ウィピル
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第七章
「いいですね」
「他にも帽子もありまして」
「それもですね」
「如何でしょうか」
こう言ってだ、牧子だけでなく彼女と一緒に服を見ている恵美にも言うのだった。
「この服も」
「そうですね、それじゃあ」
牧子だけでなく恵美もだ、ガイドさんの言葉に頷いてだった。
その服を買った、そしてだった。
二人はホテルの自分達の部屋に戻ってからだった、そのウィピルやスカートに帽子を見てそのうえでわをした。
恵美からだ、こう牧子に言った。
「今からこの服着てみる?」
「そうします?」
「ええ、着方はガイドさんに教えてもらってきたわ」
それはもう既にというのだ。
「だからね」
「その着方で、ですね」
「私が説明するから」
その着方はというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「ええ、着ましょう」
「そうですね」
微笑んでだ、牧子は恵美の言葉に頷いて応えた。
「それじゃあ今から」
「着ましょう」
恵美も微笑んで応えた、そしてだった。
二人でその服を着てみた、恵美がガイドさんから教えてもらった通りにして。
まずは下着だけになってだ、そこから。
頭からウィプルを被ってスカートを着けた。スカートは巻きスカートだった。
「これはコルテっていうそうよ」
「そうした名前なんですね」
「ガイドさんに教えてもらったわ」
スカートを着けつつだ、恵美は話した。
「そう言うそうよ」
「コルテですね、わかりました」
「それでウィピルの裾はコルテの中に入れるのよ」
そこはそうするというのだ。
「そしてその上に帯を巻くの」
「この紫の帯ですね」
そこにも模様がある、白い鳥の。
「これを巻いて」
「止めるの、ただね」
「ただ?」
「帯の端は結ばないらしいわ」
それはしないというのだ。
「帯の中に挟み込んで」
「それで、ですね」
「止めるらしいわ」
「こうしてですね」
牧子はその帯を恵美に言われるまま帯に挟み込んで止めた、見れば恵美も自分が言った様にしていた。
そしてだった、頭には。
帽子を被った、帽子は白地で両端と真ん中に虹の模様を入れている布だ。その布を折り畳んで帽子にして被った。
その帽子のこともだ、恵美は牧子に話した。
「これはペラエスっていうそうよ」
「ペラエスですか」
「こうして被るらしいわ」
「虹模様で奇麗ですね」
「そうよね、さて」
全て着てからだ、恵美は。
自分が着たのを身体の端から端まで見て確認してからだ、牧子に言った。
「似合ってるかしら」
「はい、奇麗ですよ」
「そう、牧子ちゃんもよ」
「私もですか」
「ええ、似合ってるわ」
微笑んで牧子に言うのだった。
「とてもね」
「インディオに見えます?」
「それはないわね」
「やっぱりそうですか」
「東アジアの人よ」
それはどうしてもというのだ。
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