八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十九話 学校までの道その十二
「どうしようかな、帰って」
「ゲームするの?」
「そうしようかな、けれど」
考えてみるとだ、ゲームをしようにも。
「あまりね」
「そうなのね」
「うん、やってたゲームをクリアしたばかりで」
それでだった。
「今はどのゲームもね」
「しようと思ってないの」
「したいと思ってるゲームはあるけれど」
それでもだった。
「そのゲーム今持ってないんだよね」
「お金ある?」
「僕のお金?」
「そう、あるわよね」
「あるよ」
すぐにだ、僕は美沙さんに答えた。
「お財布も持ってきてるよ」
「じゃあ買いに行けばいいじゃない、これから」
これが美沙さんの提案だった。
「これからね」
「街まで出て」
「そうしたら?」
美沙さんは僕にまた言った。
「これから」
「それじゃあね」
少し考えてからだ、僕はまた答えた。
「駅前の商店街に行こうかな」
「そうするのね、ただ八条町って商店街二つあるよね」
「うん、その駅前のと学校の近くのね」
「二つあるわよね」
「それで今日は駅前の方行くよ」
そこにというのだ。
「そちらにね」
「わかったわ、それじゃあ私もね」
「美沙さんも来るんだ」
「暇だから」
だからだというのだ。
「それでね」
「それでなんだ」
「ええ、一緒に行っていいわよね」
「美沙さんもゲームするんだ」
「野球ゲームとサッカーゲームするわよ」
「確か野球は阪神だよね」
「北海道出身だけれどね」
それでもというのだ、阪神ファンのことについては。
「パ・リーグは日本ハムだけれどね」
「そこは外せないんだ」
「あと八条リーグだと札幌ベアーズよ」
日本プロ野球機構とは別系統の八条プロ野球機構が運営しているそのリーグではこのチームだというのだ。
「そこよ」
「札幌だから」
「あそこ応援してるわ」
「そうなんだね」
「じゃあ今からね」
「うん、それじゃあね」
「行きましょう、駅前の商店街にね」
こう二人で話してだった、僕達は商店街に行くことになった。この日は学園に行ってそれで終わりとはならなかった。
第四十九話 完
2015・6・24
ページ上へ戻る