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オズのカエルマン

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第七幕その二

「そこで楽しく過ごしているよ」
「西部劇そのままなんですね」
 神宝は集落と聞いてその目を細めさせました。
「嬉しいですね」
「神宝って西部劇好きなの」
「そうなんだ」
 神宝は恵梨香にも答えました。
「アメリカのだけでなくイタリアの方のもね」
「イタリア?」
「イタリアも西部劇作っていたんだ」
「そうだったの」
「そっちも結構面白いよ」
 イタリアの西部劇もというのです。
「楽しめてるよ」
「ううん、イタリアっていうと」 
 恵梨香はイタリアにある自分のイメージから言いました。
「ローマ帝国とかそういうのかしら」
「あとローマの休日ね」
 ナターシャが言ってきました。
「あの映画凄くよかったわね」
「ええ、あの映画は私も観たけれど」
 ここで、です。恵梨香もナターシャに頷きました。
「とても素敵な映画よね」
「あの映画のイメージもね」
「あるわよね、イタリアって」
「明るくて歴史があって」
「楽しい国よね」
「だから西部劇っていっても」
 ロシア人のナターシャも言うのでした。
「あまりね」
「イメージじゃないわよね」
「どうにもね」
 こう二人でお話するのでした。
「イタリアで西部劇の撮影なんて」
「出来るのかしら」
「いや、イタリアではしていなかったんだ」
 神宝が二人にこのことをお話しました。
「実はね」
「あれっ、そうなの」
「イタリアでは撮影していなかったの」
「スペインで撮影していたんだ」 
 この国でというのです。
「イタリアの西部劇、マカロニ=ウエスタンはね」
「スペインって」
「あの国でって」
「イタリアとスペインは伝統的に仲がいいし」
 神宝は二人の女の子にお話していきます。
「言葉も通じるし」
「そうなの!?」
 恵梨香は神宝の今の言葉にびっくりして問い返しました。
「イタリアとスペインって言葉通じるの」
「そうだよ」
 その恵梨香に横からカルロスが言ってきました。
「勿論ブラジルとスペインもね」
「そうなの」
「そう、スペインとブラジル以外の中南米の国はスペイン語でね」
「ブラジルはポルトガル語よね」
 恵梨香はこのことは知っていました。
「それでも通じるの」
「スペイン語とポルトガル語って似ているんだ」
「通じる位に?」
「日本で言うと方言位の差で」
 それで、というのです。
「中国での方言程変わらないよ」
「そうみたいだね」
 中国の話が出て神宝も言うのでした。
「スペイン語とポルトガル語の違いわ」
「アメリカの英語とイギリスの英語位かもね」
「だとしたら普通に通じるね」
 アメリカ人のジョージもカルロスに応えます。
「スペインとポルトガルだと」
「そうだよ、それでね」
「イタリア語とスペイン語もね」
 また言う神宝でした。 
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