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ウルトラマンレオ

作者:ヒナギク
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Episode 1

 
前書き
 爆発寸前のL77星。
 瓦礫に埋もれている弟・アストラを助けようとする兄・レオ。
「アストラ、頑張れよ。今助けるからな」
「レオ兄さん、僕はもうダメだ……!」
 気を失うアストラ。
「アストラ──ッ!」 

 
 その日の朝、寝室で寝ていたおおとり ゲンが目を覚ます。
 今しがた見ていた夢の内容を思い出す。
「アストラ……」
 ゲンはベッドを降り、制服に着替えてリビングに向かう。
「おはよう、おおとりさん」
 キッチンから同棲している恋人の山口(やまぐち) 百子(ももこ)の声。
「おはよう、百子さん」
今朝は?──と、訊ねるゲン。
「さんまよ」
 百子が食卓に朝食を運んだ。
「いただきます」
 ゲンは百子の作った朝食を堪能した。
「ごちそうさま」
 食器をキッチンに運んで水につける。
「じゃ、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
 ゲンは家を出ると、MAC本部へとやってきた。
 司令室に入る。
「おおとり、おはよう」
 同僚の梶田が挨拶する。
「梶田だけか。他のみんなは?」
「なんかインフルエンザが流行ってるみたい。隊長は来るよ」
 コンコン、と足音が聞こえ、隊長の川上(かわかみ) 鉄太郎(てつたろう)がやってくる。
「「おはようございます!」」
「二人だけか」
「インフルエンザが流行ってるんですよ」
「お前たちも体調管理には気を付けろよ」
さて──と、続ける鉄太郎。「ゲン、梶田、パトロールに行ってくれ」
「「はい!」」
 ゲンと梶田がマッキー二号でパトロールに出る。
「この地球もすっかり平和になったな」
「ウルトラマンタロウが去って随分になるのか」
 その時、正面からコウモリの大群が現れた。
「吸血コウモリ!」
「撃て!」
 マッキー二号が機銃で吸血コウモリの大群を撃ち落とす。
 生き残った一匹が地上で女性に姿を変えるが、ゲンたちは気付かぬまま飛び去っていく。
 そこへ買い物帰りの百子が通りかかる。
「大丈夫ですか?」
 声をかけた。
「傷だらけね。救急車呼びましょうか?」
「人を呼ばないで下さい。悪い人に狙われてるんです」
「困ったわね。うちで匿ってあげる」
 百子は女性を家へ連れ帰った。
「フフフフフ」
 笑う女。
「何がおかしいの?」
「こうも簡単に罠にかかるとはね」
「え?」
 女が牙を剥き、百子に噛み付いた。
「ぐっ! 何するの!?」
 吸血鬼に血を吸われたものは吸血鬼になる。


ガチャリ──扉が開き、ゲンが入ってくる。
「ただいま!」
 シーンと静まり返っている家。
 リビングへ移動すると、百子がソファに座っていた。
「なんだ、いたのか」
 百子が立ち上がり、ゲンに近付く。
 明らかに様子がおかしい。
 百子がゲンに噛み付こうとする。
「百子さん!?」
 ゲンはとっさに百子の鳩尾(みぞおち)に拳を叩き込んで気絶させた。
 何者かの気配を察知するゲン。
 吸血女が姿を現した。
「お前は!?」
「私はバットン。吸血鬼よ」
「吸血鬼だと!? それじゃ、百子さんを!」
「フフフフフ」
 笑うバットン。
「あなたも手下にしてあげるわ」
「そうはいかない!」
 バットンがゲンに襲いかかる。
 ゲンは攻撃を躱し、反撃に出た。
 怯むバットン。
 バットンは家を飛び出した。
 追いかけるゲン。
 バットンは巨大なコウモリ怪獣に姿を変えた。
「レオ──ッ!」
 ゲンはウルトラマンレオに変身、巨大化した。
 バットンと格闘するレオ。
 レオは注射器を取り出す。
 バットンの体に針を刺し、血を採取する。
 だが、レオは反撃を受けて注射器を落としてしまう。
「しまった!」
 バットンが注射器を拾おうとするが、レオは光弾で敵を吹っ飛ばした。
「ダー!」
 レオはバットンにレオキックを浴びせて粉砕した。
 その後、採取された血液から血清が作られ、百子は元に戻った。 
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