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俺が愛した幻想郷

作者:茅島裕
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俺は愛せる? 幻想郷...
式神の力ってすげぇ...
  第二十話 少女は直ぐ消える

 
前書き
今ならなんかいっぱいかける気がする、そんなうp主妹紅です。
前話を編集し終わって、投稿して1分立たずの前書きを書き始めてるうp主妹紅ですが、今の覚醒状態うp主妹紅を出来るだけ使わなければ。

まぁ、この前書き書き終えたら取り敢えずモンストやってくるんすけどね。

前話で新キャラが登場したというわけで、このキャラの謎を解決していく回が続くことでしょう。
いやはや、この場面が一番書きたかったんです。(ここまで8/29)


(ここから8/30)とか言って、結局次の日に書くあたりがうp主妹紅クオリティ。
まぁ、ゆっくりでいいんじゃないですかね。

あ、今回もね、毎回恒例の、髪の毛を切っているときに考えたものです。丁度髪が長かったのでね。

書き終わったので激辛ペヤ◯グ食べてきます。

本編、どぞ。 

 
「お腹壊すぞ... お前」

人差し指を口から離した少女は、また、ひたすら俺を見る行為を開始した。
お腹を壊す、という単語の意味をわかっていないようにも見える表情、頭に大きなはてなを浮かべているようだった。

一度ため息混じりの深呼吸をし、どうせ食べられるのだろうと覚悟していた最後のキャンディを見せる。

「噛み砕いちゃダメだ。舐めて溶かして食べなさい」

袋を取り、キャンディを渡す。

「あ、棒も食べちゃダメだぞ。そこのゴミ箱に捨てなさい?」

それだけ伝え、部屋から出ようとした。そのとき、手をかけようとしていた横に長いドアノブの先が勝手に下を向き、ドアが開いた。
地面から見始めた俺に見えたのは、人影、正面も見ると、そこには洗濯カゴを持った藍さん。

なんてグットタイミングな...

「琥珀?服洗っとい」

「藍さん!聞きたいこ」

同時に喋り同時に止まる藍さんと俺。
と、また同時に、

「あ、先どうぞ」

「あ、先いいよ?」

そして数秒の沈黙、ではお言葉に甘えて。

「そこにいる女の子... あれ?」

少女を指差すはずだった方向には、あの俺を見つめる少女はいなかった。
残っているのは、先ほどあげたキャンディだ。

「飴がどうかしたの?というか、そんなとこに置いとかないで食べちゃいなよ」

「いや、違う... キャンディじゃないんだ。あと、あれ俺が食べようと思ったわけでもないんだ」

キョトンと、首を傾げている藍さん。頭をガシガシと掻き毟る俺、なんか変な夢でも見ていたのか?とさえも考えてしまう。

「みかんの食べ過ぎでおかしくなったんじゃない?」

「そりゃあんたの所為だ!」

ケラケラと笑っていた藍さんが、何かを思い出したかのように、チャイナドレスと着物が合体したような服のポケットから何かを取り出した。
取り出した物を手の平にのせて俺に見せるように差し出すと、

「これ、紫様が、あげてこいって。前髪が邪魔そうだから…」

そう言いながら、藍さんは俺の前髪を持ち上げ、額に手を押し当ててから、先ほど見せてきた紫からのプレゼントの紫色をしたそれで髪を留めてきたのだ。

「これでよし。似合ってるよ♪」

藍さんのことだ、なんか変な付け方をしたのだろう… と思ったが、不意にまた藍さんがポケットに手を入れ取り出した手鏡を見せつけられ、確信した。

意外に似合ってる…

「えっと、ありがとうございます…」

「どう致しまして」

一度にっこり笑ってから、置いていた洗濯カゴを手に取り、部屋から出ようとした藍さんを呼び止め、あと一つだけ聞く。

「この部屋、俺が来る前は誰が使ってました?」

人差し指を自分の顎へ持って行き、思い出している藍さん。

「橙が度々お昼寝に使っていたよ?」

あ、なるほど。だから毎回この部屋で寝てたのね。癖なのね。
確かにこの部屋は日当たりが良い、昼寝には最高だろう。朝の日差しも十分に浴びれる。それも眩しくて鬱陶しいくらい。だって橙が勝手にカーテン開けるんだもの!

「呼び止めてごめんなさい」

「いいよいいよ。あと、女の子とか言ってたけど、なんかあったの?」

よかった、みかんで終わりにしなかった。なんか、また言ったらみかんで終わりにされると思って黙ってたけど。

「黄色髪の女の子だったんですけど… なんか、ひたすら俺を見てて」

「…お化け?」

「もしかして、怖がらせてます?」

「え、お化けとか怖くないの?」

「あんた妖怪だよな?」

「あ…」

コホン、と藍さんの必死の咳払い。

「他に特徴はなかった?」

藍さんは表情がとても変わるのです。突然にっこり笑ったと思ったら戸惑ったり、唇を突き出して考えごとしだしたと思ったら悲しそうな顔したり。
やっちまった、と思ったらにっこり笑いやがったり!

おっと、特徴特徴。

「爪がちょっと長くて… 八重歯もなんか鋭すぎた気が」

「飴食べさせたんだっけ?」

何か分かったように藍さんはそう聞いてきた。

「ええ、棒ごと食べてましたよ。お腹壊さないか心配ですよ」

と、ここで藍さんがニヤリと笑い、何かを企んでいる悪い笑みを見せた。そのまま、なるほどねぇ〜 と後ろを向いて帰ろうとした。

「ちょ、何がわかっ」

「琥珀、さっき渡したズボンのポケット」

食い気味に藍さんはそう言い、後は何も言わずに、洗濯カゴを揺らしながら部屋を去って行った。

ズボンのポケットって言われても…
さっき渡したズボンって、この洗ったやつだよな?

今履いているズボンは、前々から紫に頼んで元俺の家から持ってきて貰った物だ。お風呂から上がったらズボンとシャツが置かれていた。
もちろん、今着ているシャツもその置かれていたシャツである。

っと、そんなことはいいんだ。

渡されたズボンのポケットに手を突っ込む。何やら折り畳んだ紙…メモ用紙だ。

メモ用紙… メモ!? ちょっと待て。

急いで、慌てて、その四つ折りにされたメモ用紙を開く。中には小さな文字と大きな文字に分かれた文。番号毎に振り分けられたそれ。

「…そう言うことか。え、マジで!?」





■■■




「紫様〜!」

「何よ、今いいところなんだから…」

「うぉわ!? ビッグボス!? 生きてたんですかその人ぉ!?」

「そうみたいね… それで、要件は何?」

炬燵の上にゲームのコントローラーを置いた紫が、背後に立つ藍の方を振り向き、そう言う。

「来ましたよ! "あの子"」

藍がそう言うと、紫は数秒瞬きし、目を大きく見開いてから、

「え、もう? 早くない?」

「どんだけ好きなんでしょうね、"あの子"」

ぽりぽりとブロンドの髪の天辺を掻きながら紫は唸る。少し焦っているのだろう、少し険しい顔をしている。

「好きと言うか、なんと言うか… 誠実過ぎるのよ。あなたと違ってね」

目だけ藍に向け、表情は変えずとも何かを訴える紫。

「そ、そんなことないですよぉ!ねぇ、橙?」

「何処に橙がいるのよ… あなた、ホントは橙に使えてるんじゃないの?」

「ギクッ…」

「図星なの!?」





□□□




あ、なんだろう。物凄く気持ちいい。やばい、溶ける。脳が溶ける。意識を吸い取られているような… ああ、飛んでしまう。なんて言ったらいいかわからない、けど、兎に角気持ちいい。心地よい。真っ白に、視界が真っ白になる……







「…っ!?」

夢か… びっくりしたぁ。

カーテンの隙間から見える日が俺の目を覚ました。朝を知らせてくれるいいやつだ。
昨日はあの後、メモを"もう一度"読み、机の上に置いて、そのまま布団に入り込み、冷たい布団を暖めるように寝についたのだ。
橙はいないため、カーテンも開けられていない。

「なんか… 口の中が鉄の味する…」

血? いやまさか、なんで寝ながら吐血するのよ。なんか噛みちぎったか? そんなわけないよな。
うがいして来よう…
 
 

 
後書き
洗面所に立ち、うがいをし、顔を洗い、鏡を見た。
髪留めをつけていたのを忘れていたみたいで、そのまま寝てしまったらしい。今もそのままついている。

口の中怪我したかな?

などと思いながら、口を大きく開いて鏡で確かめてみた。

「へ!?」

舌に小さな穴が空いていた。

人差し指で口を開く自分の姿を見て、昨日の少女を思い出す。小さくも鋭い八重歯だったあの少女…

まさか…な




■■■





机の上に広げられたメモ…



式神の飼い慣らし方

① 好きな物はできるだけ与える
② 式神の属性を知る
③ 式神の名前は主人が決める
④ 式神の弱点を知る
⑤ 主人の躾けはもちろん、知識も与える
⑥ 式神が逃げ出すようなことは絶対にしないこと
⑦ 式神はとことん可愛がれ
⑧ 可愛がって可愛がって可愛がれ
⑨ でもたまには叱らないとね

なお、このメモは、独自で開発したものなので、これだけに限りません。
ただし、式神には式神の有意義があるので、主人が確りしないと式神は主人よりも成長してしまいます。
主人にとって式神が自分より成長するのは嬉しいことですが、それじゃ式神としての意識を失くしてしまいます。

式神の種族は幾つもあるので、ご注意を。
 
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