FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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エルザvs.ジャックポット
「はぁぁぁぁ!!」
エルザが剣を構えてジャックポットに突っ込む。ジャックポットはそれを見てすぐさまスロットを回転させる。
「はい出ました!!稲妻ボーナス!!」
ジャックポットの胸のスロットに写し出された雷のマーク。それと同時に、エルザに頭上から雷が降ってくる。
ドドォン
雷がエルザを捉えたと思われた。しかし、エルザはそれを雷帝の鎧に換装し、防いでいたのだった。
「なるほど、それが貴様の魔法か」
「そうでございますよ!!私のこのスロット魔法にかかれば、どんな敵でもお茶の子さいさいでございま~す!!」
「それはどうかな!?」
エルザは槍から電撃を放ち、ジャックポットに攻撃する。
「はい、ぐるりと方向変わりま~す!!」
ジャックポットはスロットを回転させると、そこにはUターンのマークが現れ、電撃がエルザの方へと戻っていく。
「何!?」
エルザはその電撃を飛翔の鎧に換装し上に交わすが、
「はい上からタライでごさいま~す」
なんと、すでにスロットを回していたジャックポット。上に避けたエルザにジャックポットの魔法で出現したタライが落ちてくる。
「イタッ!!」
ただのタライであるため、そこまでの威力はないが、エルザの集中を一度途切れされるのには十分だった。
「はい狙い通りでございま~す!!」
「!!」
エルザの体に鞭のようなものが絡まる。
「毎度お馴染み、稲妻ボーナス!!」
「ぐわあああっ!!」
雷帝の鎧を外していたことが裏目に出てしまったエルザは、避けることもできずにその攻撃を受けてしまった。
シリルside
「水竜の砕牙!!」
「無駄だ!!」
俺の砕牙をコブラは超振動でブロックする。俺はその超振動を掻い潜ってコブラに攻撃をしようとしたが、それも受け止められてしまう。
「カミューニから奪った“目”のおかげで、俺の魔法を掻い潜ることができるってか?」
「奪ったんじゃねぇよ!!もらったんだ!!」
俺は体を半回転させてコブラの頭にケリを入れる。
「聞こえてる!!」
コブラはそれを俺を投げることで避け、なおかつ超振動を加え、俺はそれによって壁を突き破って今までとの通路とは違う、まるで異次元のような空間へと叩きつけられる。
「この・・・!!」
俺がコブラの方に向き直ると、横から緑色のスライムが飛んでくる。俺はそれをジャンプして避ける。
「ん?」
「この魔法は・・・」
俺とコブラは互いから視線を外し、スライムが飛んできた方を見る。
「ん~~!!スパイシイ!!」
そこにいたのはレギオン隊のリーゼント、シュガーボーイだった。
「邪魔するなよ!!あんたの相手してる暇はないの!!」
俺は突然現れたシュガーボーイにそう言う。なんでここで出てきたんだこいつ?
「妖精の尻尾を無限時計に近づけるなと、バイロ様に命じられているからねぇ」
シュガーボーイは俺の方を指さして決め顔でそう言う。こいつ、状況をわかってないのか?
「聞いてないのか?すでにバイロと新生六魔将軍は敵対関係にあるんだぞ?」
「それはまたスパイシイ!!」
シュガーボーイは俺の説明を聞いてそう言う。なんかめんどくさい人ですね。
「本当なのかい?スネークボーイ?」
「引っ込んでろ」
「WHAT?」
シュガーボーイはコブラに聞くが、コブラは不機嫌そうにそう答える。スネークボーイで思い出したけど、そういえばコブラって、7年前は毒蛇連れてたよな?もしかしてキュベリオスってそのヘビのことか?
「己の声に滅べ」
コブラがシュガーボーイに手を向けると、シュガーボーイの声を増幅させて攻撃する。
「ワンちゃんたちが、制御不可NO!!」
シュガーボーイは服の中に飼っているスライムに飲み込まれていく。
「失せろ」
コブラはスライムに飲み込まれていくシュガーボーイにさらに振動をぶつけていく。
「アンビリーバボ!!アイスボーイと再会でドキドキ!!の前にフィードアウト!!スパイシイ!!バイバーイ!!」
シュガーボーイはスライムに飲み込まれたまま落ちていった。アイスボーイってグレイさんのことだよな?また変な奴に好かれましたね。いや、ジュビアさんが変な人って訳ではないですけどね。ただ少し残念な感じの人ではあるけど・・・
「さて、続けようか。水竜」
「上等!!」
不敵な笑みを浮かべるコブラ。たぶんレギオン隊はシュガーボーイさえ出てくればもうあとは出てこない。ここからは俺とコブラの一騎討ち。絶対に勝ってみせる!!
一方、妖精の尻尾では・・・第三者side
現在リアルナイトメアが発動している街では、ありとあらゆる人々がその影響を受けていた。しかし、ここ、妖精の尻尾では、その影響を誰も受けていなかった。その理由はというと・・・
「先代のおかげで、俺らはリアルナイトメアから守られているわけだが」
ワカバが全身から魔力を放出しているマカロフを見てそう言う。妖精の尻尾がリアルナイトメアの影響を受けていないのは、マカロフが自らの力を使ってギルドの中にいる者を守っているからだった。
「さすがっつうかなんつうか・・・」
「うっせぇ!!悪かったな!!不器用なマスターで!!」
「悪くとんなよ、一々」
ワカバの言葉が嫌味に聞こえたマカオが怒った口調でそう言うが、ワカバに軽くたしなめられてしまう。
「キナナの捜索隊は?」
マカオはワカバに問いかける。現在ギルドにはあまり人が残っていない。いるのはマカオ、ワカバ、マカロフと『星空の鍵』の解明を進めているレビィたちだけ。他の者は、突然ギルドからいなくなったキナナを探すためにギルドから外に出ていた。
「ああ。フリードの術式で数時間は持つだろうが、まだ足取りすら掴めてねぇよ」
「クソッ・・・じれってぇな。俺にも何かできることが・・・」
マカオは何もできない自分に苛立ちを隠せない。
「マスターってのはドーンと構えてりゃあいいんだよ!!」
ワカバはそんなマカオにそう言う。
「ところでよぉ、ロメオも見かけねぇが」
「まだまだ、ガキんちょだと思ってたんだがよぉ・・・」
マカオは机に頬つき、そう言う。
「はぁ?」
ワカバは意味がわからず変な声を出す。
「男になってきたってこったぁよ!!ったく、誰に似たんだか」
マカオはロメオがどこに行ったのかおおよその検討がついていた。しかし、その危険なところに向かったロメオをマカオは成長したのだ思い、表情には出さないが、心の底では喜んでいるのだった。
「換装!!煉獄の鎧!!」
エルザは自分の持つ最強クラスの鎧に換装し、ジャックポットへと立ち向かう。
「ハイハイ!!鋼鉄の壁!!」
ジャックポットはスロットで出た鉄でできた壁でエルザを囲む。しかし、
「ぬあっ!!」
「何!?」
エルザはその壁を突き破ってジャックポットへと突撃する。
「喰らえ!!」
「スロット魔法!!」
ジャックポットは迫り来るエルザをなんとかしようとスロットを回したが、スロットの絵柄が揃うよりも先にエルザかジャックポットの顔面に攻撃を入れる。
「おろぉ!!」
後ろに飛ばされるジャックポット、しかし、先程回したスロットが今になって効果を発揮した。
「激・熱!!モジャモジャプール!!」
ジャックポットは自らのスロット魔法で出したモジャモジャで後ろに行こうとする体を止め、壁にぶつかるのを防ぐ。
「隙だらけだぞ!!」
「あらぁ!?」
ジャックポットは壁にぶつからなかったことに安心しきっていたため、エルザが飛翔の鎧に換装して目の前まで来ていたことに気づかなかった。
「飛翔・音速の爪!!」
「うわぁぁ!!」
エルザの音速の爪を受けたジャックポットの顔に、わずかながら亀裂が入る。
「やってくれましたねぇ、妖精女王」
ジャックポットは目を光らせ、エルザを睨む。そして力一杯スロットのレバーを引っ張った。
「毎度お馴染み!!」
「無駄だ。換装!!」
エルザはジャックポットのセリフで稲妻が来ると悟り、雷帝の鎧に換装する。だが、それを見たジャックポットは不敵な笑みを浮かべていた。
「稲妻ボーナス!!ではなく火炎放射!!」
「なっ!?」
なんとジャックポットはエルザの反応の速さを利用し、言葉で騙す作戦に出たのだった。
雷帝の鎧に換装したエルザにジャックポットの炎が襲いかかる。その炎の威力はすさまじく、エルザを簡単に飲み込んでしまった。
「実は実は!!解読完了しました!!」
一方、妖精の尻尾では、ジャンリュックやレビィたちの解読チームが『星空の鍵』の解読を終了していた。
「オオッ!」
「リアルナイトメアの止め方が分かったと?」
マカロフは皆を守る結界を張りながらそう言う。
「どうやら、無限時計に刻まれている刻印を消して、所有権を解除する他ないようです」
「ハッピーの推測は間違ってなかったんだね!!」
「裏付けが取れたってわけだ」
「今回はハッピーのお手柄だな」
ジャンリュックの言った無限時計の解除方法は、ハッピーが事前に予測していたものと同じだった。マカオやワカバはそれを聞いてハッピーを誉める。
「グリムリーパーとレーサーは下した。残るは四人」
「その四人を倒せば、ルーちゃんは助かる!!」
「それさえ分かれば、実は行動あるのみ!!」
「ナツたちは絶対に」
「新生六魔将軍を倒す!!」
マカロフたちは無限城へと向かったナツたち選抜チームに、ルーシィを助ける希望を託したのであった。
「そうか、わかった!!ハッピーの推測通りなんだな?」
ウェンディたちのいる大司教の部屋に、ギルドから先程のことの連絡が入った。ウォーレンがそれを念話を使って聞いている。
「新生六魔将軍を全員倒せば、刻印が消えて所有権がなくなる」
「そうすれば、無限時計のコントロールをする者がいなくなって、リアルナイトメアは消える」
ウォーレンとシャルルがギルドからの連絡を繰り返して確認する。
「ルーシィさんは?」
「刻印が消えれば、ルーシィも解放されるとジャンリュックは見ている」
心配そうに聞くウェンディにウォーレンが答える。すると、ウェンディは名にかを感じ取る。
「なんだろう・・・空が騒いでるような・・・」
「ひょっとして、6人の内2人の刻印が消えたことで」
「リアルナイトメアの影響が弱まってきてるってこと~?」
ウェンディとシャルル、セシリーがそう言う。
「なんだか、刻印を守ろうと無限時計が足掻いてるみたい」
ウェンディは上を見上げ、そう言ったのであった。
その頃、ジャックポットと交戦中のエルザは・・・
「にょほほほほほほほ!!今の炎を喰らっては、さすがの妖精女王と言えども無事では済まないですねぇ!!」
ジャックポットは目の前で燃えているであろうエルザに対してそう言った。しかし・・・
「その程度か?」
「!?」
エルザはジャックポットの炎を防ぐために一瞬で炎帝の鎧に換装し、その攻撃を防いでいたのだった。
「そんなバカな!!それなら・・・」
ジャックポットはスロットを動かす。
「来たこれー!!大・洪・水!!」
ジャックポットの胸に出てきたのは水のマーク。ジャックポットの前からすべてを飲み込むほどの水がエルザに襲いかかろうとした。だが、
「換装!!海王の鎧!!」
エルザは水に耐性のある鎧に換装し、迫り来る水を切り裂いた。
「なぬー!!」
ジャックポットはあまりのエルザの換装の速さに驚くしかない。
「貴様の炎も水も、私の知っている物に比べたら大したことはない!!」
何度も手を合わせてきた炎、戦ったことはないが、強敵を何度も倒し、ハデスを共に倒した水。エルザは2人の力を知っているから、ジャックポットの魔法の炎も水も平然と払いのけることができた。
「それに、貴様はルーシィを・・・私の仲間をキズつけた。そんなお前を、私がただで帰す訳がない!!」
エルザはそう言うと、先程までの全身を包む鎧からさらしと袴に換装する。
「いでよ!!妖刀紅桜!!」
エルザは深紅に輝く刀、『紅桜』を換装する。その刀はあまりの魔力の消耗のせいで鎧と平行して使うことができない。しかし、それゆえにその一撃はどんな攻撃よりも勝る。
「これで・・・終わりだぁー!!」
「そんな!!7人目の六魔将軍にして参謀のこの私ぐはっ!!」
ジャックポットはエルザの斬撃によって真っ二つにされ、大爆発した。中身のクロドアは、白目を剥いて倒れている。
「自分たちの野望のためだけに戦っているような奴等に、私たち妖精の尻尾になど、勝てるわけがない。それを肝に命じておくことだな」
エルザはそれだけ言い残し、ルーシィたちの元へと向かった。
後書き
いかがだったでしょうか。
エルザvs.ジャックポット、作者的にうまくできたような気がしてます。完全な自己満ですが・・・
それと、今回のお話で記念すべき100話に到達しましたρ( ^o^)b_♪♪
次回はシリルvs.コブラです。
次回もよろしくお願いします。
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