、ドメガサンダーの雷により、身体が痺れて動けない。
ジャンゴー「喰らうニャーーーッ!!ローリングアサルト!!!!」
高速回転をしながらエックスに急降下するジャンゴー。
エックスは急降下してくるジャンゴーを見つめながら歯噛みしていた。
3人掛かりでも勝てなかったという事実が、エックスに酷い無力感を味合わせた。
まるで最初のシグマの反乱の時のVAVAとの最初の戦いで味わったそれによく似ていた。
エックス「(ここまでなのか……?)」
エールの魂に応えることも出来ず、イプシロンを倒すことも出来ず、ルインを探すことも出来ず。
エックス「(いや……まだだ!!)」
ルインがこの場にいたら絶対に諦めたりはしないだろう。
今までだって自分より強い者達と戦って来たではないか。
VAVA、シグマ、ルミネと言った強者達と。
エックス「(振り絞るんだ自分の可能性を!!俺の…いや、俺達の力は!!)」
エックスの身に纏われているファーストアーマーが次第に変化していく。
エックス「ライト博士や兄さん達から受け継いだ力は!!こんな物じゃないっ!!ハイパーモード・セカンドアーマー!!!!」
ジャンゴー「ニャイン!!?」
セカンドアーマーを纏ったエックスのエネルギーの余波に弾き飛ばされたジャンゴーは地面に転がる。
スパイダー「ハイパーモードを進化させたのか!!?」
ゼロ「らしいな、セカンドアーマー…あれも懐かしい代物だぜ」
エックスが纏った2番目の強化アーマーであるセカンドアーマー。
ジャンゴー「セカンドアーマー…あの2回目の大戦で使われた骨董品の強化アーマー…そんな骨董品でフォースメタルで強化された俺に勝てる訳がニャい!!」
エックス「どうかな?ライト博士が開発し、アリア博士が完全再現したセカンドアーマーの力を見くびるなよジャンゴー!!」
ジャンゴー「ほざくニャ!!」
電閃ネイルで引き裂こうとするが、エックスは高速で動くジャンゴーを物ともせずにかわしてみせた。
ジャンゴー「ニャにい!!?ならばイナズマキャプチャー!!」
エックス「ダブルチャージショット!!」
既にチャージを終えていたエックスはイナズマキャプチャーのエネルギー反応をセカンドアーマーのエネルギートレイサーでキャッチし、イナズマキャプチャーをダブルチャージショットで粉砕した。
ジャンゴー「馬鹿ニャ!!?イナズマキャプチャーの軌道を見切るとは!!?」
エックス「はあああ…!!トリプルチャージ!!!!」
ブレードを抜き放ち、チャージブレードをジャンゴーに叩き込む。
ジャンゴー「ニャアアアア!!?」
ダブルチャージショットとチャージブレードの連続攻撃。
セカンドアーマーはエネルギートレイサーにより、相手や攻撃の位置を目に頼らずとも完全感知出来るために、攻撃の命中率や回避率が格段に上昇する。
ダブルチャージや例のアレもあるために歴代の強化アーマーの中でも非常に攻撃的な性能の強化アーマーなのだ。
ゼロ「スパイダー、俺に続け!!」
スパイダー「OK!!」
トリプルチャージにより、怯んだジャンゴーにアクティブフォームに切り換えたゼロとフォーチュンカードを発動したスパイダーがジャンゴーを狙う。
ゼロ「零式波動斬!!」
スパイダー「フォーチュンカード…ツーペア!!」
ゼロの技とスパイダーのカードがジャンゴーの全身に亀裂を入れた。
そして…。
エックス「これで終わりだジャンゴー!!砕け散れ!!ギガクラッシュ!!!!」
とどめにセカンドアーマー最大の必殺技ギガクラッシュがジャンゴーに炸裂した。
今までのダメージをエネルギーに変換し、広範囲に渡る拡散エネルギー波。
ジャンゴー「二゙ャアアアアアアアアアアッッッ!!!!」
ギガクラッシュのエネルギー波は、ジャンゴーの身体を飲み込み、完全に消滅させた。
エックス「ふう…」
ハイパーモード・セカンドアーマーを解除し、ゼロもハイパーモード・アクティブフォームを解除する。
その時であった。
アリアとアイリスに守られたアル長官がヘリポートに来たのは。
アル「ジャンゴーを倒したんだな…エックス、ゼロ」
エックス「ええ、でもスパイダーの協力があったからこそです。」
アル「そうか…スパイダーさん。私からも礼を言おう。君は我々の仲間、エールのために戦ってくれた。」
アルの礼にスパイダーは何も返さず、静かに口を開いた。
スパイダー「あいつは…エールは…駆け出しの賞金稼ぎだった頃の俺の相棒だったんだ。俺の下らないミスで…あいつは敵にやられて…」
アル「そうか…」
エールを偶然拾った時、下半身が失われていた理由を今知ったアルは一瞬だけ遠い目をした後、口を開いた。
アル「しかし、君がここに居合わせたなんて、大した偶然じゃないか」
エックス「偶然…きっと、エールが俺達を引き合わせてくれたんです」
これは偶然ではない、何かの必然なのだと…そう信じたい。
アル「そうだな…」
アル長官も同じ気持ちなのだろう、真っ赤に染まった空を見上げた。
セントラルタワー解放完了。
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