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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another86 ピエモン

 
前書き
ピエモンとのバトル 

 
ブラックテイルモンとの再会で緊張が解れた子供達に突如襲い掛かる威圧感。

大輔「来やがったな…ピエモン…」

太一「………」

こちらに向かって歩みを進めてくるピエモンを子供達とデジモン達が鋭く睨み据えた。

ピエモン[お久しぶり…と言うべきですかねえ。あの貧弱そうだった者達がよくここまで強くなれたものです。褒めてあげましょう]

ブイモン[そいつはありがとよ。さあて、それじゃあ]

ピエモン[始めましょうか]

ピエモンが指をパチンと鳴らすと、無数のスカルサタモン、ネオデビモン、マリンデビモン、レディデビモンが襲い掛かる。
全員が対抗するようにブイモンを除いた全員が究極体に進化した。

ウォーグレイモン[ふっ、はっ]

両腕を組んだまま、スカルサタモン達を蹴り飛ばす。

ロゼモン[ソーンウィップ!!]

ドミニモン[ダブルファイナルエクスキャリバー!!]

茨の鞭と巨大化した2本の剣が瞬く間に敵を薙ぎ倒していく。

ピエモン[ほう、どうやら半年間の間、遊んでいたわけではないようですね。全員の能力が桁違いに上がっている。]

ブイモン[当たり前だろ?この日のために血反吐吐くような特訓をさせてきたんだからな]

ピエモン[ではこちらも始めるとしましょうか]

ブイモン[ああ]

ブイモンは奇跡のデジメンタルのパワーだけを引き出し、ピエモンに向かっていく。

ピエモン[来い!!]

ブイモン[行くぞおおおお!!!!]

ピエモンとブイモンが激突する。

ホウオウモン[スターライトエクスプロージョン!!]

ヘラクルカブテリモン[ギガブラスター!!]

2体の必殺技がマリンデビモンに炸裂。
究極体の技の威力は凄まじく、凄まじい勢いでマリンデビモン達が消滅していく。

ブイモン[だりゃああああ!!]

顔面に強烈なパンチを喰らわせ、岩に叩き込むが、ピエモンは即座に離脱して、ブイモンに回し蹴りを繰り出そうとするが、容易く受け止められた。

ブイモン[やるなあ、久しぶりに血が騒いできたぜ!!]

ピエモン[それはどうも……]

アルフォースブイドラモン[ドラゴンインパルスX!!]

デュナスモン[ブレスオブワイバーン!!]

メタルガルルモン、メタルガルルモンX[[グレイスクロスフリーザー!!]]

マグナガルルモン[マシンガンデストロイ!!]

カイゼルグレイモン[九頭龍陣!!]

広範囲に有効な技を繰り出して殲滅させる。
ピエモンの軍団は瞬く間に全滅したのだ。

太一「よし、俺達もブイモンに加勢を…」

ブイモン[どりゃああああ!!]

ピエモン[つああああっ!!]

単純な肉体の激突。
拳と拳。
蹴りと蹴りの単純なぶつかり合い。
簡単な攻撃も互いに実力者となると高次元の物となる。

ブイモン[ブイモンヘッド!!]

ピエモンの顎に強烈な頭突きを喰らわせ、ピエモンを上空に打ち上げる。

ブイモン[へへ!!]

一気に跳躍してピエモンのいる高さまで行く。

ピエモン[くっ!]

悔しげに歯軋りしながらも、ブイモンに接近する。

ブイモン[あの時よりは大分強くなったな。久々に歯応えがある敵だぜ!!]

ピエモン[ぐおっ!!?]

手を組んでピエモンの背中に叩きつけると、ピエモンは地面に激突するが。

ピエモン[トランプソード!!]

無数の短剣がブイモンに迫る。
ブイモンは鞘からロングソードを抜くと、トランプソードを次々と弾いていく。

大輔「ブイモン!!」

ブイモン[分かってるよ。こいつの本命は…]

ピエモン[エンディングスペル!!]

トランプソードはただの囮。
本命は衝撃波だ。

ブイモン[これだろ!!ブイショット!!]

いつの間にか真上にいたピエモンが放った衝撃波をブイモンも衝撃波で相殺する。

ピエモン[何!!?]

ブイモン[驚くのは早いぜ!!ブイモンパンチ!!]

驚愕するピエモンに強烈な右ストレート。
まともに喰らったピエモンは吹き飛ばされたが、何とか体勢を立て直す。

ピエモン[…………]

ブイモン[…見上げたもんだな。たった半年間でここまで強くなるなんて……大した努力と才能だぜ……さて、そろそろ本気で来いよピエモン]

ピエモン[…やはり気付かれていましたか]

ブイモン[まあ、何となくだけどな……それじゃあ行くぞ。ブイモンワープ進化!マグナモン!!オーバードライブ!!]

マグナモンに進化するのと同時に黄金のオーラを身に纏う。

ピエモン[それは…]

マグナモン[オーバードライブ…説明は少し苦手なんだが…デジコアと同化している奇跡のデジメンタルの出力を限界を超えて引き出す能力でな。単体で俺がなれる最強形態だ]

ピエモン[成る程、それは良かったですね。危なかったですよ。あなたとの決戦に備えて新たな進化形態に挑戦しておいて正解でした。]

マグナモン[へえ、見せて見ろよ。お前の新たな進化形態ってのを]

ピエモン[言われずとも…はああ…ピエモン進化!カオスピエモン!!]

どす黒い輝きを身に纏い、輝きが収まったと思ったら、黒を基調としたピエモンがいた。

マグナモン[身体の色が変わっただけ…ではないようだな。ケンタルモンがサジタリモンに進化したようなもんか…?]

カオスピエモン[最近出来るようになった形態ですよ。では、あの時のリベンジと行きましょうか]

マグナモン[行くぜ!!]

マグナモンはオーバードライブの力を限界まで引き出し、カオスピエモンの頬に強烈なパンチを喰らわせる。

カオスピエモン[……ふふ、少しは効きましたよ]

マグナモン[…っ!!少し意外だったぜ]

見た目は大して変わらないのにも関わらず、以前より遥かにタフになっている。

カオスピエモン[以前の私と同じだと思っていたら大間違いですよ!!トイワンダネス!!]

片手から放たれる衝撃波。
それも1発だけではない。
両手から連続で放たれた。

マグナモン[プラズマシュート!!]

極大のプラズマ弾がカオスピエモンの衝撃波を相殺。
マグナモンとカオスピエモンが手を組ませ、力比べをする。

マグナモン[ぐっ…こいつ…]

カオスピエモン[…ふふふ。それ!!]

マグナモン[っ!!?]

カオスピエモンが片手を離し、バランスを崩したマグナモンに衝撃波を喰らわせ、吹き飛ばす。

アインス「マグナモン…」

フェイト「まずい、少しだけマグナモンが押されてる」

丈「ええ!!?」

賢「ふむ、カオスピエモンのパワーアップがここまでとはね。だけど…大輔。何なら僕が代わってやろうか?」

大輔「ん?ああ、大丈夫だよ。マグナモンだけで充分だよ」

ヒカリ「本当に大丈夫なの?」

大輔「ああ、ピエモンは精々カオスピエモンに進化する“能力”を身に着けただけだからな」

ヒカリ「能力?」

大輔の言葉に疑問符をいくつか浮かべるヒカリに苦笑して説明する。
一応太一達にも。

大輔「皆はいきなりようやく出来たことを長時間こなせとかなんて無理でしょ?」

ヤマト「そりゃあな。出来るようになっても長時間出来るかどうかは話は別だからな……ああ、そういうことか」

太一「何だよヤマト?1人で納得してないで教えろよ!!」

ヤマト「お前は物分かりが悪すぎるだけだ。タケルとヒカリちゃんだって気付いているぞ」

太一「え?」

そう言われて、タケルとヒカリの方を見遣る太一。

タケル「そっか、ピエモンはカオスピエモンに進化出来るようになったばかりだから……」

ヒカリ「進化に慣れてないから長い間はカオスピエモンの姿になれないの?」

大輔「正解だ。まあ、半年間で究極体以上のパワーを身に着けた才能は恐ろしい物があるけどな。いくら強くても完全に使いこなせていない力なんて怖くねえよ」

太一「え?もしかして分からなかったの俺だけか……?」

空「そのようね」

ヤマト「知能が小学2年生以下か……」

丈「ああ、上級生なのに情けない」

太一「うるせえ!!」

周りから散々弄られる太一であった。

マグナモン[痛たたた……参ったな、少し負けてる。]

カオスピエモン[謝るのなら今のうちですよ。許してはあげませんがね]

マグナモン[誰が謝るかよ。それにしてもお前は凄い奴だよ、たった半年間でここまで強くなるんだからな。これで根っからの悪者でなければいいライバルになれたかもな]

マグナモンは敬意を表すと同時にたった半年間でここまでの境地に達したカオスピエモンの素質を惜しむ発言をする。

カオスピエモン[褒めたところであなたの死は逃れられませんよ]

マグナモン[ふふ、どうかな?]

再びぶつかり合う両者。
カオスピエモンのパワーは確かに凄まじいが、マグナモンが防御に徹すれば耐えられない程ではない。

マグナモン[………ライトオーラバリア]

ライトオーラバリアの障壁を垂直に張ることでカオスピエモンの衝撃波を受け流す。

カオスピエモン[そんな繊細なコントロールも出来るとは意外ですね。しかし防御だけでは勝てませんよ!!]

マグナモン[分かってるさ。耐えきれば俺の勝ち、耐えきれなければお前の勝ち…それだけだよ。]

カオスピエモン[さっきから何を訳の分からないことを…]

一輝「……」

ヤマト「耐えきれると思うか?」

遼「正直微妙なとこだな。マグナモンはロイヤルナイツの守りの要に相応しい防御力を持ってるけどカオスピエモンの攻撃力はマグナモンの防御力を僅かに上回っている。どうなるか分からないな」

アリシア「大丈夫だよお兄ちゃん達なら」

アインス「まだまだ切り札はある。オーバードライブはそのうちの1つなのだから」

しばらくマグナモンとカオスピエモンの激闘が続くが、カオスピエモンに異変が起きる。

カオスピエモン[………!!?]

マグナモン[どうしたカオスピエモン?随分とペースが落ちてきているぞ?]

今まで当たっていた攻撃が当たらなくなっていく。
今まで嵐のような猛攻を耐えていたためか、少しずつだが、カオスピエモンの動きが読めるようになってきた。

マグナモン[降参した方がいいんじゃないのか?このままやればお前確実に負けるぞ]

カオスピエモン[くっ!多少私の動きが読めるようになった程度で!!]

マグナモン[そろそろかな…?]

カオスピエモン[エンディングスペ…]

技を繰り出そうとした瞬間、カオスピエモンからピエモンに退化した。

ピエモン[なっ!?]

マグナモン[ほらな、進化に慣れてないから強制退化した。残念だったなピエモン。もしお前がその弱点を克服してたら俺ももう1つの切り札を出すことになってたかもしれないけど、此処までだ]

ピエモン[まだ!!まだだ!!トランプソー…]

マグナモン[遅い!!]

短剣をマグナモンに投擲しようとするが、それよりも早くマグナモンが動いてピエモンに肉薄すると鳩尾に拳を入れる。

ピエモン[が…ああ…!!]

マグナモン[終わりだピエモン。お前は凄いよ、よく頑張った。たった半年でここまで強くなるなんて…今度はいい奴に生まれ変われよ?エクストリーム・ジハード!!]

ピエモンに必殺技のエクストリーム・ジハードが炸裂。
強大な威力を誇る閃光に呑まれたピエモンは耐えきれず、粒子となって消えた。

大輔「終わったな…」

もしピエモンがカオスピエモンへの進化の欠点に気付いていれば大輔は切り札の1つのマグナモンXにさせなければならなかったかもしれない。
カオスピエモンはそれだけの強さだったのだ。
もしピエモンが単独ではなく他のダークマスターズのメンバーと特訓していたら、弱点に気づけていたかもしれないが、ダークマスターズはただの同じ野望を抱いた者の集まりに過ぎないために、そういうのは出来なかったのかもしれない。

大輔「さて、こっからが本番だな」

大輔の呟きはアインス達にのみ響いた。 
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