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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十話 商店街その十二

「というかそんなこと大阪とかここで言ったら」
「相手にされないわよね」
「お寿司屋さんでも。東京のお寿司屋さんは威張ってるらしいけれど」
「こっちで威張ったらあれよね」
「即刻ね」
 まさにそれこそだ。
「潰れるよ」
「そうよね」
「味がよくてもね」
 もうそれこそ味に関係なくだ。
「おばさん達にあることないこと言われて」
「そこでもおばさん達なのね」
「おばさん怖いよ」
 関西では特にだ。
「もう敵に回したら生きていられないから」
「そこまで強いのね」
「天理教の教会なんてね」 
 この宗教はというと。
「教会の奥さんが全てだから」
「あそこの宗教そんなに奥さんが強いの」
「あの宗教元々教祖さんが女の人でね」
 中山みきさんという、かなり苦労して天理教の基礎を築かれた方だという。キリスト教でいうとキリストの様な方だと思う。
「そのせいかね」
「女の人が強いの」
「そうなんだ、僕の通ってる教会もね」
 八条分教会もだ。
「奥さん強いんだ」
「そうなのね」
「ご主人が会長さんだけれどご主人は婿入りってこともあって」
「お婿さんなら余計によね」
「弱いというかね」
 その会長さんがだ。
「やっぱり女の人の方が強いんだ」
「天理教だと」
「特にね」
「ううん、それはまた凄いわね」
「天理教は奥さんが物凄く強くて」
 僕の見た限りではだ、もう教会のことを奥さんが全て取り仕切っている。もうご主人はいるだけの時もある。
「そういうの見てきたから」
「女の人もなのね」
「怒らせたら怖いって思うんだ」
「それはその通りよ、女の人怖いわよ」
 美沙さんもここでこう言った。
「女の私も言うけれど」
「そうだよね、やっぱり」
「ええ、ただ関西は特になのね」
「そうだよ、その天理教の教会もだし」
 僕が通っている八条分教会もというのだ。
「他のあらゆるところでもだよ」
「女の人怖いでしょ」
「うん、特にね」
 ここで僕は話した、僕が天理教の奥さんと同じだけ強い女の人を。しかもそれは一人だけではなかった。


第五十話   完


                       2015・7・1 
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