ガンダムビルドファイターズ ~orbit~
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開催!いちば模型店 ガンプラバトル大会ver艦隊戦! 後編
『シンドウの気まぐれに付き合うのも大変だな…でもこれで……。!?高速に接近してくる機影!?まさか! 』
有線式大型ファンネル・ビットがアークエンジェルに攻撃しようとした瞬間、上空からのビームにより貫かれて破壊され、騎士ウイングガンダムに突撃しようとしていた二基も破壊されていった。
そしてアークエンジェルのブリッジの目の前に、その機体は翼を広げて姿を現した。
「ストライク……フリーダム…」
「いや。あれは全間接を最新の物にし、所々をネクスエッジスタイルに仕上げ、バーニアも増設している」
「皆、遅れてごめん。ちょっと手こずっちゃって。けど、ちょうど時間も十分前……行くよ! 」
ハルカゼのストライクフリーダムがネオ・ジオングに接近していった。アニメ通り…いや、もしかしたらそれ以上の速さでネオ・ジオングへと一気に距離を縮める。
「ネオ・ジオングは僕がやる!レイ君は騎士ユニコーンを! 」
「わ、わかった! 」
ストライクフリーダムがネオ・ジオングに近付くと、有線式大型ファンネル・ビットや肩部大型メガ粒子砲や大口径ハイメガ粒子砲、ロケット・バズーカ二丁に60mmバルカン砲で迎撃するも全てかわしきり、高エネルギービームライフルを連結させてネオ・ジオングへと攻撃するも、腰部Iフィールド・ジェネレーターで防がれてしまう。
「やっぱり防がれるか……」
ストライクフリーダムは有線式大型ファンネル・ビットに囲まれて一斉に攻撃されるも、一気に駆け抜けて包囲網から抜け出した。そしてスーパードラグーンを射出しないハイマット・フルバーストで、包囲していた有線式大型ファンネル・ビットを全基撃ち落とした。
『化け物かよコイツ……! 』
ネオ・ジオングの全武装でストライクフリーダムに向けて攻撃するも一向に当たらず、腰部Iフィールド・ジェネレーターに向けて二刀のビームサーベルを貫通させ、そのまま横に向けて斬り払いもう一つも破壊した。
その後、大型アームが六つとサブアーム二つでストライクフリーダムを捕らえようとするも一向に捕まらず、ストライクフリーダムはそのまま距離を取ってスーパードラグーンを射出した。
「これで前面の防御は手薄になったはず……これで! 」
今度はスーパードラグーンを含むハイマット・フルバーストでネオ・ジオングに攻撃すると、ネオ・ジオングアーマーは次々と破壊されていき、たまらずシナンジュがネオ・ジオングアーマーから脱出してきた。
『…あっちの方が面白そうだな』
「あっ? 」
その間俺は騎士ユニコーンの相手をしていると、突如シンドウがそんな事を言い出した。すると、騎士ユニコーンは俺に背を向けてストライクフリーダムの方へと向かっていった。
「やべっ! 」
「ん? 」
騎士ユニコーンがストライクフリーダムに向けて剣を斬り上げるも、ストライクフリーダムは宙返りして回避しカリドゥス 複相ビーム砲で反撃した。しかし騎士ユニコーンはシールドのIフィールドで防ぎ、再び剣を構え縦に斬り下ろした。
「────っ! 」
ストライクフリーダムは高エネルギービームライフル二丁を頭上へと放り投げると、デスティニーとの戦闘シーンみたいに騎士ユニコーンの剣を白刃取りした。
『…………!? 』
ストライクフリーダムはそのままクスィフィアス3 レール砲で騎士ユニコーンに攻撃し、剣を海中へと投げ捨てた。
「いくらマスクドモードとはいえ、さすがに硬いし速いな……」
『シンドウ! 』
シナンジュがストライクフリーダムの背後からビームサーベルで攻撃するが、ストライクフリーダムが頭上に放り投げていた高エネルギービームライフルを手に持ち、すかさず銃口をシナンジュに向けてビームサーベルに攻撃した。
『ちっ!シンドウ! 』
シナンジュがビームサーベルから手を離し直撃をかわし、ビーム・アックスをストライクフリーダムの背後に向けて投げると、ストライクフリーダムの背後から騎士ユニコーンが現れて、ビーム・アックスを掴みストライクフリーダムに降り下ろした。
「やらせねえ! 」
ストライクフリーダムと騎士ユニコーンの間に割り込み、刀で騎士ユニコーンのビーム・アックスを防ぎ、マシンキャノンで反撃する。
『ちっ! 』
「お前相手は………俺だ! 」
刀を構え、騎士ユニコーンに接近する。騎士ユニコーンはビーム・アックスで先程の剣撃と同じ速度で攻撃してきたが、俺はシールドで防ぐ。時々反撃で刀で攻撃するもシールドで防がれてしまう。
ストライクフリーダムは右手にビームサーベルを持ち、シナンジュはシールドにビーム・アックスを展開し、右腕にはビームトンファーを展開して攻撃しあっていた。
「……俺達が入る余地とかねーなあれ…」
「逆に邪魔になるわね」
「まあ、二人に託すしかないよ」
ストライクフリーダムは左手にもビームサーベルを持ち、二刀流でシナンジュへと突っ込んでいった。シナンジュはバルカン砲で牽制しながら突っ込むも、ストライクフリーダムには一発も当たらず、お互いすれ違い際に攻撃した。
「………ごめんね」
シナンジュは両腕を切断され、胴体の中心にはビームサーベルで貫通された穴が見える。
『おいおい………劇中でも多くて二連撃だぜ? 』
それだけ言い残し、シナンジュは爆発していった。
「後はお前だけだ! 」
『…………』
騎士ユニコーンの剣撃から逃れるために一旦離れ、ビームサーベルをシールドから取りだして騎士ユニコーンに向けて投擲する。
騎士ユニコーンはそれを蚊でも叩くかのようにシールドで弾いた。しかし更にシールドを騎士ユニコーンに向けて投擲して接近すると、今度は剣でシールドを弾いた。
その一瞬の隙を逃さないように騎士ユニコーンの懐に潜り込み、刀を右腰から左肩に目掛けて斬り上げようとすると、騎士ユニコーンが膝蹴りをまた入れてきて攻撃を阻止され、逆に騎士ユニコーンの剣が降り下ろされようとしていた。
「ぐっ…! 」
『BATTLE ENDED』
ーーー--
「……時間切れか」
バトル終了のアナウンスが鳴り、シンドウがそう呟いた。
「えー。時間切れとなり、夢弓学園の方が残り二機!天ノ川学園は五機!よって優勝者は天ノ川学園じゃ! 」
「ふー……」
「危なかったわね…」
アキザワは大きく息を吐き、アマネはその場に座り込んだ。
「カグラ!やったな! 」
「………ああ」
ヒメラギが右腕を上げてきたので、俺も右腕を上げてハイタッチをした。
「ギリギリ間に合った~……」
「ありがとうございますハルカゼさん」
「いや~助かったぜ! 」
「アハハハハ。でもまさかフリーダムの戦闘シーンをやるとは思ってなかったよ」
ヒメラギとアキザワとハルカゼはそんな事を話し、アマネはようやく立ち上がった。
「これで生徒会長も手を出せないはずね」
「まあそうだな」
「けど、残る問題は部員ね……」
そんな事を考えていると、夢弓学園のメンバーとヨシナがこちらに来ていた。
「やあハルカゼ君」
「ヨシナさん…いきなりあんな条件つけないでくださいよ。偶然家に居たから手伝ってもらったとはいえ、結構ギリギリだったんですよ? 」
「すまない。この子の相手もしてもらいたくてな」
そういうと、ヨシナは隣に立っているツンツン頭の金髪の男の頭に手を置いた。
「この子は俗に言う天才の部類でな。身近に互角で戦える相手がいなかったんだ」
「確かにマスクドモードであの性能は凄かったですね。てか騎士ユニコーンって………ヨシナさんと同じタイプですね…」
「偶然だがね。挨拶をしたまえシンドウ君」
「……シンドウ アゲハだ」
「ちなみに俺はアベ アツシです」
シンドウと言われる男の後ろから、もう一人現れ、その男は黒髪のスポーツ刈りだった。
「よろしくね。じゃあこっちも自己紹介しなきゃね。コーチのハルカゼ トウイ……探偵さ…」
だからコーチじゃねーのかよ。
「んで、アルケニオスガンダムの使い手で、君の相手をしていたカグラ レイ君。ヴァサルティスガンダムの使い手ヒメラギ トウヤ君。騎士ウイングガンダムの使い手のアマネ マヒルさん。アークエンジェルを操縦していたアキザワ セイヤ君」
「よろしくな! 」
「よろしくね」
「よろしく」
「……そうか」
「…すかした野郎だなお前」
各々自己紹介を終えると、俺はシンドウにそう言い放った。
「あまりにも退屈なんでな」
「はぁ? 」
「あまりにも弱すぎるからな。コーチ無しじゃ勝てないチームだし」
シンドウはそれだけ言い、店から去っていった。その後をついていくかのようにアベも追いかけていった。
「こ、の、野郎~~……っ! 」
「すまないカグラ君。彼にも悪気があるわけではない。どうか許してやってくれないか? 」
「ちっ!まあいいけど…」
「助かる。君達もメンバーを早急に備え、大会でまた会おう。よければ、君が彼の良い好敵手になる事を願う」
ヨシナもそれだけ言い残し店を去っていった。……好敵手か…。
「おーおー。カグラお前好敵手になれってよ! 」
「……知らね」
「たくっ。つれねーな」
「そんなことよりも帰るわよ。明日には生徒会長に報告しなきゃいけないんだから」
「そうだね。サクラは何をしてくるかわからないし、早めに報告した方がいい」
「そんじゃ帰ろっか。皆、事故に合わないようにね~」
こうしていちば模型店の大会はなんとか優勝を収めたものを、俺はとにかく悔しくて堪らなかった。なんせほとんどアイツ一機で翻弄され、最後は時間切れによる不完全な勝利。
「次は絶っ対ぇー勝つ」
そう自分に誓い、帰路につくのであった。
夢をみた。自分でも何故かは分からないど、一瞬で夢だと理解した。
『やあ。久し振りだね』
真っ白な空間。その中に一人、靄がかかってよく見えないが、俺と同じくらいの男が一人立っていたのが分かった。
『あ、久し振りと言っても覚えてないか。ならさっきのは無し。初めまして、カグラ レイ』
「……………」
『あれ?無視?まあいいけど。無視されるのには慣れてる』
「………夢にしてはよく喋る奴が出てきたな」
頭を掻きながらそう呟くと、男は嬉しそうに笑った。いや、靄がかかっていてそう見えただけかもしれない。
『あ、ようやく返事をしてくれた。そう、これはお察しの通り夢。ただし、レイの根本的部分に触れる所』
「俺の根本的部分に触れる所…? 」
『そう、レイがそれに触れたおかげで、僕はこうして出てこれた。前は不完全な状態だったけど、これでようやく目的が果たせる。感謝するよ』
「お、おい。お前一体何を言ってんだよ…? 」
『と言っても、まだまだ足りない。まあキッカケは常にあるし、焦ることじゃないか』
「だから!お前は何を言ってんだって聞いてんだよ!? 」
『うるさいな。そう声を荒げるなよ。レイは単に依り代に過ぎないってことだ』
依り代?コイツは本当に何を言ってんだよ……夢にしては質が悪いだろ。
『そう頭を抱える必要はない。けど、ヒントを一つあげよう』
「ヒント? 」
『そう、ヒントだ。今から言うから、忘れることのないように』
男は口を開いて、そのヒントを述べた。
「……意味わかんねぇな。それのどこがヒントだって言うんだよ? 」
『自分で考えな。まあ時がくるまで、僕はレイ達の茶番を眺めてるよ』
「おい。まだ話は終わってねぇぞ」
『それじゃあ………と、言い忘れてた。この夢は何度でも続く。せいぜい気を付けるように』
男はそれだけ言い、まるで煙のように姿が消えていったのだった。
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