オズのカエルマン
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第八幕その七
「だからね」
「迷うことも」
「それだと少ないし」
「入口、ここに戻ることも」
「ないよ」
「そうですか、それじゃあ」
「中に入ろう」
カエルマンは皆に笑顔で言いました。
「そしてこの迷路を通り抜けよう」
「わかりました」
「最悪ね、カエルマン君がジャンプ出来なくても」
魔法使いはカエルマンが怪我をしたりしてそうなった時のことも頭に入れていました、不測の事態についてもです。
「迷路は片方に手をついて」
「そして、ですね」
神宝がまほ使いに応えます。
「壁を伝っていけば」
「何時かは出口に出られるよ」
「そうしたやり方もありますね」
「うん、ただここで気をつけないといけないことは」
「それは一体」
「この森の中に何がいるか、あるかだね」
それが問題だというのです。
「ほら、ラビリンスはね」
「中にミノタウロスがいましたね」
神宝はギリシア神話のことを思い出しました、ここで。
「そうでしたね」
「うん、この迷宮もそうかな」
「そういえば森ですから」
「森には生き物がいるよ」
このことも言うのでした。
「特にオズの森は必ずね」
「森の中に何がいるのか」
「それが問題だね」
「そう、この森は広いよ」
カエルマンはここでこのことも言いました。
「出口は僕が思いきりジャンプしてやっと見えた位だから」
「北にあることが」
「そう、そしてね」
カエルマンは神宝にさらにお話しました。
「生き物は森の中に結構いるみたいだけれど」
「具体的にどんな生き物がいるかは」
「確かめきれなかったよ」
「そうですか」
「ドラゴンがいてもね」
これはオズの国ならばです。
「おかしくないね」
「そうですね、確かに」
神宝もです、オズの国のことを考えて言うのでした。
「この国は色々な生き物がいますから」
「カバキリンもね」
「あの生き物もいましたね」
「あの生き物は草原にいるけれど」
「森にいる種類もいるんですか?」
「確かね、この国にもいるよ」
森に住んでいるカバキリンもいるというのです。
「だからね」
「それで、ですね」
「うん、若しカバキリンがいたら」
「気をつけないといけないね」
「若し怖い生き物と会ったらどうします?」
ジョージは首を傾げさせて言いました。
「その時は」
「その時はね」
ここで魔法使いが自分の鞄からあるものを取り出しました、それは霧吹きでした。その霧吹きを皆に見せて言いました。
「これを使おう」
「霧吹きですか?」
「中に眠り薬が入っているんだ」
霧吹きの中にというのです。
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