リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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Another83 懐かしい再会
前書き
大輔達がムゲンドラモンを倒した直後のヤマト達は…
大輔達が予想外の苦戦をしてムゲンドラモンを倒した直後、ヤマト達は少しずつピエモンのいる頂上を目指していた。
ヤマト「海のエリアと街のエリアも消えていく…。丈達と太一達もメタルシードラモンとムゲンドラモンを倒したんだ。」
一輝「出来るだけ消耗しないで頂上に行きたいもんだな」
ルカ「そうですね、出来るだけ厄介事は避けながら行きたいですね」
あまり体力を消耗せずに最終決戦に挑みたいものだが、予想通りに行かないのが世の常である。
ドドドドドドドド…
ヤマト「ん?」
ミミ「何?この音?…足音かしら?」
アリサ「一体何事よ?」
物音がする方を見遣ると、緑色の鬼のようなデジモン、オーガモンが丸太のようなデジモン、ウッドモンに追われていた。
パルモン[オーガモン!!?]
ガブモン[どうしてこんなとこに!!?]
ヤマト「オーガモンか…スカルグレイモンの骨狩り以来だな」
ミミ「スカルグレイモンの骨狩り…?何それ?」
ヤマト「詳しいことは後で説明するよ。今はオーガモンを助けよう。ガブモン、進化だ」
ガブモン[ガブモン進化!ガルルモン!!フォックスファイア!!]
ウッドモン達に向けて、高温の蒼い火炎を吐き出すガルルモン。
見た目通り火炎が弱点のウッドモンは火達磨になりながら退却していく。
オーガモン[お、お前は…ヤマトとガルルモンじゃねえか…]
ヤマト「久しぶりだなオーガモン。スカルグレイモンの骨狩り以来だな。」
ミミ「ねえヤマトさん。スカルグレイモンの骨狩りって何なの?それからどうしてオーガモンと仲良さそうに話しているの?」
スカルグレイモンの骨狩り事件を知っているのはヤマトと丈の2人とガブモンとゴマモンの2体だけだ。
ヤマト「前にサーバ大陸で太一達を探していた時に偶然再会してな。スカルグレイモンの骨狩りに付き合わされたんだよ。それでゴマモンがへまをやらかして暴れ出したスカルグレイモンと戦った時にガブモンが超進化出来るようになったんだ。因みにその時、オーガモンから薬草を礼に貰ったんだ。貼り薬に使う奴。」
ミミ「へえ…」
レオルモン[それにしても、何でウッドモンの大軍に襲われていたんだい?オーガモン]
オーガモン[俺様はダークマスターズに命を狙われていたんだよ]
ティアナ「ダークマスターズに?」
疑問符を浮かべるティアナに頷きながらオーガモンは詳しく説明していく。
オーガモン[ダークマスターズは、自分達の命令を聞けない奴を殺す。そこの坊主達とデジモン達は知らないだろうが、お前等は知っているだろ?俺様は、デビモンの件以降、誰の言う事も聞かねえって決めてたんだよ。理由はどうであれ、俺様以外にも“ダークマスターズの命令を聞かない”って奴はいる。ダークマスターズは、そんな奴等を排除しにやってくる。もう、何処に逃げても安全な場所なんて、このデジタルワールドには存在しねえ。だから俺様は、ダークマスターズの部下と戦いながら生きてきた。あのウッドモン達もダークマスターズの部下だ。]
ルカ「大変だったんですね」
オーガモン[それにしてもスパイラルマウンテンのエリアが消えていきやがる。お前ら何かしたのか?]
一輝「俺達の仲間さ、ムゲンドラモン、メタルシードラモンは俺達の仲間が、ピノッキモンは俺達が倒した。残るダークマスターズはピエモンだけだ」
オーガモン[本当かよ。ダークマスターズを3体も倒しちまうなんて、見た目より骨があるじゃねえかよ]
フレイモン[まあな]
ヤマト「それにしても他に生き残りはいないのか?レオモンとか、始まりの町のエレキモンは?もしかして…」
オーガモン[あいつはそう簡単にくたばるような奴じゃねえよ。始まりの町のエレキモンは知らねえよ。ただ…始まりの町は死んじまった。ダークマスターズがスパイラルマウンテンを造るために始まりの町のエネルギーを奪い尽くしやがったんだ。ふざけやがって…]
デジモン達の全ての始まりの地である始まりの町は、例外を除いて基本的に死んだデジモンは始まりの町でデジタマとして転生する。
全てのデジモン達の始まりの地である始まりの町のエネルギーは他の場所より遥かに豊富なエネルギーを持っていたはずだ。
ダークマスターズは恐らくそれに気付いていたのだろう。
ルカ「つまり、ダークマスターズを全員倒さない限り、始まりの町は復活せず、死んだデジモンは転生出来ない…というわけですね…」
ミミ「酷い…」
オーガモン[始まりの町を元に戻すにはダークマスターズを倒すしかねえんだ…。しかし、俺様でも精々ダークマスターズの部下がやっとなんだよ…!!]
悔しげに拳を握り締めるオーガモン。
よくよく見ると、オーガモンの身体には無数の傷跡がある。
恐らくオーガモンはダークマスターズと長い間、街のエリアでムゲンドラモンの軍勢と戦っていたアンドロモン同様戦い続けていたのだろう。
ミミ「………」
ぽかんとした表情でオーガモンを見つめるミミ。
今まで悪いイメージしかなかったオーガモンの印象が変わったのだろう。
オーガモン[……何だよ?]
自分に注がれる視線に気付くと居心地悪そうに見遣る。
ミミ「ううん、あなたって見た目によらず優しいのねって思っただけ。始まりの町のために戦ってたんでしょ?」
オーガモン[ち、ちげえよ!!始まりの町が無くなっちまったら、倒しがいのありそうな奴らがいなくなりそうだからだよ!!]
不機嫌そうに言うオーガモン。
しかし、それは恥ずかしそうだからに見える。
いつかオーガモンも、仲間を守れる頼もしい勇者になれるはずだ。
オーガモンのライバルのレオモンのように。
ヤマト「大丈夫だオーガモン。俺達がダークマスターズを倒してみせる。そのためにこの日まで頑張ってきたんだ」
ティアナ「始まりの町で待っていて。私達の勝利を祈っていてね」
オーガモン[……おい、お前らこれからスパイラルマウンテンの頂上に行くのか?]
ヤマト「ああ」
オーガモン[だったら俺様もダークマスターズに抵抗している奴らを見つけたら直ぐに向かうぜ。お前らばかりにいい格好させるかよ]
素直でない言い方に苦笑してしまいそうになるが、自分達と戦ってくれる存在がいることに頼もしさを感じて一同はスパイラルマウンテンの頂上に向かうのだった。
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