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シンタ

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第三章

 そしてだ、ここで。
 エリザベッタはカーラ達にだ、こう提案した。
「シンタの赤は外せないとして」
「それでもなのね」
「ここに何かあればいいわね」
「とはいってもね」
 エリザベッタのその言葉を聞いてだ、カーラは難しい顔で言った。
「この赤はね」
「ええ、赤以外の色を入れることはよね」
「出来ないわよ」
「シンクが赤なのは決まってるからね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「そこに模様を入れたり他の色には出来ないわよ」
「それはわかってるわ」
 エリザベッタはカーラにあっさりと答えた。
「もうね」
「じゃあどうするの?」
「だから。ここにもアクセサリーを飾ったりするのよ」
 ただお洒落に巻いたりするだけでなく、というのだ。
「頭に巻いたシンタにね」
「そうするのね」
「そう、あと他の色の布も一緒に巻いたりしてね」
 シンタと一緒にしてというのだ。
「それでどう?」
「そうね、じゃあやってみる?」
「そうしてみよう」
 こう皆に提案するのだった、そしてだった。 
 実際にだ、皆エリザベッタの提案通りにだった。
 頭のシンタにもアクセサリーを飾ったり他の色の布も巻いたりしてだ。そうして頭を飾った。ウィピルやコルテと合わせてだった。
 奇麗になった彼女達を見てだ、隣町の少女達は彼女達が見てもやっかんだ。エリザベッタはそのやっかみについて学校で満面の笑顔で言った。
「やったわね」
「ええ、あの娘達の顔っていったら」
 カーラもしてやったりという顔で言う。
「もう見ていてね」
「勝ったって思ったわよね」
「やってやったわ」 
 まさにというのだ。
「これで胸がすっとしたわ」
「本当にね」
「じゃあこれからもね」
「このお洒落続けていきましょう」
「それであの娘達を悔しがらせ続けてやりましょう」
 こう笑顔で話す、だが。
 すぐにだった、その隣の中学校の少女達もだった。 
 ウィピルやコルテの着方をお洒落にしてアクセサリーも飾ってだった、シンタも奇麗にして飾って来た。そうしてエリザベッタ達にどうだと言う顔で見せて来た。
 その彼女達を見てだ、エリザベッタ達が怒って言った。
「何よ、あの娘達」
「私達の真似?」
「真似してくるなんて」
「やってくれるわね」
「しかも私達を越えたつもり?」
「何処がよ」 
 こう言い合うのだった。
「私達に勝てる筈ないじゃない」
「お洒落なら私達よ」
「絶対に負けないわよ」
「見ていなさい」
 それこそと言ってだ、そして。
 カーラは皆にだ、こう言った。右手を拳にして振りつつ。
「いい、もっとよ」
「もっとお洒落にして」
「あの娘達以上にね」
「そうして差をつけてやりましょう」
「もっとね」
「そうね、売られた喧嘩は買いましょう」
 エリザベッタも強い声で言う。
「勝ち続けてやるわよ」
「負けてたまるかよ」
 カーラも他の娘達も言う、そうして少女達も服をさらに飾っていくのだった。言うまでもなくシンタもその中に入っていた。


シンタ   完


                        2015・8・30 
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