オズのカエルマン
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第六幕その二
「それで皆でね」
「パズルも出来ますね」
「その時には」
「うん、だから冒険を楽しんですぐに」
それこそというのです。
「パズルも楽しめるよ」
「それは嬉しいですね」
「楽しいことの次は楽しいこと」
「オズの国はまず楽しむこと」
「それが絶対なんですね」
「この国では」
「不思議の国はね」
カエルマンはこうも言うのでした。
「まずは楽しむことだよ」
「それが第一で」
「楽しまないとオズの国じゃない」
「そういうことですね」
「この国は」
「悲しんだり苦しんだりしないことですね」
「そう、確かに人間だからね」
このオズの国にいてもというのです。
「どうしてもそうした気持ちになる時はあるよ」
「悲しみ、苦しみがないとね」
魔法使いもまた言います。
「人は楽しみがわからないから」
「楽しみは他の感情を知って知るんだよ」
「これはあらゆる感情がそうだけれど」
「苦しみ、悲しみ、辛さ、怒ったりもして」
「それで楽しみを知るんだよ」
「そうなるんだよ」
そうしたよくない感情も知ってというのです。
「僕達にしても苦しんだりするから」
「困ったりもね」
「けれどそれは少しで」
「楽しいことはね」
このオズの国はといいますと。
「物凄く多いんだ」
「楽しむ気持ちが一番多いんだ」
「それがオズの国なんだ」
「そうした国なんだよ」
苦しい気持ちになったり悲しい気持ちになったりもする、けれどそれよりも遥かにというのです。楽しい気持ちになる方が。
だからだとです、カエルマンと魔法使いはお話するのでした。
「だからね」
「ここは明るい国だよ」
「楽しいことが九割以上あるから」
「他の国とは違ってね」
「それ位楽しいことが多いと」
神宝が言いました。
「苦しい気持ちや悲しい気持ちは調味料ですね」
「そう、楽しい気持ちを引き立てるね」
「そうしたものだよ」
「このことはね」
「そうなっているんだよ」
二人で神宝に答えるのでした。
「この国ではね」
「そうした気持ちは調味料だよ」
「楽しみをより引き立てる」
「そうしたものなんだよ」
「成程、そうですね」
神宝は皆の言葉を聞いてなのでした、笑顔で頷きました。
そしてです、五人で言うのでした。
「それじゃあ僕達は」
「うん、苦しいことや悲しいことも」
ジョージが神宝に続きます。
「楽しいことの調味料と思ってね」
「受け入れればいいわね」
恵梨香も笑顔になっています。
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