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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another56 侵攻Ⅱ

何だかわけが分からなくなってしまったが、取り敢えず、太一達と合流することに成功した大輔。

太一「大輔!!無事だったか…って、何でお前そんなに窶れてんだ?」

大輔「朝っぱらからバケモンより遥かにタチが悪い一悶着ありましてね……」

ヒカリ「大輔君、目が死んでる……」

ヤマト「聖人通り越して賢者状態だなこれは……」

アインス「一体何があったと言うのだ大輔?私は気付けなかったが」

大輔「お前らのせいだよこんちくしょうがああああああ!!!!!」

元凶の4人に怒鳴る大輔。

太一「と、とにかく、一体何がどうなってるんだ?」

ヤマト「俺も親父に叩き起こされて、事情を聞いたんだ。親父によるとお台場を覆っている霧のせいで外と連絡がつかないらしい」

太一「お台場全体が隔離されてるってのか?」

ヤマト「ああ……きっとヴァンデモンの仕業だ。」

大輔「多分、俺達をおびき寄せるためにしたんでしょうね。流石ヴァンデモン。救いようのない屑野郎だ」

ヒカリ「私達のためにお父さんとお母さんが……」

ブイモン[関係もない人も巻き込みやがって……]

非道なヴァンデモンのやり方にブイモンも怒り心頭だ。

テイルモン[恐らくは焦っているんだろう。ブイモン達の強さに。ヴァンデモンは目的のためならば手段は選ばない。何とかしてヒカリ達の家族を奪還しなくては]

自分を超える強さを持つ敵に焦っているのだろう。
ヴァンデモンは人質を確保して選ばれし子供達とパートナーデジモン達を撃破するつもりなのだ。

大輔「あいつ分かってんのかねえ…俺が仲間や家族を危険な目に遭わせた奴を許さないって……」

フェイト「大輔」

極度に冷えた声に、フェイトは落ち着かせるように肩を叩いた。

大輔「……悪い。みんな……俺は今から捕まった人達を助けに行く。」

フェイト「大輔、私も」

アリサ「私も一緒に行くわ」

アリシア「私も!!」

アインス「貴様ら、脇役が出しゃばるな!!」

アリサ「うるさいわね!!あんた散々一緒にいたんだからこういう時くらい譲りなさいよ!!」

アリシア「現在優遇中のアインスに脇役扱いされた私達の気持ちが分かるかーーーっ!!!!」

フェイト「やっぱりあなたとは決着をつけないといけないみたいだね!!勝負だよ!!」

アインス「望むところ!!」

向こうで凄まじい激闘を繰り広げるフェイト、アインス、アリサ、アリシア。

テイルモン[大輔、ブイモン。私も連れて行ってくれ。私はヴァンデモンの部下の大体の顔を覚えている。役に立てるはずだ]

ヒカリ「うん、私達も連れてって」

大輔「分かった。どうせ駄目って言ってもついてくるんだろ?なら一緒に行こうか。」

ヒカリ「うん!!」

大輔「んじゃ、太一さん、ヤマトさん。そういうことでアインス達のこと頼みました」

太一「ちょ、おい!?」

ヤマト「俺達をこんな死地に置いていくな薄情者ーーーっ!!!!!!」

大輔「あはは♪後は頼んまーす☆」

ヒカリ達を連れて素晴らしい笑顔でこの場を去る大輔であった。




































フェイト「くっ、流石はアインス…」

アインス「ふふふ…わ、私を甘く見てもらっては困るぞテスタロッサ…」

アリサ「仕方ないわ、一時休戦にして大輔と一緒に行きましょう」

アリシア「そうだね、あれ?お兄ちゃんがいない」

ジュン「…大輔ならヒカリちゃん達連れて行っちゃったわよ……」

ヒロインズ【えええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!?】

まさかのヒカリにやられたヒロインズであった。

フェイト「やられた!まさかヒカリにやられるなんて!!」

アインス「くっ、お前達が絡んでくるからだぞ!!」

アリサ「何ですってええええええ!!?」

ジュン「喧嘩すんじゃないわよ、こんな時に…」

ジュンは個性豊かな面子に好かれている弟を本気で哀れんだ。


































ヒカリ「ねえ大輔君。アインスさん達を置いてきて良かったの?」

大輔「ヒカリちゃん、君は俺の胃袋を破壊したいの…?」

ヒカリ「え?あ、あはは…」

個性豊かなあの面子と一緒にいては確かに胃袋が保たないだろう。

ブイモン[クンクン…]

匂いを辿って行くブイモンについて行く大輔達。

ヒカリ「でも、どこにいるんだろうね?」

大輔「まあ、大体の予想はつくよ。お台場中の大人と子供を捕らえて別々に隔離しておける場所と来たら大分限られてくるしな……それに」

恐らくはまだ捕まえてはいない子供か大人がいないかを探していたのかもしれないバケモンがいた。

大輔「敵から無理やり聞き出せばいいんだよ。ブイモン、懲らしめてあげなさい!!」

ブイモン[アイアイサー!!うらあああああ!!バケモン覚悟せいやあああああああ!!!!!]

[ぎゃあああああああ!!?]

襲撃を受けたバケモンの悲鳴が木霊した。





































ブイモン[ブイモンパンチ!!]

バキッ!!

[ぶっ!?]

ブイモン[ブイモンキック!!]

ドカッ!!!

[げふう!!?]

ブイモン[ブイモンフライパンアタック!!]

ゴンッ!!!!

[て、ちょっと待てえ!!今の明らかに技じゃないじゃん、フライパンで殴っただけ…]

ブイモン[ブイモン釘バット!!]

グシャアッ!!!!!

[ぎゃあ!!?]

ツッコミを入れたバケモンに釘バットの洗礼が下った。

大輔「よし、これだけやれば動けないだろ。バケモン、大人達と子供達はどこにいるんだ?」

[だ、誰が言うか…]

ギュイイイイン…

黙秘しようとした瞬間、恐ろしい音が聞こえたために振り返ると…。

ブイモン[あれ?聞こえなかった?大人達と子供達がどこにいるのかを聞きたかったんだけどなあ。これでぶった切られないと分からない?]

ギュイイイイン!!

凄まじい音を奏でながら、勢いよく回転しているチェーンソーをバケモンに向けるブイモン。

[ぎゃあああああああああああ!!!!!?]

ブイモン[10数えてやるからそれまでに言わないとマジで殺るからいーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、しち、はち、きゅう]

[ちょっと待てええええええ!!あんた真面目に数える気ないだろ、途中から早くなったし、殺る気満々じゃん!!言う、言うからああああ!!]

ブイモン[よし、さっさと言え。出鱈目言ったらマジでぶった切るから]

バケモンはガタガタブルブルと震えながら大人と子供達が捕まっている場所を強制的に吐かされたのであった。
































バケモンから強制的に吐かせた情報によると大人と子供達はビッグサイトにいるらしい。

大輔「ビッグサイトか…どうするかねえ…沢山の人がいるのに大暴れするわけにもいかないし、かと言って放置するわけにも…仕方ねえな。虎穴に入らずんば虎児を得ずってね…行こうかヒカリちゃん。」

ヒカリ「うん…お母さん…お父さん…」

大輔「ヒカリちゃんの家族も助けてやっから…さあ、行こうぜ!!」

ブイモン[ブイモン進化!エクスブイモン!!]

エクスブイモンに進化し、大輔、ヒカリ、テイルモンを乗せるとビッグサイトに向かうのだった。































大輔達がビッグサイトに向かう途中、淑子は醤油の買い置きを忘れてしまい、買いに出かけたところをバケモンに襲われたのだが…。

ピヨモン[マジカルファイヤー!!]

ピヨモンが必殺技のマジカルファイヤーにて襲いかかってきたバケモンを撃退する。

淑子「あ、あなた…ぬいぐるみじゃなかったの?」

震えながら淑子は空がキャンプから持ち帰ってきたぬいぐるみもといピヨモンを指差して言う。

ピヨモン[サッカー部の朝練はどこでやっているの?]

淑子「しょ、小学校の校庭…」

ピヨモン[急がなきゃ…空が危ないの…]

淑子「えっ?」

淑子とピヨモンは急ぎ、空が朝練をしているお台場小学校の校庭に向かおうとしたが。

エクスブイモン[ピヨモン!!]

ピヨモン[あの声は…]

上空の漆黒の竜に目を見開いたが、聞き覚えのある声に僅かだけ安堵した。

エクスブイモン[ピヨモン、お台場小学校には誰もいない。空もだ]

ピヨモン[そんな…遅かったわ]

淑子「か、怪獣…」

エクスブイモンに怯えている淑子にエクスブイモンはブイモンに退化する。
こちらの方が恐怖を持たれないだろう。

ブイモン[怪獣じゃなくてデジモン。俺の名前はブイモン。大輔のパートナーで空の仲間だ]

淑子「仲間…」

大輔「捕らえられた人達はビッグサイトにいるらしい。俺達はビッグサイトに行って捕まった人達を助けに行ってくるよ」

ピヨモン[私も連れて行って!!空を助けたいの!!]

ブイモン[勿論!!…空のお母さん…あんたも…来るかい?]

淑子「え…?」

ブイモン[どうせなら空の無事を確認したいだろ?一緒に行こう…]

淑子「………」

ブイモンの誘いに少し迷うが、空の無事を確認したいのも事実。

淑子「お願いします、ブイさん……」

ブイモン[普通にブイモンでいいのになあ]

苦笑しながらビッグサイトに向かうブイモン達であった。 
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