オズのカエルマン
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第九幕その十
「ここを越えて」
「そう、そしてね」
魔法使いがケーキに答えます。
「さらに先に進んでね」
「青龍さんのところに行くんですね」
「そしてどうやらね」
魔法使いはケーキにさらに言いました。
「そこにはね」
「玄武さんもですね」
「いるよ」
北の方角を司るこの人もというのです。
「多分だけれどね」
「じゃあ青龍さんと玄武さんにお会いして」
「そしてね」
「青龍さんに東に帰ってもらうんですね」
「マンチキンの国にね」
オズの東の国であるこの国にというのです。
「そうしてもらおう」
「わかりました、じゃあ」
「まずはね」
もうすっかり日が落ちてです、赤くなっていてその赤い色も次第に黒くなろうとしていました。紫のギリキンの世界も。
「今日は休もうか」
「そうですね、それじゃあ」
「あそこに川があるよ」
カエルマンは早速近くに川を見付けました。
「あの近くに行ってね」
「そしてですね」
「休もう」
こう言うのでした。
「ゆっくりとね」
「そして朝になって」
「出発だよ」
このことはいつもと同じでした。
「そうなるよ」
「そうですよね」
「さて、今日はね」
魔法使いが言うことはといいますと。
「何を食べようかな」
「ううん、今日はたっぷり歩きましたし」
恵梨香が魔法使いに答えます。
「その食べるものも」
「たっぷりとだね」
「食べたいなと」
「よし、それじゃあね」
魔法使いは恵梨香の言葉を受けてでした、そのうえで。
テーブル掛けの上に出したものはといいますと。
バーベキューでした、お肉にお野菜がどんどん焼けています。そのバーベキューを出してから言うのでした。
「さあ、どんどん食べよう」
「バーベキューですか」
「うん、これならたっぷり食べられるからね」
「どんどん焼いたものをですね」
「そう、皆遠慮は駄目だよ」
それこそというのです。
「食べてくれ」
「わかりました」
「果物も用意したよ」
見ればスライスした林檎やオレンジ、パイナップル等もあります。
「こちらもね」
「果物ですか」
「パイナップルは野菜だけれどね」
「あっ、そうでしたね」
恵梨香は魔法使いのその言葉に頷きました。
「木に実っていないので」
「そう、地面から出ているからね」
「お野菜になるんですね」
「こちらもですね」
苺や西瓜もあります、神宝はそちらを見て言うのでした。
「お野菜ですね」
「そうだよ」
「そういえば苺も西瓜も畑から採れますね」
神宝はこうも言いました。
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