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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another79 オラオラッシュ

 
前書き
メタルシードラモン、ピノッキモンと次々に片づけていく。 

 
丈達のチームはメタルシードラモンを、ヤマトのチームはピノッキモンを倒し、順調に先に進んでいた。
半年間の特訓の成果が出ており、このまま太一達のチームも順調に行くかと思ったが、ヒカリの様子がおかしかった。
歩みは遅く、ふらつき、何度も咳を繰り返す。
気になったなのはが、ヒカリの額に触れる。

なのは「ヒカリちゃん大丈夫!!?熱があるじゃない!!?ユーノ!!ヒカリちゃんが!!」

ユーノ「ああ、分かっているよなのは。」

道路沿いにあったバス停の影までヒカリを連れて行った。




































空「きっと、風邪がぶり返したのね。夏風邪はしつこいって言うから…」

テイルモン[ヒカリ、大丈夫?]

ヒカリ「うん…」

なのはは、濡れたハンカチをベンチに横たわるヒカリの額に乗せる。
そう言えば彼女は風邪でキャンプを休んでいた。
心配そうに見るテイルモンにヒカリは弱々しく微笑む。
ベンチで横になったヒカリは、辛そうに呼吸を繰り返す。
顔は赤みをおび、汗が頬を伝う。

太一「何でこんなになるまで黙ってたんだよ?随分前から具合悪かったんだろ?」

ヒカリ「だって…早くしないと…地球が…ゲホゲホッ」

太一「ヒカリ…」

アインス「その気持ちは立派だがな。黙っているのもよくない」

大輔「地球の平和も直ぐに手に入れられる物じゃないしな。ヒカリちゃんは無理しすぎだ。ユーノ、解熱剤無いか?薬草を煎じた奴とか」

ユーノ「ええ、ヒカリさん。これ解熱効果のある薬草を煎じた薬液なんだ。かなり苦いけど…そこは我慢して」

小瓶に入れた薬液をヒカリの口に流し込む。

ヒカリ「…っ、苦…いっ」

あまりの苦さに顔を顰めるヒカリに大輔は苦笑する。

大輔「良薬口に苦しってな。後はゆっくり休める場所を…」








































大輔達がこれからのことで話している時、太一はアインスと話していた。

太一「やっぱり…ヒカリは連れて来ない方が良かったかもしれない」

アインス「八神、お前の気持ちは分かるが、お前の妹は選ばれし子供で、世界を救うのに必要な人材だ。それに本人が世界を救いたがっている」

太一「でも、あいつまだ小2で…身体が…弱くて……駄目だな俺、大輔達も小2かそれより下なのに…俺が頑張らないといけないのに」

アインス「八神、無理をする必要はない。人は万能ではないのだ。」

太一「ああ、分かってるよ」





































しばらくして、テントモンから向こうに街があると聞かされ、太一達を乗せて飛ぶカブテリモンの背から、都市のエリアが一望出来た。
その街並みはアメリカ、イタリア、フランス…で見たことがある場所と、滅茶苦茶に出来ている。
洋館を見つけて降り、寝室にヒカリを寝かせた。

太一「なあ、あの風邪薬もうないのか?」

ユーノ「ありませんが、あの薬は効力が強いので、後は水分を摂って寝ていれば大丈夫ですよ。」

太一「そうか…でも念の為、風邪薬を探してくる」

大輔「分かりました。ヒカリちゃんは俺が看病してますよ」

なのは「私、お粥作ってくるね大輔さん」

ユーノ「なのは、水分も必要だろうから水の用意も」

なのはとユーノはキッチンに向かう。

大輔「……………」

ヒカリ「ごめんなさい…迷惑かけて……」

大輔「ああ、そうだな。ヒカリちゃんが風邪だって言わないから、ここまで悪化した挙げ句、ここで足止めを喰らっちまった。凄い迷惑だ」

空「ちょ、ちょっと大輔君!!?」

てっきりフォローしてくれると思った大輔からのまさかの暴言に空は焦るが、アインスは首を振る。

大輔「ヒカリちゃん。地球が危ないから休んでなんかいられないっていうヒカリちゃんの気持ちは分かる。でもな、頑張るのと無茶は別だ。俺達は弱った仲間を支えながら戦えないくらい弱くなんかないつもりだよ」

ヒカリ「…………」

大輔「迷惑をかけたくないなら、次からは体調が悪ければすぐに言うように。弱った仲間を助けられないような軟弱者にはなりたくないからな」

ヒカリ「うん……」

なのは「ヒカリちゃん。卵粥だけど食べられる?少しでも栄養つけて風邪を治さないとね」

ヒカリ「……うん、頂きます」

起き上がろうとするヒカリをアインスが支え、なのはから卵粥を受け取ると、ヒカリに食べさせてやる。








































しばらくすると、卵粥を食べ終えたヒカリをベッドに横にさせて、なのはは食器を片付けに行こうとした時である。

ズドオオオオオン!!

爆音が鳴り響いたのは。

空「な、何?」

ユーノ「まさか……敵?」

ブイモン[俺が見てくるよ]

ブイモンが洋館の寝室から飛び出していく。



































ブイモン[……こいつらは]

メカノリモン、タンクモン、メガドラモン、ギガドラモン。
どこかで見た顔ぶれだ。

ブイモン[ああ、思い出した。そう言えばここはムゲンドラモンの拠点だったな]

前世ではあっさりと倒してしまったから気付かなかったが。

テイルモン[ブイモン!!これは…]

あまりにも戻るのが遅いために心配して来たのだが、敵の軍勢を見て、愕然となる。

ブイモン[テイルモン、どうやら俺達は敵の拠点に入っちまったらしい。]

テイルモン[そんな…早くヒカリ達に!!]

急いで洋館に戻ろうとした時、1体の完全体のメカノリモンが現れた。

ブイモン[こいつは…確か完全体のメカノリモンか?]

確かメカノリモンにはホエーモン同様、成熟期と完全体の個体がいて、確かこいつは完全体の個体だったはず。

テイルモン[完全体…ブイモン、こいつ]

ブイモン[ああ、使えるな。メカノリモンを奪おう]

確かメカノリモンは誰かが操縦しないと動けない。
操縦者をボコボコにして奪い取ろう。
ブイモンとテイルモンはメカノリモンの頭…つまり操縦席に取り付き、強引にこじ開けると…。

[!!!!?]

メカノリモンの操縦者が意識を失う前に見たのは、自身に迫る無数の拳だった。














































ピンポンパンポーン☆

しばらくお待ち下さい。

ブイモン[オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッッッッ!!!!!!!!!!!!]

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!!!!!!!!!!

これぞブイモン最強技のオラオラッシュ。
理不尽なまでに繰り出される拳は隣で見ていたテイルモンをドン引きさせ、操縦者のデジモンを気絶させては覚醒、覚醒させては気絶させるという地獄を味合わせていく。

[い、いっそ殺してえええええ!!!!]

操縦者のデジモンの悲痛な叫びが街のエリアに木霊した。
しかし、メタルエンパイア軍は知らない。
これよりブイモンによりムゲンドラモンとは比較にならない恐怖を味わうことに。 
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