ソードアートオンライン 黒紅の騎士と紫紺の剣姫
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ボス攻略戦の前にーⅡ
前書き
オリジナルです。ボス戦前にもレベルアップとかしませんか?的なお話です
ホルンカ村近郊にある森の中を、4人の男女が進行しある洞窟の前で止まった。ラン達御一行である。
「ここが、その洞窟か?」
「ああ、実際どんなアイテムやらモンスターがいるかわかんねぇけど。偶々、見つけた洞窟だからなー」
キリトの質問に、答えて俺は左手で剣を抜いた。一応、ソロプレイ前提だったから索敵を取っていた俺は、近くに何者かの気配を察知した。キリトも同じように剣を構えていた。
「そこに、いるやつ出て来いよ。2、3人いるだろ?・・・ハイドしてようが、こっちにゃ見えてるぜ」
「けっ。気付かなきゃ、サクッと殺れたのによぉ。ばれちまったじゃねぇか」
耳障りな濁声と共に草むらから数人のプレイヤーが現れた。装備は、全員バラバラだったが共通点が1つあった。全員、目の焦点があってない・・・いや、瞳が濁りかけていた。
「・・・女が、いるぜリーダーぁぁ。どーするー、あ?」
山賊風の男が、背後に振り返り彼らのボスに尋ねようとした瞬間、男の腹にナイフが刺さっていた。
「・・・煩いなぁ。手前らの声なんて聴きたくねぇんだよ。殺すぞ」
そのリーダーと呼ばれた男は、群衆の奥から進み出てきた。形も容姿も、他の奴等と違いしっかりしているが目が異常に鋭かった。そして、俺はそいつを知っていた。
「・・・テメエら、とっとと引くぞ。こいつらフロントランナーだ。お前らが束になったって敵わねぇよ」
男は、ボロボロになった黒いコートを翻して男たちに命令し森の奥に消えた。
(・・・エンジュ、お前はそっち側か。手遅れにならねぇ内に帰ってこいよ)
俺は、その背中に聞こえるわけではないが忠告した。
「おい、ラン入るぞ」
「ん、あぁ分かった。前衛は、俺とキリト。後衛は、ユーリとアスナで適宜スイッチで」
そう言って、俺たちは”Cave of Treachery"(裏切りの洞窟)へと向かっていった。
「せらっ、ユーリ。スイッチ!」
The Treachery Soidierの剣を俺が、斜め上にかちあげると同時にユーリがその無防備になった胴にソニックリープを叩き込んだ。敵は、バーを全損させ砕け散った。
すぐ傍では、アスナが必殺技までに昇華させたリニアーを敵の首元を正確に射抜いていた。
「・・・すっげぇな。アスナは・・・」
「うん。あんなに綺麗になるのソードスキルって?」
「どーだろうな。β時代はレベリングに没頭しててそんなこと考えなかったからな」
ユーリの、質問に明確な答えを俺は出せなかったが恐らく、答えはYESだろう。リニアーは、基本技ゆえにそこまで威力はない。そして、正確に首を射抜くということはかなりの回数を放ったことになる。だから、あそこまで早く鋭い突きになっているのだろう。
「ん?トゥレチェリーブレードいつの間に、ドロップしたんだ?」
俺のストレージには、砕けた鎧とその他ポーション類とサブの剣が数本しか入ってないはずだがそれは、ストレージの先頭に”NEW"の文字と共に存在していた。詳細についてもしっかりとテキストがかいてあった。
【裏切りの兵士が、その手に握っていた長剣。血がこびり付き変色しているが汝の力になるだろう】
試しに、オブジェクト化してみるとボロボロの包帯にまかれた鞘と共に赤黒い刀身のロングソードがポップした。
「うへぇ。・・・ラン、なんかヤバくないか?呪いのアイテムなんじゃないか」
「いや、なんか若干アニールブレードに似てないか?・・・あの家、剣を置く棚2段なかったか?」
キリトが、苦虫を噛み潰したような顔をしていたが、この際無視することにした。理由は、いたって単純”めんどくさい”からだ。
「そういえば、ランさん。そろそろボス部屋のようだけれど、行かないのかしら?」
アスナが、レイピアを納めながら近づいてきた。その視線は、俺の背後の大扉ー詰まる所”ボスがいる部屋ーに、注がれていた。
「あぁ・・・この状態なら問題なさそうだし行くとするか」
「おー!」
(ユーリ、お前だけだよ。ノリノリなのわ)
心の中で、そう呟きながら俺は扉に手をかけた。
後書き
・トゥレチェリーブレード
武器カテゴリー:片手直剣
説明・トゥレチェリーソルジャーが、持っていた剣。赤黒く変色してしまっているが元々は、アニールブレードの原型だった。しかし、それを持った剣士が裏切り逃走し追っ手を切り殺す内に変色してしまった。元の銘は、オーダーブレード(秩序の刃)と言われていた。
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