転生とらぶる
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Fate/stay night
1104話
「あー、もう。アークエ……アーク、あんたのせいで今日は1日中気が休まる暇がなかったじゃない」
「そうは言ってもな。俺が凛の家で同棲しているのは事実だろ?」
「同居でしょ、ど・う・きょ!」
「ああ、悪い悪い。つい俺に非がないのに責められたから」
「あんたねぇ……本気でこれ使うわよ」
ジト目を向けながら令呪を見せつけつつ告げてくる凛。
どうやら、今日1日中色んな人に俺との関係を聞かれまくって疲れているらしい。
まぁ、実際放課後になってからも多くの人が聞きに来てたりしたからな。
で、それに対しても一々丁寧に受け答えしていた辺り、猫の被り方はさすがと言える。
「これからどうするんだ? 結界を潰すって事でいいのか?」
「当然でしょ。私がいる学校を……」
と、言い掛けたところで、何故かうんざりとした表情を浮かべる凛。
その視線の先にいたのは1人の男。
何だかワカメに例えたくなるような髪型をしたその男は、顔の作りだけで言えば美形と言ってもいいんだろう。
ただし、その目。
相手を馬鹿にしたような視線をこっちに……より正確には俺の方へと向けている。
俺に喧嘩を売ってるのか?
「……ねえ、遠坂。何だか妙な噂を聞いたから、こうして嘘か本当か確かめに来たんだけど」
「あら、間桐君。何かご用かしら? けど、ごめんなさい。悪いけど、私はこの後アークと一緒にやる事があるの。用事なら明日にしてくれると嬉しいんだけど」
「……遠坂、そのアークって男は誰だよ? 何だか遠坂とその男が付き合っているとか、同棲しているとかいう出鱈目が流れてるんだけど」
「出鱈目、ですか。一緒に住んでいるのは本当ですけど?」
「なっ!? と、と、と、遠坂! お前、僕には全く靡かない癖に、こんな男と……」
さすがにここまで来れば、俺にも何が起きているのかは理解出来た。
目の前の、間桐とかいうワカメ男は凛に片思いしているんだろう。
けど凛の方は相手にしていない、と。
「だ、大体お前もお前だ! 何だって突然ひょっこりと現れたような奴が、遠坂と一緒に暮らしてるとか。おい、お前だよお前!」
2人の様子を眺めていると、こっちに火の粉が飛び散ってきた。
先程の馬鹿にしたような目つきから一点、憎悪すら滲んだ目で俺を睨んでくる。
『凛、こいつはどうすればいい?』
『悪いけど、適当にあしらってくれる? 正直、付きまとわれて迷惑してるのよ。本人は私が自分に気があるに違いないって思ってるみたいなんだけど』
なるほど、典型的な独り相撲というか、思い込みの激しい男か。
凛にパスを使った念話で了解の言葉を送り、1歩前に出る。
凛の姿を目の前の男から庇うように。
その行動で、凛も俺がどういう風に行動を持って行くのか理解したのだろう。わざとらしく俺の後ろに隠れ、更には抱きつくようにくっつく。
……うん、やっぱり凛は色々と胸が残念だな。
痛っ!
瞬間、背中に痛み。
何をされたのかは、すぐに分かった。凛が俺の背中を抓ったのだ。
相変わらず女の勘は鋭い。……うん? 相変わらず? まるで勘の鋭い女といつも一緒にいたかのような、そんな感覚が……
「な、何だよ。転校生の癖に、僕に逆らってもいいと思っているのか?」
「ああ、悪いが凛はお前に興味がないらしい。そもそも、俺と凛は1つ屋根の下に一緒に暮らしている。これがどういう意味を持つかくらい、お前の年齢になれば分かるだろう? えっと、何て言ったか。納豆?」
「ぷっ、くすくすくす……」
俺の後ろにいた凛が、堪えきれずに笑い声を漏らす。
一方、反対に間桐の方は顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「誰が納豆だ! 僕は間桐だ!」
「ああ、悪いな。全く興味がなかったから、名前を覚えてなかったんだ」
「……アークとか言ったっけ。君、もしかして僕に喧嘩売ってる?」
険悪な目つきでこっちを睨んでくるワカメだが、俺は寧ろそれを望むところと笑みを浮かべる。
自分でも分かる程の、獰猛な笑みを。
「ひっ、ひぃっ!」
無意識に殺気でも漏れたのか、ワカメが悲鳴を上げて数歩後退る。
それを見ながら凛の肩を抱き、笑みを浮かべて口を開く。
「分かったな? 凛は俺の女だ。次に余計なちょっかいを掛けてきたら、そのワカメを毟って食わせるぞ」
「ひっひいいいいいいいっ!」
ヨタヨタとしながら逃げていく間桐を見送ると……
「痛っ!」
再び脇腹に鋭い痛みが走る。
視線を向けると、何故か凛がジト目で俺を睨んでいた。
「やり過ぎよ、アークエネミー。大体、わ、私があんたの女って何よ。あんたはサーヴァントなんだから、それを忘れないでよね」
「分かってるよ。方便だろ? あそこまで言っておけば、あの間桐とかいう男もこれ以上凛に付きまといはしないだろうよ。それより、結界の件を進めるとしようか」
「……はぁ、そうね。全く、無駄に時間を使いすぎたわ」
溜息を吐き、結界の起点となる場所を探すべく学校の中を歩き回り、それを見つけては消していく。
凛曰く、根本的な解決にはならないらしいけど、それでも結界の完成を遅らせる事は出来るんだとか。
そのまま人目から隠れるようにして、俺と凛は学校の中を歩き回る。
……ただ、ふと思ったんだけど、これって傍目から見たら俺と凛が2人で人目のない場所を探しているように見えるんじゃないか?
いやまぁ、凛がいいんならそれでいいんだけど。
ともあれ、そんな風に学校中に隠蔽されていた結界の起点を潰していく。
そんな風に時間を過ごしていると、当然ながら1人では時間が足らずに、やがて夜になる。
「暗くなってきたけど、どうする? もう少しやっていくか?」
「うーん、そうね。起点に関しては大分潰したし、次で終わりにしましょうか」
「次か。場所は?」
「屋上」
屋上なら学校に残っている教師に見つかるような事もないだろうし、問題ないか。
「なら行くか。ここまで頑張ったんだから、今日の夕食は期待してもいいよな?」
「……今日頑張ったのは、寧ろ私の方だと思うんだけど。何かして貰うんなら、私じゃない?」
「俺に料理でも作れと?」
「そこまで無理は言わないわよ」
そんな風に話ながら屋上へと向かい、扉を開く。
漂ってくるのは、涼しいというよりは冷たい風。
2月であるのを考えれば、それも当然だろう。
やっぱりこういう時は暖かい料理を食いたい。
「じゃ、待ってて頂戴。今日の分は終わらせてくるから」
そう告げ、魔力を辿って屋上の中に隠されている起点を見つけ、手を伸ばし……
「待て」
何かを感じ、凛の動きを止める。
同時に、その場を跳躍。凛の隣へと。
「へぇ、俺が声を掛ける前に気が付くなんて、やるじゃねえか。お前さん」
「え? アークエネミー? 違うっ!?」
凛が目を白黒させて、声のしてきた方と俺を見比べる。
自分では分からないけど、余程俺の声に似てたのか?
ともあれ、その声を発したのは屋上の柵の上に立っていた1人の男。
鋭い目つきをしており、獰猛な雰囲気を醸し出す男。
見るからに一般人じゃない。……いや、そもそもこんな近くに立たれるまで俺が察知出来なかった辺り、どう考えても一般人じゃないか。
「で、お前は誰だ? と尋ねてもいいのか?」
凛を背後に庇いつつも尋ねると、ニヤリとした笑みを浮かべつつ口を開く。
「答えるまでもねえだろ? お前も俺の同類である以上、分かっている筈だ」
「……サーヴァント」
俺の口から出た言葉に男は何も言わず、どこからともなく槍を取り出して俺と向かい合う。
「槍、なるほど。ランサーか」
俺とランサーの距離は、約5m程といったところ。
「正解だ。……さて、お前さんは何のサーヴァントだ? 見る限り、肉体派って感じだから、キャスターじゃねえよな?」
「さて、どうだろうな。セイバーかもしれないし、アーチャーかもしれない。あるいはアサシンという可能性だってあるぞ? もしくは……ランサーかもな?」
……まぁ、正確にはアークエネミーなんだが。
「はっ、俺がここにいるってのにランサーな訳ないだろ。ったく、色々と面白い奴だな」
「喜んで貰えて何よりだ。で、どうする? やるのか?」
『凛、下がって援護を頼む』
ランサーに対して言葉を発しつつ、念話で凛へと声を掛ける。
『ええ、任せてておいて。けど、ここで戦うよりグラウンドに戦場を移した方がいいんじゃない?』
『いや、俺の武器が格闘である以上、戦場は狭い方がいい。グラウンドみたいに広い場所だと、あの槍を好き勝手に使われそうだしな』
格闘か。寧ろ俺のクラスってアークエネミーとかじゃなくて、グラップラーとかいうのだったりしないのか?
ふと自分の能力について脳裏を過ぎるが、それはランサーの嬉しそうな笑みと共に放たれた言葉で我に返る。
「当然だろ? こうしてサーヴァントが出会ったんだ。そうなりゃ、やるべき事は1つだけ。……いくぜ? そう簡単に死んだりするなよ?」
トンッと、柵から屋上に飛び降りたランサーは、その槍の穂先をこちらへと向けてくる。
なるほど、ランサーが使うだけあって槍はかなりの代物だ。
槍の英雄……誰なんだろうな?
まぁ、それを言えば俺が誰だって話になるけど。
『アークエネミー、ランサーの能力は軒並みあんたよりも下よ。ただ敏捷さはAだから、それだけ気をつけて!』
後ろで宝石を構えている凛からの念話に、小さく頷く。
ステータスでは俺の圧勝。けど、戦闘では宝具やスキルが重要なファクターとなる。
残念ながら今の俺は、一部のスキルや宝具が全く使えない状況だ。
相手を侮るという真似は絶対に出来ない。
「行くぜ、おらぁっ!」
その言葉と共に放たれる槍。
ランサーのクラスに相応しく、更には敏捷Aというのも伊達ではないとばかりに槍を突き出す。
一般人であれば、何が起きたのか理解出来ないだろう程の、閃光の如き連撃。
だが、幸い俺のステータスや五感は向こうを凌駕している以上、槍の穂先を目で追うのは難しくはない。
この辺、対英雄や戦闘続行の能力が影響しているんだろう。あるいは、格闘に補正の掛かる勇猛もか?
ランサーにしても、こうも攻撃を回避されまくるとは思っていなかったのか、徐々に頬が強張っていくのが分かる。
向こうにしても本気って訳じゃないんだろうが……
「さて、そろそろこっちから行くぞ!」
身体を半身にして突き出された槍を回避し、その槍が戻っていくのに合わせて前へと進み出る。
「ちぃっ!」
長柄の武器を持つランサーが、このままでは俺に懐に入り込まれるという自分の不利を理解したのだろう。舌打ちをしながらも穂先ではなく石突きで殴りつけるような一撃を放ってくる。
あの長い槍をどういう使い方をしているのか、石突きの部分が俺の顔面へと向かって跳ね上がってきた。
だが、咄嗟の一撃で俺をどうにか出来ると思うな!
俺のステータスは幸運以外は軒並みA以上。その中でも筋力はA++でランサーよりも格段に上だ。
「甘いぞ!」
頭部へと迫ってくる石突きを、右手を伸ばして掴み、押さえる。
そのまま相手の懐の中にいる状況を活かし、左手でランサーの胴体を狙って拳を放つ!
ゴゥンッという音。
少なくても肉を殴った感触ではない事にランサーの方へと視線を向けると、そこでは俺が殴った槍を盾にしたランサーが、左手で押さえている石突きを起点としてくるりと場所を変える。
そう、俺の後ろへと。
「痛ぅっ! くそっ、お前さんどんな力をしてやがる。槍越しだっていうのに、衝撃が思い切り伝わってきたぞ」
痛い痛いと告げるランサーだが、その口元に浮かんでいるのは面白がっている笑み。
とてもではないが、言葉程に効いているようには思えない。
そんなランサーに向け、笑みを浮かべながら口を開く。
「距離を取ってもいいのか? こっちは俺だけじゃないんだぜ?」
その言葉と共に、離れた場所にいた凛の手に握られていた宝石から衝撃波のようなものが放たれる。
これで決まる事はないにしろ、何らかのダメージは与えられる筈……と思ったのだが、放たれた衝撃波はランサーに当たるかと思った瞬間に霧散する。
「対魔力持ち!?」
「ま、そーいうこった。俺にはそんじょそこらの魔術は効果がないぜ」
「ちっ、羨ましい事だ」
こっちは魔力は生み出せるものの、対魔力はないってのに。
聖杯戦争に参加する以上、対魔力の類の能力は持っておきたい。
???と表示されているスキルに賭けるしかないだろうな。
「へっ、良く言う。俺の攻撃を尽く回避して、更には槍の穂先を掴むなんて化け物染みた真似をしやがった癖に。……本当にお前、どこの英霊だよ? 武器も使わねえし」
「さてな。わざわざ敵に自分の情報を教えると思っているのか? ……そうだな、お前の情報を俺に教えてくれたら、俺も少し本気出してやるよ」
「はっ、愉快な事を言いやがる。俺を相手にして、手を抜いてたってのかよ?」
「それは、お前が一番良く知っているんじゃないのか?」
お互いに向き合い……再び屋上の床を蹴り、間合いを詰める。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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