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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another64 新たな戦い

 
前書き
ヴェノムヴァンデモン撃破、しかし。 

 
ヴェノムヴァンデモンを撃破し、安堵の表情を浮かべる子供達。

空「ねえ見て!!霧が晴れていく!!」

空の声に、子供達は空を仰いだ。
お台場を覆っていた霧が晴れ、空が見えるようになった。

賢「…………」

アインス「何だあれは?」

アリサ「あれは……」

見上げる空は普段見上げる夜空とは違っていた。
そこには、帯状に逆さに見える大陸が広がっていた。

太一「おい、何だよあれ…?」

ルカ「あれはデジタルワールドです」

タケル「あれがデジタルワールドなの!!?」

フェイト「やっぱり間に合わなかったか…」

空「どういうことなの?」

フェイトの呟きに反応した空がフェイトに問いかける。

賢「僕が説明しましょう。デジタルワールドと現実世界は時間の流れが違うのはご存知ですね?」

太一「ああ」

賢「僕達がデジタルワールドから現実世界に戻ってきてから数日経っています。デジタルワールド1日は現実世界の1分。向こうでは気の遠くなるような時間が過ぎているんです」

すずか「ヴァンデモンのことがあったとはいえ、デジタルワールドを救済せずに来てしまいましたからね。恐らくは新たな脅威が現れたんですよ」

ミミ「そんなあ……」

ティアナ「今頃、世界中大パニックでしょうね。」

D-コネクションを起動させ、周波数を合わせてニュースを聞く。

『あの大陸は錯覚なんかではありません。確かに存在しているのです!!一体何が起こったのか、全く分かりません。ただこのままでは、世界中の空はあの誰も見た事のない不気味な大陸に覆い尽くされてしまうでしょう!!』

アリシア「これは何とかしないといけないよねえ……」

ヤマト「しかし、どうやってデジタルワールドに帰るんだ?太一、お前どうやってデジタルワールドに戻ったんだ?」

太一「そ、そんなこと言われても…」

スバル「こういう時こそゲンナイさんが働く時でしょ。何で動かないのあのお爺さんは!!」

ルカ「あの人に期待する方が間違っていると思いますがね」

スバル「…………」

言われて確かにと思ったスバルであった。

ヒカリ「あれが、テイルモンのいた世界?」

テイルモン[いや、あれはもう…私達のいたデジモンワールドではない]

大輔「そりゃあ何百、何千年、それ以上経っても変わらなきゃ驚きだ。しかも新たな脅威のおまけ付きだ」

ブイモン[多分これからは今までとは比較にならない脅威が待ち受けているかもな]

ブイモンがチラリと見遣ると、安全を確認したらしく、太一達の家族がこちらに来ていた。
中にはタケルとヤマトの母親までいた。

大輔「とにかく帰ろうデジタルワールドに!!このままじゃ現実世界がどうなるか……」

ミミ「でも、どうやって行くの?」

当然の疑問だ。
ゲンナイとの連絡がつかないのにどうやってデジタルワールドに行くと言うのだろう。

丈「そう言えば、デジタルワールドに初めて行った時はデジヴァイスに導かれたんだ……だったら今回もきっと!!」

光子郎「うん。試してみる価値はありますね」

太一「よし、みんなのデジヴァイスを集めるんだ」

アインス「ああ」

太一の言葉に全員が頷いた。

太一「頼む!!俺達をまたデジタルワールドに連れて行ってくれ!!」

大輔

アインス

太一

ヤマト



光子郎

ミミ



タケル

ヒカリ



フェイト

はやて

なのは

ユーノ

アリシア

アリサ

すずか

ルカ

スバル

ギンガ

ティアナ

一輝



24個のデジヴァイスが集まり、デジヴァイスから伸びた虹色の光が、架け橋のように空に映る大陸に伸びた。

丈「この光に乗ればデジタルワールドへ……」

太一「ああ、きっと行けるさ!!」

賢「行ってさっさと片付けましょうか」

フェイト「デジヴァイスの導きのままに…ね。」

奈津子「タケル!!」

全員が虹のゲートに入ろうとした時、奈津子がタケルを呼び止めた。

タケル「折角皆揃ったのに…ごめんね、ママ。でも、ちょっと行ってく…」

奈津子「駄目よ!!」

タケルが別れの挨拶を言う前に奈津子はタケルがデジタルワールドへ行く事を反対する。

裕明「行かせてやれよ。俺達だって、自分達の都合で散々ヤマトとタケルを振り回してきたんだ…」

裕明はタケルとヤマトがデジタルワールドへ行く事に止めはしなかった。
裕明の言葉を聞き、奈津子は離婚し、タケルを連れてヤマトと裕明の下を去った日の事を思い出した。
裕明の言うとおり、自分達に2人の仲を裂く権利はなかった。
ヤマトとタケル。
仲の良かった兄弟を引き裂いたのは裕明の言う通り自分達の勝手な都合からだったからだ。
その言葉に、歪んだタケルの母の顔。

ヤマト「このままじゃ、きっと地球はおしまいなんだ!!だから俺が…俺達が母さん達を守る!!」

奈津子「ヤマト…」

その言葉に奈津子は長男の成長を実感した。

シン「頼んだよ、皆!!夜が来て、朝が来るのは当たり前だと思ってたけど…今度ばかりは、永遠に夜明けは来ないかも知れないからね…」

丈の兄のシンがそう呟けば、それに光子郎の母の佳江が詰め寄る。

佳江「そんな縁起でもない事、言わないで下さい!!私はこの子達を信じています!!」

シン「ああ、いや…僕だってですね」

丈「大丈夫だよ、兄さん。明日の朝日は、必ず僕達が昇らせてみせる!!」

空「おおー、丈先輩かっこいー」

ミミ「似合わなーい」

アインス「ヘタレな城戸がなあ…」

丈の珍しく前向きな言葉に、空とミミとアインスがからかいの言葉を口にする。
落ち込んで肩を落とした丈が、1人先に光の柱の中へと入ってしまう。

ジュン「大輔!!」

大輔「ん?」

ジュン「向こうでも大暴れしてきなさい!!」

親指を立ててニヤリと笑うジュンにこちらもニヤリと笑って親指を立てる姉弟。

太一「それじゃあ行ってきます!!」

丈に続くように全員がゲートに飛び込んだ。

奈津子「タケル!!ヤマト!!」

淑子「空ー!!」

空「お母さん…お母さーん!!」

ミミ「パパ!!ママ!!」

太一「父さん!!」

ヒカリ「お母さーん!!」

空に続くように、皆が両親を呼ぶ声が聞こえる。

裕子「太一ぃ!!ヒカリィ!!」

ヒカリ「心配しないで!!絶対に戻ってくるから!!」

大輔「ちゃちゃっと片付けてくるからさ!!それじゃあ…」

全員【行ってきます!!】

ジュン「みんな~!!私達の未来をみんなに預けたわよ~!!」

現実世界のみんなの未来を小さな双肩に乗せて、デジタルワールドに向かう子供達であった。 
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