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ウィピル

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第三章

「これって巨人位の大きさですよ」
「ええ、これだけ大きな顔だとね」
「これだけのもの造る石ここにあったんですね」
「いえ、それがね」
 ここでだ、恵美は考古学を学んでいる立場から牧子に話した。
「石があったのはずっと離れた場所で」
「ここにはなかったんですね」
「そこから運んでね」 
 そしてというのだ。
「造ったらしいのよ」
「そうなんですね」
「そう、そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「造ったのよ」
「石を運ぶにも技術が必要ですから」
「その頃それだけの技術があったのか」
「マヤ文明に」
「この像を造る技術も凄いけれど」
「運ぶ技術もですね」
「凄いでしょ」
「はい、確かに」
 その通りだとだ。牧子も恵美の言葉に頷いた。
「言われてみれば」
「中南米の文明はどの文明も謎が多いけれど」
「マヤ文明もなんですね」
「そうなのよ」
 実際にというのだ。
「だから余計に興味があるのよ」
「先輩にしても」
「これから色々とわかればいいわね」
「そうですね、ただ」
「ただ?」
「どの文明もインディオの人達のものですよね」
 牧子が言ったのはこのことだった、その石像を見つつ。
「そうですよね」
「それは牧子ちゃんも知ってるでしょ」
「はい、中南米についても勉強しました」
 スペイン語を学ぶうえでだ。
「ですから」
「そうよね」
「今はかなり混血してますけれど」
 スペインから移住してきた白人やアフリカから来た黒人にアジアから日系人や華僑も来ている。中南米も多民族国家なのだ。
「元は」
「そう、それで同じインディオでもね」
「一口に言いましても」
「色々な部族というか民族というか」
「ありますよね」
「北米でも一緒だけれどね」
 こちらはインディアンと呼ばれる、アメリカやカナダは英語なのでこう呼ばれているがその示している意味は同じだ。
「沢山の民族がいるのよ」
「この中南米で」
「そうなのよね」
「そうなんですよね。西部劇でも」 
 牧子はアメリカ映画からも話した。
「スー族とかシャイアン族とか出てますよね」
「イロコイ族もね」
「モヒカン族、それアパッチ族」
「そうなのよ、北米でもそうでね」
「中南米でもですよね」
「そう、インカ帝国を築いたのはケチュア族で」
 インカ帝国にあったペルーやボリビアにいる民族だ。
「このグアテマラにいるのはマム族よ」
「それそのマム族の人がですよね」
「そう、マヤ文明を築いたのよ」
 そうしたというのだ、彼等が。
「この石像も築いたのよ」
「遥か昔に」
「そうなの、さっき見たピラミッドもね」
 エジプトの様に巨大な石を積み重ねたものではなく左右に獣の石像が連なって置かれた階段のあるものだ。 
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