転生とらぶる
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マブラヴ
1088話
アメリカ軍の一部が暴走し、ソ連に対してG弾を使おうとした。
この件は当然ながら世界中から非難を受ける事になった。
それも、この件が起きる少し前にアメリカの国務長官がソ連を非難する演説を行っていたのだから、その衝撃はより強いものになっている。
世界の国々は当然ソ連も徹底的にアメリカを責めるのかと思っていたのだろうが……予想に反し、ソ連からはアメリカを責める言葉は出なかった。
いや、勿論全く責めなかった訳ではない。だが、責めたのは暴走した一部のアメリカ軍や政治家だけであり、大統領のビルにはもう少ししっかりと手綱を取って貰いたいという、形だけの叱責。
その理由としては、やはり暴走したのがオルタネイティヴ5派の人間だったという事がある。
オルタネイティヴ計画というのはトップシークレットで最高機密である以上、それを公表出来る筈もない。
ソ連にしても、オルタネイティヴ3をやっていた経緯があり、それも当然影響しているのだろう。
また、エザリアやレオン辺りが説得したのも影響している。
だが……何よりも大きかったのは、今回の件の謝罪としてアラスカがそっくりそのままソ連に譲渡されたからだろう。
今までは租借地……つまりレンタルだった訳だが、それを完全にソ連に対して譲渡するという事になったのだ。
アラスカというのは地下資源が多く、ソ連にしてもこれだけのものを貰えればこれ以上責める気にはならなかったんだろう。
いや、正確にはこれ以上無茶を言えば俺達シャドウミラーが敵対すると遠回しに忠告したのも大きいか?
ともあれ、今回の件でアメリカの発言力が大きく落ちたのはしょうがない事だろう。
これからが色々と大変だろうが、その辺はビルに頑張って貰うしかない。
「……で、今回の件の報酬はどうなった?」
「明日受け取り予定ね。……けど、G弾のデータは使い物にならないわよ? 元々G元素はそっちに回すつもりはないし、他のG元素も使い道は大体決まってるわ」
オルタネイティブ5派の暴走した事件が終わってから数日。ようやくアメリカの混乱も落ち着いてきた頃、俺は朝食を食べながらいつものように恋人達と会話をしていた。
千鶴とマリューの作った朝食を食べている中でレモンに尋ねると、そんな言葉が返ってくる。
「グレイ・シックスはホワイトスターと時の指輪の親和性を高める為に使うし、グレイ・イレブンは言うまでもなくブラックホールエンジンの触媒として使うでしょ。唯一余裕があるというか、使い道がないのはグレイ・ナインくらいね」
「以前夕呼にやってただろ? それはどうなったんだ?」
「あー……そうね。後で聞いてみるわ」
「ああ、いや。それなら俺が今日直接顔を出してみる」
「……通信じゃなくて、直接?」
「ああ。今回の件で霞も色々と心配してるだろうし」
「うわぁ……アクセル君、随分とお父さんしてるわね。それともお兄さん?」
「出来ればお兄さんの方で頼む」
からかいの言葉を飛ばしてきた美砂に、溜息を吐きながらそう告げる。
一応今の俺は二十代半ば。霞のような子供がいる年齢じゃないのだから。
いっそ15歳バージョンにでもなるか? それなら間違いなく兄妹に見えるだろ。
それとも10歳バージョンか? こっちなら、姉弟という風にも見えるし。
「そうそう、それとミロンガ改の方も更なる改造が進んでいるから、楽しみにしててね」
「いや、楽しみか楽しみじゃないかって言えば楽しみなんだけど……何だってそこまでミロンガ改に熱中してるんだ? ぶっちゃけ、ミロンガ改は俺くらいしかまともに乗れないだろうに」
「正確には機体が危険過ぎて物理攻撃が効果のないアクセルしか乗れないんだけどね」
笑みを浮かべながらそう告げるレモンに、その話を聞いていた他の者達もまた同様の笑みを浮かべる。
まぁ、言っている事は正しい。俺としても乗っておいてなんだが、あんな欠陥機に人を乗せるってのはちょっと嫌だし。
「そんな機体なんだから、そこまでミロンガ改に熱心になる理由もないと思うけどな」
「そんな機体だからこそ、よ。純粋にアクセルしか乗らないんだから、どんな機体であろうとも問題ない。……つまり、技術班の皆が思い切り趣味に走れるの」
「……おい?」
技術班が趣味に走る。それだけでどんな機体に仕上がるのかは色々な意味で不安だ。
いや、機体のスペック的にはまず問題ないだろう。だが、それ以外……それこそパイロットの安全を考えないようなレベルで機体を改造されたりしたら、さすがに色々と困る。
そんな俺の様子から何を考えているのか理解したのだろう。レモンと共に笑みを浮かべていたマリューが、落ち着かせるように口を開く。
「大丈夫よ。多分アクセルが思う程に変な機体にはなっていないわ。色々と尖った性能になっていると思うけど」
「……それで安心しろってのが色々と怖いんだけどな」
「あら?」
首を傾げるマリューに、何故か食卓は笑いに包まれた。
そのまま1分程が経ち、改めてレモンが口を開く。
「まぁ、多少真面目な話をすると、今まではニーズヘッグで新技術を試して他の機体にフィードバックするって方法を取ってたでしょ?」
「ああ」
「だから、ニーズヘッグにはお遊び的な性能……こう言うとちょっと印象悪いわね。技術班のメンバーが自分の趣味で研究していたものをミロンガ改に使おうとしている訳」
「いや、その説明だと全く安心出来ないんだが」
つまり、ニーズヘッグには搭載出来ない――あるいは搭載すれば怒られそうな――システムとか機構とかをミロンガ改に乗せるという事だろう?
あの技術班が趣味で研究していた技術やシステムとかだぞ? どこからどう考えても死亡フラグにしか思えないのは、俺の気のせいか? いや、決して気のせいではない……筈だ。
下手をすれば、外部からのコントロール装置とか普通に付けられそうな……それも、何の意味もなく。ただちょっと面白そうだという理由だけでだ。
ミロンガ改、どんな機体になるのかを想像するだけで怖いような、楽しいような。
いや、楽しみよりも怖い方が圧倒的に上か。
それでも乗らないという選択肢はない。これまでと違ったアプローチで得た技術が蓄積されれば、それは間違いなくシャドウミラーの財産となるのだから。
そう考えれば、色々と楽しみに思う気持ちはある。
……多少強引だが、そうでも思わないとやっていけないのは事実だ。
「分かった。一応ミロンガ改の改修が終わるのを楽しみにしてるよ」
そう告げ、話題を変えて行くのだった。
光の繭が消滅すると、俺の前にあるのはオルタネイティヴ4の本拠地でもある白陵基地だった。
前もって俺が来るというのは連絡済みだったが、それでもやはりニーズヘッグが姿を現すとざわめきが起きるのは、やはりシステムXNは色々と特別な為だろう。
「アクセル代表、ようこそおいで下さいました。今日は香月博士に?」
ニーズヘッグを空間倉庫に収納すると、金髪の女……確か夕呼の秘書的な存在のピアティフとかいう名前だったと思うが、そう告げてくる。
「ああ。夕呼との面会を頼む。一応アポはとってあったと思うが」
「はい。香月博士もお待ちしています」
「そうか。なら案内を頼む」
その言葉に頷き、早速とばかりにニーズヘッグの登場から唖然としていた軍人や整備員をその場に残して俺は基地の中へと入ってく。
この基地には結構来てるんだから、そろそろ慣れてくれてもいいと思うんだけどな。まだシステムXNを使った転移には慣れていないらしい。
「この基地も大分賑わってきたな」
周囲を見回し、呟く。
勿論人数的には以前とそれ程変わっていないのだろう。だが日本が最前線になる寸前だった時と比べると、今はその最前線が中国の重慶ハイヴとかになっている。
そうなれば、当然この基地にいる軍人達の気持ちも違ってくる。
緊迫した態度からリラックスした態度になれば、当然普段の生活も変わってくるだろう。
そうして賑やかになれば、基地全体の雰囲気すらも変わってくる。
「そうですね。皆ピリピリしたものがなくなってきています。香月博士は、ちょっと緊張感が足りないんじゃないかと言ってましたが……」
「ここが前線ならともかく、既に後方だろう? 確かにダラケきってしまうのは問題かもしれないが、リラックスしているってのは間違ってないだろ。大体、そんな緊張ばかりしてれば、パイロットの身体の方が保たない」
人間の集中力なんて、それ程続くようなものでもないんだ。それを思えば、この基地の状況は決して悪いとは言えない。
「ふふっ、そうですね。香月博士も以前と比べれば大分リラックスしているようになってきました。その辺を思えば……」
イリーナと話しながら歩いていると、やがて夕呼の研究室の前へと到着する。
「香月博士、アクセル代表をお連れしました」
「すぐに入れて頂戴!」
……扉の中から聞こえてきたのは、どこか切羽詰まっているようにも感じる声。
何だ? まさかまた何か問題でもあったか?
夕呼の様子に首を傾げつつも、イリーナが扉を開け……
「うおっ!」
突然部屋の中から突っ込んできた何かを咄嗟に迎撃しようとして、すぐにそれが夕呼である事に気付く。
まさか夕呼を攻撃する訳にもいかず、そのまま抱き留めると……
「んもー、アクセル。あんた達最高! あははははは、良くやってくれたわ、オルタネイティヴ5派の奴等、ざまあみろってのよ!」
夕呼には珍しい程の喜色満面。まさに絶好調といった感じで俺に抱きつきながら喜びの声を上げていた。
オルタネイティヴ4とオルタネイティヴ5。同時に2つの計画が進んでいた以上、色々とお互いに思うところがあったのだろう。
特にオルタネイティヴ5の方はアメリカの肝いりだ。オルタネイティヴ4だって日本の肝いりなんだろうが、どうしてもそこには国力の差が出てきてしまう。
「んー、ちゅ、ちゅ、ちゅ!」
顔中に向かってキスの雨を降らせてくる夕呼。
更には……
「んー!」
自分の唇を、俺の唇へと重ねてくる夕呼。
ったく……このままだといつまでも止まらない。
お仕置きを込めて、キスしてきた夕呼の頭を固定し、こちらから舌を入れてやり……
「ん!? んん、んんんんんーっ!?」
こちらからのキスに驚きの表情を浮かべ……俺の思うがままに翻弄されるのだった。
そして数分後……
「……あんた、色々と後で覚えてなさいよ? このあたしにこんな真似をして……」
「その状況でそういう口を利けるのはある意味立派だと思うけど、腰が抜けてる状態から復活してから言えよ」
俺と夕呼の口の間を銀糸が繋ぎ、それを見た夕呼は薄らと頬を赤くしながら白衣から取り出したハンカチで口の回りにあるキスの残滓ともいうべきものや、色々と酷い状態になっている口紅を拭く。
そんな俺達の近くでは、イリーナが顔を真っ赤に染めながら視線を逸らしていた。
白人だからか、頬が赤く染まっているのが良く映える。
「あー、もう。全く、取りあえずちょっとここで待ってなさい。あたしは後始末してくるから」
後始末? という風に聞くような事はしない。夕呼の身体がどうなっているのかは、キスしている時にその豊満な身体を抱きしめていた俺が一番よく……下手をしたら夕呼本人よりも分かっていたのだから。
着替えをしてくる必要があるんだろう。
「イリーナ、イリーナ? ……イリーナ!」
「え? あ、はい! 何でしょうか香月博士」
「あたしはちょっと出てくるから、アクセルにお茶でもだしておいて頂戴。それと、お茶菓子か何か……いい? くれぐれもアクセルに食べさせるのはお茶菓子であって、あんたを食べさせちゃ駄目よ」
「な!? い、い、い、いきなり何を!?」
「あははは。……さて、本格的に着替えてこないと。ちょっと濡れて気持ち悪いし」
ニヤリとした笑みを浮かべつつ、夕呼が去って行くが……腰が抜けたのがまだ完全に回復はしていないんだろう。よろよろと歩き、時々何か冷たいものにでも触ったかのようにビクンッとしながら廊下を進む。
……にしてもここ、夕呼の部屋だろう? 俺を放って置いていいのか?
ああ、だからイリーナか。
チラリと視線を向けると、ビクンとしながらも夕呼の部屋の中にある道具でお茶の用意をする。
別にイリーナをどうこうするつもりはないんだけどな。
ともあれ、俺はゆっくりとするべく、用意されたお茶へと手を伸ばす。
ん? てっきり合成緑茶かと思ったら……
「このお茶、本物だな」
「え? あ、はい。ネギま世界から取り寄せたものらしいです」
「コーヒー派の夕呼にしては珍しいな」
「来客用に、とのことです。わざわざ来客に自分の趣味で集めたコーヒーは出したくないと」
「……夕呼らしいと言えばらしいか」
幸い俺はコーヒーは好まない紅茶派だ。コーヒーよりは緑茶の方がまだいい。
そしてイリーナが用意した羊羹も、合成ではなく本物の羊羹。
うん、それなりに嗜好品の流通量も増えてきてるな。
未だぎこちないイリーナと会話を交わしつつ、嬉しく思うのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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