八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十七話 神様と仏様その十
「その予定です」
「今日は学校には」
「学園の図書館に行きます」
八条学園のそこにとだ、僕に答えてくれた。
「ですからその時に」
「登校されて」
「部活にも顔を出して」
そしてというのだ。
「ピアノを見ます」
「そうされるんですね」
「そしてお掃除もします」
「何か日課になっていますね」
「本当にいつも見ていないとです」
「ピアノは駄目なんですね」
「そうです」
本当に真剣な顔で僕に話してくれた。
「部活の私の受け持ちのピアノは」
「そちらは」
「三年なので」
部活は三年の一学期で大体終わりだ、後はどの部活でも引退だ。それこそ全国大会とかに出ない限りは。
「高校の最後のコンクールに出た後は」
「もう、ですよね」
「部活も引退します」
「じゃあそのピアノは」
「一年の娘が引き継いでくれます」
「そのことはもう決まってるんですね」
「はい、ですが引退の日までは」
本当にその日が来るまではとだ、僕達に話してくれた。
「ピアノの調整とお掃除を続けます」
「あちらのピアノも」
「そうします」
「そうなんですね」
「そうです、ですから」
「それで、ですね」
「今日はまずは八条荘のピアノです」
その大広間のピアノをというのだ。
「調整を見てお掃除をします」
「それからですね」
「学校に行きます」
「そして学校でもですか」
「はい、ピアノを見ます」
そうするというのだ。
「そうします」
「わかりました、じゃあお手伝いを」
「いえ」
はっきりとした断りの返事だった。
「これはです」
「早百合さんがやられることですか」
「はい、ピアノのことは」
ことこのことについてはというのだ。
「私は全て自分でします」
「だからですか」
「お気遣いだけ頂きます」
「わかりました、それじゃあ」
「八条荘のピアノのことも」
早百合さんはまた言った。
「そうさせて頂きます」
「わかりました、それじゃあ」
「はい、では」
早百合さんは僕に対して微笑んで答えてくれてだ、そしてだった。
僕は朝食の後でふとピアノの方を見ると早速だった。早百合さんはもうジャージに着替えていてピアノを掃除してチェックをしていた。
僕はその早百合さんを見てから身支度をして登校して部活に出た、それからお昼になるとピアノ部の部室の方から。
ピアノの音がした、それで一緒に中庭でお昼を食べていた部活仲間に尋ねた。
「誰が弾いてると思う?」
「一杉先輩じゃないの?」
「あの人よく練習するからさ」
仲間はすぐに答えた。
「お昼休みだってな」
「だからな」
「それでじゃないの?」
「あの人が演奏してるんじゃ」
「そうかな」
僕は彼等の話を聞いて首を傾げさせて応えた。
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