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オズのカエルマン

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第八幕その九

「これは難しいね」
「ああ、それならね」
 魔法使いはここでも鞄を出しでした、その中からです。
 あるものを出しました、それは一本の白いチョークでした。
「これを使おう」
「あっ、チョークですか」
「それを目印に使うんですね」
「このチョークも魔法のアイテムでね」
 それ故にというのです。
「地面にも書けるんだ」
「地面にもですか」
「土の上にも」
「そう、だからね」
 それでだというのです。
「目印として地面に書いていこう」
「ここはもう行ったと」
「そうですね」
「そうしていこう、神宝の言葉で思い出したよ」
 このチョークのことをというのです。
「これを使っていけばいいよ」
「じゃあ曲がり角とかに来たら」
「その時は」
「目印を付けていこう」
 こうしてでした、一行は今度はです。
 目印も付けていって先に進むのでした、時折カエルマンがジャンプをして道を確かめつつです。迷路の中を慎重に進んでいきます。
 その中で一行は時々森の中の動物を見ました、兎に鹿に栗鼠にです。
 鳥や狐もいます、そして二時間程歩いたところで左の道からです。
 十頭位の狼が出て来ました、その狼達を見てです。
 カルロスは思わず身構えました、ですがそのカルロスにカエルマンが言いました。
「狼は大丈夫だよ」
「あっ、狼は実は」
「そう、人を滅多に襲わないんだ」
「相当にお腹が空いていないと」
「そう、だからね」
「狼は大丈夫ですね」
「そうだよ、それにオズの国の狼はね」
 その彼等はといいますと。
「とても優しくて大人しいんだ」
「犬みたいにですか」
「そう、そもそも犬は狼が家畜になったもので」
「だから人も襲わないし」
「そしてそのオズの国の狼はね」
 彼等はといいますと。
「とても大人しくて優しい」
「安心出来る生き物なんですね」
「そうだよ」
「その通りだよ」
 狼のうちの一頭がここで言ってきました。
「僕達は人を襲ったりしないよ」
「実際にそうなんだね」
「そう、だから安心してね」
 こうカルロスにも答えるのでした。
「君達もね」
「わかったよ、それじゃあね」
「そういうことでね。あとね」
「あと?」
「オズの魔法使いさんにカエルマンさんに」
 狼はまずはこの二人を見ました、そして。
 ケーキも見てです、こう言いました。
「ケーキさんだね」
「私達のこと知ってるのね」
「貴女達は有名人だからね」
「それでなのね」
「僕達も知ってるよ」
 そうだというのです。
「貴女達のことは」
「ううん、魔法使いさんとカエルマンさんだけでなく」
「オズの国一のクッキー作り」
 狼はケーキににこにことして言うのでした。
「有名だよ」
「私もなのね」
「そうだよ、だからね」
 狼はその長い舌を出してにこにことしだしました、そしてです。
 他の狼達もです、にこにことなってでした。ケーキに言いました。 
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