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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another109 水中大戦争

 
前書き
水中大戦争開始 

 
カイザーが創り出した人造デジモン軍団が最も暴れているエリアに来た。
デジヴァイスによる特殊防護膜により、人間でも水中の活動が出来るのもあり、水中ということでいつもより多いメンバーで来たのだが、ある意味正解であった。
水中に潜った瞬間、改造により進化させられたメタルシードラモン、メタルピラニモン、スイジンモン達による迎撃を受ける。

大輔「入って早々に大層なご歓迎で!!」

タケル「呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ!!」

ズドモン[ハンマースパーク!!]

デプスモン[バブルボム!!]

クレシェモン[ダークアーチェリー!!]

ズドモンがトールハンマーによる一撃で、メタルピラニモンを粉砕し、メタルシードラモンがアルティメットストリームを放とうとした瞬間、デプスモンが砲門にバブルボムを叩き込み、暴発させ、クレシェモンがダークアーチェリーをメタルシードラモンの口内にぶち込んで撃破。
ズドモンとクレシェモンが攻撃の要となり、デプスモン達が2体を援護。
しかしスイジンモンは意外と手こずった。
究極体でも比較的に弱いメタルピラニモン、ダークマスターズとの戦いで戦った経験のあるメタルシードラモンはともかく、初めて戦うスイジンモンには苦戦した。

ズドモン[丈!!メタルシードラモンとメタルピラニモンはともかく、スイジンモンは厄介だ!!]

丈「分かっているよ!!人間サイズでムゲンドラモン並みの攻撃力は厄介だね…」

デプスモン[ぐおっ!!?]

スイジンモンの∞キャノンをまともに喰らったデプスモンは退化はしなかったが、かなりのダメージを受けた。

大輔「デジメンタルアップ!!」

ブイモン[ブイモンアーマー進化!マグナモン!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!]

遂にマグナモンにアーマー進化して、必殺技のレーザー光をスイジンモン達に喰らわせる。
無数のレーザー光を避けることは不可能に近く、スイジンモン達の軍勢は瞬く間に殲滅された。

マグナモン[はあ…はあ…]

まさかここでマグナモンに進化する羽目になるとは思わなかった。
水中での動きにくさは予想以上で、普段のような迅速な行動が出来ない。
息をつけたのも束の間、別の場所にいたメタルシードラモン、メタルピラニモン、スイジンモンがマグナモンに攻撃を仕掛けてきた。
水中では素早く動けないマグナモンは直撃を受ける。

マグナモン[ぐっ!!]

ヒカリ「ティロモン!!マグナモンを!!」

ティロモン[任せて!!]

この水中に特化したアーマー体の中でも最高速を誇るティロモンが凄まじいスピードで、マグナモンを救出する。

マグナモン[お前…]

ティロモン[私にしっかり捕まってて。この姿の私は、水中のみに限定すれば完全体は愚か、究極体にだって機動力では負けないわ!!]

実際ティロモンはメタルシードラモンと同等の機動力…いや、小柄な分、総合的な機動力は上回っていた。

ヒカリ「マグナモンの攻撃力とティロモンの機動力を合わせれば、スイジンモンとだってまともに戦えるはず!!」

大輔「考えたなヒカリちゃん。確かにマグナモンの攻撃力とティロモンの機動力ならそこらの究極体とだってやりあえるな」

タケル「マンタレイモンのステルス能力も忘れちゃ駄目だよ」

ベルゼブモン[考えたなタケル。マンタレイモンがレーダーで捉えにくい性質を利用するとは]

レーダーに捉えられないマンタレイモンに捕まり、縦横無尽に動き回り、遠距離射撃で敵を倒していく。
ティロモンの機動力とマンタレイモンのステルスを活かした攻撃、更にズドモン、クレシェモン、オルカモン、サブマリモンのサポートもあり、瞬く間に殲滅することが出来た。

丈「ふう…やっと片付いた…あれ?大輔君達は?」

ズドモン[丈、大輔達はここのボスを倒しに向かったぞ]

オルカモン[私達は見事に留守番です]

サブマリモン[だぎゃ]

丈「え!!?そうなの!!?」

いつの間にか、このエリアのボスの元に向かっていた大輔達に、置いてきぼりを喰らった丈はガクッとなる。








































一番奥へと潜ると、メタルシードラモンよりも遥かにでかく、全長はホエーモンすら上回る究極体デジモン、ギガシードラモンがいた。

大輔「こいつ…初めて見るデジモンだな…メタルシードラモンの派生系か?」

ギガシードラモン[これはこれは…選ばれし子供達か…]

大輔「この声は…この辺りの海を守護していたメガシードラモンか!!?」

タケル「え!!?」

目の前の巨大なデジモンが、この辺りの海を守護していたメガシードラモンだと言うのか?

ギガシードラモン[デジモンカイザーに捕らわれて、洗脳された挙げ句改造され、このザマだ…]

ヒカリ「酷い…」

自嘲するように言うギガシードラモンを痛々しげに見つめるヒカリ。

賢「でも良かった。君だけでも理性を残していて、君を今から保護する。」

ギガシードラモン[いや…今はまだ何とか理性を保てているが…いずれ私は狂うだろう…デジモンカイザーの命令にのみ従うよう脳にインプットされているのだからな…]

タケル「………そんな」

かつてこのエリアを守るためにどのような敵とも戦った勇敢なデジモンが湧き上がる破壊衝動と戦い続け、そしてその破壊衝動に負けそうになっている。

ギガシードラモン[選ばれし子供達よ。酷なことだということは分かっている。私が自我を失う前に私を殺してくれ。そのデータをロードし、君達の力にして欲しい]

賢「何だって?」

ギガシードラモンの頼みに全員が目を見開く。
確かにギガシードラモンの頼みは理解出来る。
自我を失い、破壊衝動のままに暴れる獣となり果てるくらいなら死んだ方がマシだろう。
しかしギガシードラモンはデジモンカイザーの被害者であり、何の落ち度もないギガシードラモンを殺したくはない。
悩む子供達を前にギガシードラモンは…。

ギガシードラモン[はあっ!!]

マグナモン[ぐはっ!!?]

ティロモン[マグナモン!!?]

勢いよく振るった尾で、マグナモンを吹っ飛ばしたのだ。

ギガシードラモン[これでどうだ?デジタルワールドの救世主である選ばれし子供のパートナーデジモンに攻撃を加えた。これはすなわち、今の私はデジタルワールドの敵だ]

大輔「ギガシードラモン………」

ギガシードラモン[私もこのエリアの守護デジモンと呼ばれたデジモン。そう簡単にやられたりはしない]

大輔「分かったよ…この海で安らかに眠ってくれ……」

その言葉に笑みを浮かべたギガシードラモンは、口を大きく開いた。

ギガシードラモン[ギガシーデストロイヤー!!]

口部の大砲から発射されたエネルギー魚雷がマグナモン達に迫る。

マグナモン[かわせ!!]

ティロモン[分かってるわ!!]

ベルゼブモン[ギガシードラモンから距離を取れ、どんな攻撃にも対処出来るようにな]

マンタレイモン[分かっているよ!!]

ギガシードラモンはエネルギーの消耗など考えずに最大火力の攻撃を放ってくる。
その猛威は完全体のメガシードラモン時代から、このエリアを侵略しようとしてきた敵と戦い続け、完全体でありながら究極体レベルの領域に達していたメガシードラモンの改造進化体であるギガシードラモンだからこそ凄まじい。

マグナモン[(ギガシードラモンは水棲系のサイボーグ型…)]

マグナモンでギガシードラモンに一番有効なダメージを与えられそうな技は、プラズマ弾を放つ技であるプラズマシュートだ。
しかしここは水中だ。
もしこんな場所でプラズマシュートを放てば、マグナモンやベルゼブモンはまだいい。
しかしティロモンとマンタレイモンが死んでしまう可能性が高い。
一番有効な技を放てない現状が歯痒い。

マグナモン[マグナムパンチ!!]

マグナモンの右ストレートがギガシードラモンに炸裂する。
ティロモンのスピードを合わせた一撃はそれなりのダメージを見込めると思ったのだが…。

ギガシードラモン[私を舐めないで貰いたいな。クロンデジゾイド合金の装甲にその程度の攻撃は通用せん。スカイウェーブ!!]

背部の発射口から掃射される無数の、本来なら対空技として使われる対空エネルギー弾が放たれた。

マグナモン[ライトオーラバリア!!]

即座にライトオーラバリアを張るが、碌にエネルギーを込めていないバリアを貫くことは造作もなく、マグナモンとティロモンは吹き飛ばされた。

マグナモン[ぐっ…いくら即興でもライトオーラバリアで防げないなんて…ティロモン、大丈夫か?]

ティロモン[ええ…何とかね…]

ライトオーラバリアでダメージを緩和したためにティロモンは戦闘続行可能だ。
エクスブイモンベースのマグナモンはブイモンベースのマグナモンより遥かに進化持続時間は長いが、パイルドラモンイクスベースのマグナモンより戦闘力は劣り、オーバードライブすら使用出来ない。

ベルゼブモン[ダブルインパクト!!]

ギガシードラモン[我が装甲にそのような攻撃など豆鉄砲のようなものだ!!ギガシーデストロイヤー!!]

ベルゼブモン[かわせ!!]

マンタレイモン[分かってる!…あっ!!]

エネルギー魚雷はオトリ。
本命は尾による直接攻撃。

ベルゼブモン[がはっ!!]

マンタレイモン[うわあああああ!!]

直撃を受けたベルゼブモンとマンタレイモン。
究極体であるベルゼブモンはともかく、成熟期相当のマンタレイモンにはあまりにも重すぎた。
パタモンに退化し、タケルはデジヴァイスの防護膜でパタモンを助けた。

タケル「大丈夫?」

パタモン[うん…ギガシードラモン…強いよ…]

ベルゼブモン[獣王拳!!]

ギガシードラモン[温いわ!!]

反撃で放った獣王拳も簡単に弾かれてしまった。

賢「手強いな。流石、百戦錬磨のメガシードラモンの改造進化体だ。」

大輔「何とか奴の弱点を突かないと。こんなことになるならスバル達も連れてくるんだったな」

スバルとウォーグレイモンXならギガシードラモンにも有効なダメージを与えられただろうが、ここにはスバルとウォーグレイモンXはいない。

マグナモン[(プラズマシュートが使えない今、ギガシードラモンに有効打を打てそうなのは…)]

ベルゼブモンの獣王拳が通用しないなら、聖なる力を拡散させて繰り出すシャイニングゴールドソーラーストームではエネルギーの無駄使いにしかならない。
エネルギー収束系の必殺技である遠距離攻撃のエクストリーム・ジハードや突撃技のノヴァストライクならダメージを与えられるかもしれない。
ここでマグナモンが選んだのは…。

マグナモン[(ノヴァストライク…撃ち落とされる危険性が高いが、ギガシードラモンに確実にダメージを与えられそうな技はこれしかない)]

聖なる力を身に纏い、敵に突撃するノヴァストライクを選択した。

ベルゼブモン[………]

ベルゼブモンもマグナモンの考えが分かっていた。

賢「モードチェンジだ。ベルゼブモン」

ベルゼブモン[ベルゼブモンモードチェンジ、ベルゼブモン・ブラストモード]

陽電子砲を構えながら、ギガシードラモンの攻撃の迎撃体勢を取る。

マグナモン[ティロモン……離れているんだ]

ティロモン[…分かったわ]

奇跡のデジメンタルのエネルギーを限界まで引き出しているのだろう。
マグナモンが纏っている高純度クロンデジゾイドの鎧から凄まじい光が放たれている。
ギガシードラモンも逃げるようなことはせず、いや、既に逃げるという思考すら出来ているのかも怪しい。
ギガシードラモンの目には理性の光が消えていた。

ギガシードラモン[グオオオオオオ!!]

咆哮しながら放たれたエネルギー魚雷と対空エネルギー弾。
無数の弾幕にも果敢に突撃するマグナモン。

マグナモン[奇跡のデジメンタル…出力全開!!ノヴァストライク!!]

己の身体を閃光の矢と化してギガシードラモン目掛けて流星の様に突撃していくマグナモン。

ヒカリ「駄目!!当たる!!」

無数の弾幕で撃ち落とされるマグナモンの姿が思い浮かび、思わずヒカリが叫んだ。

ベルゼブモン・BM[大丈夫だ。全て相殺してみせる!!スプレッドカオスフレア!!]

魔法陣を展開して繰り出すベルゼブモン・ブラストモードの必殺技であるカオスフレアをインペリアルドラモンのポジトロンレーザーとゴールドブイドラモンのブイブレスアローMAXのように拡散して放った。

大輔「あれは…」

賢「驚いたかい?大輔?ゴールドブイドラモンにも出来た芸当くらいは出来ないとね。大体、インペリアルドラモンのエネルギー系の担当は僕達がしてたんだからこれくらい出来て当然だ!!!!」

スプレッドカオスフレアがギガシードラモンの弾幕を全て相殺してみせた。
マグナモンの前を遮る障害は存在しない。

タケル「行け!!マグナモン!!」

マグナモン[これで終わりだギガシードラモン!!貫けーーーーーーっっっ!!!!!]

光の矢と化したマグナモンがギガシードラモンの顔面を貫いた瞬間、周囲に凄まじい衝撃が走った。

大輔「今だ…データロードだ!!」

デジヴァイスを翳して、ギガシードラモンが粒子化する前にギガシードラモンのデータをロードする。
ギガシードラモンのデータがデジヴァイスに取り込まれ、マグナモン達の力の一部となる。

マグナモン[ありがとうギガシードラモン…お前の力…絶対に無駄にはしないぞ]

ギガシードラモンのデータをロードしたことで力を増したマグナモンがギガシードラモンに礼を言うと、現実世界に転送されたのだった。 
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