転生とらぶる
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マブラヴ
1047話
ある意味、海水浴の目玉とも言える競泳。勿論それを行うのは岩ではなく砂の海であり、そこには何だかんだと30人近い人数が集まっていた。
俺や星刻、大河内といった最初に競泳をやろうと決めたメンバー以外にも、大河内が誘った元3-A組からも結構な人数が参加しており、SEED世界、マクロス世界、マブラヴ世界、そしてシャドウミラーからのメンバー。
最初はここまで人数を増やす気はなかったんだが、何だかんだでここまで人数が増えていたのには驚いた。
ビーチバレーをやっていた面子が合流したのが効いてるんだろうが……おかげで恐らくは大河内が望んだような競泳ではなく、色々と人外魔境的な競泳になりそうな気がしないでもない。
一応、それに関しては対応しているが……
「いい、ルールは簡単。海に浮かんでいるブイを回ってこの砂浜まで戻ってくるだけよ。優勝者には五月から特製の料理を作って貰える事になっているから、期待していなさい」
そう告げるレモンの横では、海だというのに相変わらずコックの白衣を着た五月が力こぶを作る。
――美味しい料理を用意しますので、皆さん頑張って下さい――
『うおおおおおおおおおおおおおおおっ!』
五月の言葉を聞いた多くの者達が闘志の雄叫びを上げる。
昨日まで五月の料理を食べたことがない者もいたのだが、昨日、今日と五月の料理を食べる機会は幾度もあった。そして料理を食べた者達は例外なく五月の料理に舌鼓を打ち、その美味さに驚いていた。
そんな五月の……しかも特製の料理だ。男にしろ女にしろ、更には年齢に関係なくこの競泳に参加している。……いや、この人数だと既に競泳大会と呼んだ方がいいだろうな。
「はいはい、皆元気がいいわね。ただし、注意事項が1つ。今回の競泳で気や魔力の使用は厳禁よ」
その言葉を聞き、何人かの者達が不満そうな表情を浮かべる。
「これは絶対のルールよ。こっちでもきちんと見ているから、気や魔力を使ったと判明した時点でその人は失格となるから、注意するように。大体、この中には気や魔力を使えない人も多くいるんだから、卑怯でしょ」
反論は許さないとばかりに告げるレモンの言葉に、同意する声を上げる者達。
気や魔力を使えない者達だろう。
そう、結局この競泳では気や魔力の使用は不可となった。同時に……
「それと、身体能力が高いからといって海の上を走ったり歩いたり、はたまた空を飛んだり転移魔法を使ったりといった、泳ぐ以外の行動を取った者も当然失格になるから、そのつもりで」
そんな注意もされる。
まぁ、競泳大会だし……そもそも泳がないで走るとか空を飛ぶとか転移とかはそりゃ駄目か。いや待て。転移ってのはこの中では俺しか使えない筈だ。エヴァは見学に回っているし。となると、さっきの注意は俺に向けてされたものなのか?
そもそも、気や魔力とかを使わない状態でレモンが言った事を出来るような奴がどれだけいるのかってのもある。……星刻辺りなら、素の状態で海の上を走っても驚かないが。
「それと、言うまでもないけど水中眼鏡以外の道具……足ヒレやシュノーケルのような物は使用不可よ。さて、他に注意事項は……ないわね。ならそろそろ始めるわよ。観客も楽しみにしているから、私達を楽しませてちょうだい」
観客ねぇ。いやまぁ、確かに観客って言ったら観客なんだろうが。
この競泳大会に出場していない者達も、その多くが周囲に集まってこっちの様子を眺めている。
マリューやあやか、千鶴といった面々も少し離れた場所でトロピカルジュースっぽいのを飲みながら、こっちに向かって応援の声を上げていた。
「ふむ、アクセル。気や魔力が使用不可である以上、いい勝負をさせて貰おう」
「そうだな。私としてもたまにはアクセルに勝ちたいし」
「あー……何だって私まで出る羽目に……美砂め、覚えていなさいよ」
そう声を掛けてきたのは、コーネリア、スレイ、円の3人。
全員がそれぞれビキニのように、いわゆる見せる――あるいは魅せる――水着ではなく、競泳水着のように泳ぐのに適している水着へと着替えていた。
この競泳大会に備えての事だろう。いやまぁ、確かに3人が……特にコーネリアが着ていた水着は夕呼の水着程ではないが、紐に近い。そんな状態で競泳のような激しい運動をすれば、何がとは言わないが零れてしまうのは間違いないからな。
その辺を考えると、着替えるという選択肢は正解だったと言ってもいい。
ちなみに、この場にいないシェリルや美砂といった面々はこの後のイベントの関係でここにはいなかったりする。
本人達としてはこの競泳大会も見たかったんだろうが……その辺はまぁ、しょうがないだろう。
「アクセルさん、負けませんからね」
近くに来たキラがそう宣戦布告してくる。
コーネリアが言っていたように、今回の競泳大会は気や魔力の使用が禁止されている。それを考えると、スーパーコーディネイターのキラの身体能力なら優勝のチャンスは残されていると言ってもいいだろう。
……まぁ、素でキラの身体能力を超える者が大量にいる以上、厳しい戦いになるだろうが。
俺にしても、四葉の特製料理と聞かされれば負けるつもりはない。
「では……皆、準備はいいわね?」
そう告げ、レモンが空へと向けたのは銃。
ただし、本物の銃ではなく競技用の奴だ。……どこであんなのを見つけてきたんだ?
そんな風に疑問に思うが、元3-Aの中でも葉加瀬がいたりするのを考えれば、それ程おかしくないのかもしれない。
ちなみにその葉加瀬は当然競泳大会には参加せずに観客側に回っていた。
「では……スタートッ!」
その声と共に、パァンッという甲高い音が鳴り響く。
同時に競泳大会の参加者達は真っ直ぐに海へと向かう。
「うわきゃぁっ、ちょっ、誰よ足引っかけたの!」
「待って、今私のおしり触ったの誰!?」
「あ、ごめん。それ私」
「絶対に特製料理は俺が貰うでぇっ!」
「あ、ちょっ、待ってよ小太郎君。気とか使っちゃだめなんだよ。分かってる!?」
「夏美ねーちゃんは細かいなぁ」
「細かくないって! 使ったら失格なんだから! それどころかアクセル君にお仕置きされるかもしれないんだよ!?」
「うげ、それはちょっと嫌やなぁ。……ネギ、勝負や!?」
「えーっ! 何でいきなりそんな事になるんだよ。僕だって特製料理には興味があるんだから、またね!」
多種多様。混雑。雑多。そんな風に表現すべき喧噪の中、真っ先に集団を突破した先頭グループの中には当然俺がいた。
他にもキラや星刻、ムウやスティング、アウル、レイといった面々が続く。
元3-A組からも神楽坂や桜咲、龍宮、長瀬、大河内、古菲、春日、明石といった面々の姿もある。
当然の如く円もまたトップグループの一員だ。
意外なところではオズマの姿もある。
生身でこの面々に付いてきているのは、普通に凄い。
マクロス世界の出身である以上、PMC……いわゆる傭兵としてある程度生身を鍛えてはいても、所詮はその程度だ。
生身で戦艦とかを撃破出来るだけの実力を持つネギま世界の住人とは比べものにならないだろうに。
この辺、経験豊かだからこその駆け引きとかなのだろう。
実際、アルトやミハエル、ルカといった面々は中間グループの方に入っているし。
……まぁ、ミハエルの場合は周囲にいるのは女が多いんだから、それを見る為に意図的なものとも考えられるか。
ともあれ、そんな風に進んでいく俺達はやがて砂浜の最後の部分。波が押し寄せてきている場所まで辿り着き、バシャバシャと波を掻き分けながら海の中へと入る。
混沌精霊ではあっても、俺の場合はベース的には炎や影といった面が強い。
他の属性に関しては皆無とは言わないが、それでも微々たるものだ。
そんな俺が海の中に……水の中に入ればどうなるか。
答えは自明の理だが、幸いな事に俺はPPを使って水中適性をSに上げている。
だからこそ、昨日海に潜って漁が出来た訳だし。
それ故に、俺は海へと潜った瞬間にクロールで泳ぎつつ海の中を進んでいく。
他の者達を引き離しつつあった俺だったが……次の瞬間、思わず目を見開く。
何故なら、海中を進む俺のすぐ横に人影があったからだ。
その優美なラインを描く水着姿が誰のものなのかというのは、視線を向けただけですぐに分かった。
即ち、大河内だと。
海適性Sの俺と同じ速度で泳げる――しかも気や魔力を使わず――というのは……何というか、色々な意味で凄い。
身体能力と海適性Sで強引にこの速度を出している俺とは違い、大河内は長年に渡る練習の成果としてこの速度を出しているのだ。
さすがに元3-A組だな。
そんな風に思っていると、俺の隣を泳いでいる大河内と一瞬だけ視線が交わる。
普段は大人しい……どちらかと言えば引っ込みがちな大河内だが、今その目に浮かんでいるのは間違いなく闘志だった。
なるほど、水泳では絶対に負けたくないか。
ならこっちも受けて立とう。
水を掻く速度を上げ、バタ足の速度もまた上げる。
気や魔力は一切使っていないが、それでも俺の身体能力を考えればオリンピック級以上の速度は出ていた筈だ。
だが……大河内は相変わらず俺のすぐ横を泳ぎ、それどころか俺よりも少しずつではあるが前に進み始めている。
同時に背後から感じる気配を考えると、離されずに追ってきている者もそれなりにいるのだろう。
この辺はさすがにシャドウミラーと関係のある世界の者達か。
そんな風に考えつつもひたすらに泳ぎ続け、やがて息継ぎの時に海に浮かんでいるブイの姿が見えてくる。
大河内の姿は既に完全に俺よりも前を泳いでおり、半身近い差を付けられていた。
ちっ、このままだと負けるか? けど気や魔力が使用禁止である以上、純粋な身体能力で何とかするしかない。
そう判断し、一層手足に力を入れていき……ブイへと手が届こうとした次の瞬間、手にグニュリと何か柔らかいものが鷲掴みにされる。
「きゃあっ!」
聞こえてくる悲鳴の主は、大河内で間違いないだろう。
その悲鳴に慌てて泳ぎを止めて視線を向ける。
その際にも右手の中にある柔らかく巨大な触感を持つそれは、グニュリグニュリと俺の手の動きに合わせて形を変えている。
それが何なのかというのは、半ば本能的に理解していた。
毎晩触れているものに比べるとまだ少し固い弾力だが……
「あー……悪い」
思わずクロールから立ち泳ぎへと移って、そう告げる。
それと向き合うのは、頬を真っ赤に染めた大河内の姿。
俺にとって幸いだったのはその頬の赤が怒りではなくて羞恥だった事か。
「……えっと、その……えっち」
取りあえずそれだけを口にする。
よく考えれば、男女混合で競泳大会をやればこういうハプニングはあって当然だったんだよな。
まぁ、今みたいにあからさまなのはそうそうないだろうが、スタートした時のように団子状態であれば尚更だ。
「あー、悪い。その、わざとじゃないんだが」
そんな風に再度謝り、周囲にどこか気まずい空気が流れ……
「へへっ、何を止まってるんやアクセル。優勝は俺が貰ったで!」
そんな声と共に、小太郎が俺と大河内の横を通り過ぎてブイを回り、浜の方へと向かって泳ぎ出す。
「しまった!」
小さく叫ぶが、その背後を追ってきた他の先頭グループも俺の横を次々と追い抜いていく。
させるかっ! そう考えて泳ぎだそうとした時、不意につい数秒前まではそこにいた大河内の姿がない事に気が付く。
反射的に視線を向ければ、そこにいるのは小太郎を猛スピードで追撃している大河内。
切り替えが早いな。
そんな風に考えつつ、俺もまた泳ぎへと戻る。
足を大きく動かし、手で水を掻き、速度を上げていく。
そのまま1分程もしないうちに先程追い抜いていった他の先頭グループの姿が見えてきた。
よし、このまま行けば……そう考えるも、先頭グループは先頭グループで追いつけそうでいて追いつけない。
この辺はさすがに先頭グループといったところか。
ともあれ泳ぎ続ける俺の視線には次々に映し出されていく海底の光景が見えている。
熱帯魚……とかは見えないが、何匹か魚の姿も見える。
そんな中をひたすら泳ぎ続け……先頭グループの者達を何とか追いつき、追い越し、先頭グループの中でも本当の意味での先頭、小太郎と大河内へと迫っていく。
それに気が付いたのだろう。既に浜も近いだけに、2人はラストスパートとばかりに速度を上げ……浅瀬になったところで、大河内が1歩リード。そのすぐ後ろを俺と小太郎といった状況になっていた。
残るは砂浜を進み、レモンのいる場所まで……そう思った、その時。
思わず目に入ってきたのは、大河内の海水に濡れた水着の後ろ姿。
その滑らかな曲線を描く、鍛えられた後ろ姿に一瞬見惚れ……その一瞬が致命的なまでの遅れとなり、気が付いた時には既に大河内が1位、小太郎が2位。そして俺が3位となっていた。
……俺を見るレモンの視線がジト目なのがちょっと気になる……
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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