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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十八話 音楽の神様その三

「寝ることは出来ます、よく寝る方です」
「それは楽ですよね」
「助かっています」
 実際にというのだ。
「それで」
「それは何よりですね」
「眠れることを神様に感謝しています」
「眠りの神様にですか」
「こちらはミューズではないですが」
 芸術、ひいては音楽の女神達ではというのだ。
「それでもです」
「眠りの神様にもですか」
「感謝しています」
「先輩は神様に感謝していることが多いですね」
「自分でもそう思います、感謝はです」 
 早百合先輩は今は微笑んで僕に話してくれた、校舎の外に出ながら。
「必要なことだと思いますし」
「人としてですね」
「そして神様を感じること、信仰も」
「どれもですね」
「子供の頃神様を信じていると言われて」
 このこともだ、先輩は笑って話してくれた。
「同級生の男の子に笑われたことがあります」
「そうした子いますよね、よく」
「子供の頃は」
「神様とか仏様をいないっていう子は」
「大人になってもいますが」
「不思議と大人になったら減りますよね」
 そうした神様や仏様を否定する人がだ。
「あれはどうしてなんでしょうか」
「世の中を知るからでは」
「世の中をですか」
「世の中は理屈が多いですが」
「理屈が全てじゃないですよね」
「科学だけでもありません」
 この学問だけで全てが成り立っている世界でもないというのだ。
「多くのものがあって」
「それで、ですよね」
「成り立っている世界ですから」
「そうであることを知ればですね」
「はい、神仏もです」
「否定出来なくなりますね」
「だからだと思います」
 つまり世の中をそうしたものだと成長の中で知ってと、いうのだ。
「神仏を否定出来なくなるのだと思います」
「世の中を知ると」
「子供はまだまだ世の中を知らないです」
「それでそうして囃すんですね」
「その彼は今は熱心に仏典を読んでいるとか」
「高校生で」
「何かあったそうで」 
 神仏を否定していたけれどそれがというのだ。
「仏教のことを熱心にです」
「勉強しているんですか」
「そうなったそうです」
「それも世の中を知ったってことですね」
「そうだと思います」
「そうですね、実際に世の中って」
 僕もそうした経験がある、そして聞いたこともある。
「神様がいるって思えること多いですからね」
「人と人の出会いにしても」
「それが一番説明がつかないですよね」
「不思議な出会いが沢山ありますね」
「本当に運命みたいな出会いが」
「それこそがです」
「神様のお力ですね」
 僕は言った。 
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