イナズマイレブン~クロスライジング~
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初心忘れるべからず
前書き
お待たせしました!
「おはよう」
「あっ、おはよう」
「円堂君と雷藤君、昨日鉄塔広場で特訓を始めたわ…とにかくやるしかないからって」
「それで必殺技は…?」
「ううん、まだ…」
「そう…」
その話の話題になっているのは、昨日の鉄塔広場での出来事だ。
──────────
「ぐわぁぁぁぁ!!」
「雷藤大丈夫か!?」
「ぐっ!なんの!」
俺はいつも円堂がタイヤで特訓しているのを真似して、俺も木にタイヤに掛けて特訓していた。
「でもどうしたんだよ、急にゴッドハンドを習得したいなんて」
そう俺は円堂に頼んでゴッドハンドの習得を依頼していた。
「いやぁ~、なんて言うかさ、初心忘れるべからず的な?雷門中初の必殺技がゴッドハンドだろ?俺も初心に戻ろうかなぁって」
「ははっ、雷藤らしいな!」
俺がそう言い終わると、俺はもう一度タイヤを投げ返ってきたタイヤに向かい、片手を出し叫ぶ。
「ゴッドハンドォォ!!」
グシァァァァァァァ!!
ゴッドハンドとマジン・ザ・ハンド習得のために、鉄塔広場で夜遅くまで特訓を始めた俺と円堂だった。
───────────
「見守るしか出来ないって、結構辛いね…」
「辛いけど…他にどうしようもないから…」
「…?どうしたの、昨日何かあった?」
「う、ううん、違うの、決勝戦のことを考えると私も円堂君みたいになっちゃうだけ…、じゃあ私、理事長室に用があるから」
「分かった、じゃあ後でね」
円堂祖父が殺されたという事実を知ってしまったことで、円堂の話が出るとなんとも言えず辛い思いを抱えてしまう夏未だった。
─────────
「はぁはぁ…、ゴッドハンド難しいなぁ…!」
俺がタイヤで吹き飛ばされて地面に仰向けで倒れていると円堂が難しい顔をしながら立っていた。
(じいちゃん、マジン・ザ・ハンドって何なんだよ…どうやったら出来るんだ…!みんなのためにも俺、強くなりたい…!イナズマイレブンのおじさん達が叶えられなかった夢を、俺が…俺たちが叶えたいんだ…!)
「こんなことだと思ったよ」
「それでマジン・ザ・ハンドがマスター出来るのか?手伝おう」
この日も俺と円堂が鉄塔広場で厳しい特訓に励んでいると、そこへ豪炎寺と鬼道が現れた。
ちょうど2人での特訓に限界を感じていたところ、2人の申し出は願ってもない話だった。
そして俺と円堂は2人の強烈なシュートをその身に受け続け、ますますボロボロの姿になっていった。
「いくぞ豪炎寺!」
「ああ」
そう言うと鬼道は上にボールを上げ、豪炎寺が上がったボールに向かい頭で合わせそのボールをダイレクトでさらに鬼道で蹴り込む。
「お、おい洒落になんないって!」
俺はすかさず構えた。
皆さんお気付きだろう。
鬼道+αでシュートを撃ってくるということは、つまりアレなのだ。
「「ツインブーストォォォ!!」」
あ、これ死んだわ…。
俺はそう思いボールを受け止めに行った筈だったと思う。
その先の記憶はない。
──────────
「か、監督!氷をください!」
「派手にやっちゃって…!」
俺が目を覚ますと雷雷軒の中だった。
ツインブーストで気絶した俺は雷雷軒にかつぎ込まれたそうだ。
因みにその後、円堂も豪炎寺のファイアトルネードをもろに喰らい運ばれてきたそうだ。
「ずいぶんと無茶をしたもんだな、新しいキーパー技を編み出そうとしてると聞いたぞ」
「うん、マジン・ザ・ハンド…」
「む…?そうか、ついにお前もアレに挑戦を始めたか」
「か、監督は知ってるの…!?監督は出来た!?」
「俺はマスター出来なかった。だが…お前ならやれるかもしれない、頑張れよ」
なんと、円堂のおじいさんに直接鍛え上げられた監督なら習得してると思ってましたが、それでも無理だったというマジン・ザ・ハンド…。
ガラガラガラ
「ん?おいおい、どうしたお揃いで。ひでえ格好だなぁ」
「あ、刑事さん!世宇子に勝つにはこれくらいなんでもない」
「威勢がいいな~…結構だが、勝つことに執念を燃やしすぎると影山みたいになるぞ」
「影山に…?」
そんな雷雷軒へ偶然やってきたのは鬼瓦刑事。
しかし、いきなり出てきた影山の名前に俺達は眉をひそめてしまいます
「何か分かったんですか?」
「40年前のイナズマイレブンの悲劇から、雷門対帝国戦の鉄骨落下事件まで、一連の不可解な事件を解明するためには、影山という男の過去を知るべきだ…俺はそう考えた。始まりは50年前の出来事なんだ…影山東吾という選手を知っているか?」
「昔、日本サッカー界を代表する人物だと聞いたことがありますが…」
「影山の父親だ」
「「「ええ!?」」」
「父親の東吾は昔、人気・実力共に最高だった…、その年のワールドチャンピオンシップ代表にも選ばれると思っていたが…、円堂大介を中心とする若手の台頭によって、代表を外されてしまったんだ。ショックだったんだろうな…それからの東吾は荒れちまって、奴が出ると必ず負ける、あいつは疫病神とまで言われる始末さ…、やがて東吾は失踪し、母親は病死…影山は一人きりになってしまった」
かなりのところまで影山の過去を調べ上げていた鬼瓦刑事。
かつて超一流のスター選手を父に持ちながら、その父が日本代表に選ばれなかったことで全ての歯車が狂い出してしまった影山の人生…幼くして全てを失ってしまった影山は、そのせいで父親の代わりに日本代表へ選ばれた選手達に、相当な憎しみを持っているという話だった。
「奴の中で、家族を壊したサッカーへの憎しみと、勝ちへのこだわりが膨れ上がって行ったんだろうな…、そのために多くの人を苦しめてる。豪炎寺、お前もその一人だ」
「な…」
「妹さんの事故…奴が関係している可能性がある」
「…!!」
「影山が、夕香ちゃんを……」
俺は少し動揺しながら、豪炎寺を見ると豪炎寺は少し震えながら黙っていた。
後書き
豪炎寺「………」
雷藤「豪炎寺……」
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