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歌集「春雪花」

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 もみじ葉を

  染めにし秋に

   君あらず

 静心なく

    生くるものがな



 もみじを紅く染めてゆく秋…。人は皆、うつろう景色を美しいと言うが、それはまた…時が過ぎていると言うことでもある…。

 彼のいないこの場所で眺むる秋は、寂しさ…哀しみ…嫉妬が入り交じり、とても心穏やかにはいられない…。

 私はこうして生きてゆくしかないのだろうか…。



 想い慕い

  恋に焦がれて

   歌詠むは

 今も昔も

    変わりせぬかな



 愛しい人を想い、恋しくて堪らなくなり歌を詠む…。
 それは千年以上も前から変わらず…恋とは辛いものだと伝えている…。

 私もまた…想いは同じなのかも知れない。

 たとえ…同性を愛する出来損ないな人間だとしても…。

 それでも…彼への想いは本物なのだ…。

 もし…在原業平や小野小町が私を知ったら…卑しむだろうか?蔑むだろうか…?

 無性に…知りたい…。



 
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