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ドラゴンクエストⅤ〜イレギュラーな冒険譚〜

作者:むぎちゃ
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第四十九話 魔の塔

 
前書き
この話は骨折前に書いた奴を今日投稿しました。
ちなみにこのデモンズタワー編からボスのインフレと装備品の輸入・逆輸入が盛んになります。

ドラクエ5って装備品が思ったより少なくて、特技も重複するのでせめて装備品でキャラの個性を出すしかないんですよ……。 

 
 大広間に戻ると、ドリスが慌てて駆け寄ってきた。

「大変だ、大変なんだよ皆!」
「どうしたの、ドリス。何かあったの!?」

 余りにも慌てている様子に不安を感じて私が聞くと、ドリスは震えながら言った。

「ゲバン大臣が、どこにもいないんだ」
「大臣も連れ去られたのか!?」

 アベルが叫びながら言うと、ドリスは弱々しい声で言った。

「私……、見たんだよ。ビアンカさんが魔物に連れ去られた方角に、大臣らしき人影が飛んでいたのを……」

 それを聞いた途端、私達全員に衝撃が走ったのを感じた。
 ドリスの言うことが本当なら……それは大臣がビアンカ誘拐の手引きをし、グランバニアを魔物に襲撃させたという事になる。
 
「それは本当か!ドリス!」

 私達の話を聞いていたのか、オジロンさんが食いかかったけどドリスは残念そうに頷いた。

「何と……、ゲバンが……」

 オジロンさんはそう言うと、顔を両手に埋めた。
 私達は何と声をかけていいかわからずどう言うべきか悩んでいると、オジロンさんが手を離して私達に言った。

「アベル達よ……。必ずビアンカ王妃を連れ戻してくれ。そして……、」

 オジロンさんはそこで一旦言葉を切った。

「そしてゲバンに何故魔物と手を組んだのか、その真意を尋ねてほしい」
「……わかりました」

 アベルは不承不承という感じで返事をした。
 
「済まぬな……。でも、私はゲバンを信じていたいのだ……」


 *
 
 あの後私達はゲバン大臣の部屋を捜索した結果、大臣の居場所がグランバニアから遥か北のデモンズタワーだという事がわかった。
 戦いの仕度を整えてデモンズタワーの中に入ったのはいいんだけど、入った途端魔物達の襲撃にあった。
 
 ホークマンをアベルの炎のブーメランが撃墜し、厄介な踊りをするデビルダンサーにはペストカレを唱えて踊りを封じ、倒れた仲間をザオラルで蘇生しようとするオークキングにはマーリンがマホトーンでザオラルを妨害させ、2つの盾で身を守ろうとするシールドヒッポにはピエールのイオラとメッキーの凍える吹雪で対処した。
 
 辺りを見渡すと今はこれ以上敵が出る気配はなさそうだったから、構えていたグリンガムの鞭を下げた。

「それにしても、ここの敵はかなり強いね」

 私がそう言うと、ピエールは頷きながら言った。

「我々が出発する前に貰った装備が、ここでの戦いにかなり役立っていますな」

 ピエールのその言葉に、私は自分が身につけている装備品を見る。
 前までの防具は身躱しの服に鉄の胸当てだったけど、今は水の羽衣にホワイトシールドという魔法とブレスの他にも物理攻撃に対処できるようになっている。 
 アベルは特に装備の違いが無いけど、モンスター達はみんな装備品を真新しい物に変えていた。
 ピエール・ジョーの2人(匹?)はメタルキングの剣に風神の盾は共通だけど、ピエールがドラゴンメイルにミスリル兜を装備しているのに対してジョーは兜も鎧も装備していなかった。ジョー曰く、「この甲冑自体が俺の体だから変えることはできない」とのこと。
 マーリンは使うとバギマが発動する天罰の杖に魔法の法衣、ドラきちはマホトーンの効果がある魔封じの杖に銀の胸当て、メッキーはアベルも装備している炎のブーメランに、魔導師のローブ。
 ゲレゲレは鉄の爪から炎の爪に、闇の衣。
 ホイミンちゃんはドラきちと同じ炎のブーメランにスライムの服、スラりんちゃんは鋼の牙にスライムメットという構成だった。
 
 それから襲いかかってくる魔物を何回か撃退して中を探索していると、目の前に2つの階段が現れた。

「ねぇ、アベル。どっち登る?」
 
 私が聞くとアベルは少し考え込んでから言った。

「ここは2手に分かれてそれぞれで中を探索した方が得策だ」
「それだと戦力のバランスを取る必要があるよね。
最低でも物理攻撃役2人、魔法攻撃役2人、回復役2人の構成がいいと思うんだ」
「じゃあ、ミレイに負担がかからないようにマーリンとホイミンが魔法攻撃役と回復役を。ミレイは兼役を頼めるかい?」
「大丈夫だよ、アベル」
「わかった。次はジョーとゲレゲレ、君達もミレイの方に同行してくれ」
「……了解した」
「ガウガウ」
「という事は僕とメッキーとピエールさんとドラきちがアベルさんに同行するんだね?」

 スラりんちゃんがアベルに聞くと、アベルは頷いた。

「さて、メンバーが決まった事だし次はどっちの階段に登る?」
「じゃあ僕達は右の階段を登るから、ミレイは左の方を頼む」
「了解。後で合流しようね」
「ああ」

 そう言ってアベル達と私達はそれぞれ別の階段に足をかけた。



 
 
 
 

 



  
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