ストレスが消えて
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第三章
「出るの待つしかないしな」
「十日でもな」
「そっちも努力してな」
「出るのを待つしかないな」
「猫は大人しくなるしかない」
「それだな」
猫はこうなるのだった。
「そうした時期ってあるしな」
「元々我が儘な生きものだからな」
「そっちも期待しないで待つ」
「犬と違って素直じゃないからな」
「後お客さんはな」
最後のこれはというと。
「ちょっとな」
「皿に痰は最悪だな」
「あと二度漬けはな」
「飲んで騒いでって」
「マジ最悪だな」
「本当に最悪だ」
美作も言う。
「俺は最初それを見て自分でも表情が一変したのがわかった」
「二度漬けでもだな」
「勿論痰を吐いた時も」
「そんな下品なおっさんいるんだな」
「有り得ない話だけれどな」
「何とかしたい」
また言った彼だった。
「どの問題もな」
「全部か」
「阪神、便秘、猫、お客さん」
「四つ全部か」
「辛い」
今の心情も言った。
「最悪だ」
「ああ、もうな」
「それはストレス溜まるな」
「というか溜まって仕方ないな」
「最悪の状況だな」
「とりあえず阪神は朝登校の時に神社でお願いをした」
困った時の神頼みだった。
「そうした」
「俺もするか」
「そうだな、阪神が勝ちます様にってな」
「阪神はソフトバンクと違うからな」
「大事な時に負けるからな」
誕生以来連綿と続く伝統である。
「ここは藤村さんと村山さんの英霊にお願いするか」
「藤本監督にもお願いしようぜ」
「ああ、戦前の景浦さんにもな」
「ご存命だけれどバース様にもな」
「兄貴にもお願いしましょう」
皆阪神を愛しているのでこう思い言うのだった、巨人と違いそこには本物の野球への愛情がある。チームへのそれがだ。
そしてだ、次は。
「便秘だが」
「十日か」
「ハードだな、そっちも」
「どうにかならないか」
「牛乳も牛蒡も駄目とか」
「大変ね」
「俺にとっての切り札を出すことにした」
ここでこう言った美作だった。
「蕎麦を食うことにした。もりそばをな」
「ああ、ああいうざる系食うとな」
「そっちも実際結構効くんだよな」
「お蕎麦ってそうしたことにもいいから」
「そうだよな」
「そこにアイスも食う」
デザートに、というのだ。
「俺はそっちも効くからな」
「よし、じゃあな」
「何とか出すんだぞ」
「便秘は素で身体によくないからな」
「頑張りなさいよ」
「そうする、そして猫はだ」
第三の悩みはというと。
「今日おふくろが去勢手術を受けさせた」
「ああ、去勢か」
「雄猫なんだな」
「猫も他の動物も去勢したら大人しくなるし」
「それで」
「そろそろと思っていたしな」
去勢しようと思っていたというのだ。
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