転生とらぶる
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マブラヴ
1043話
海で始まったバーベキュー。ここにいるのは殆どが若い者達である以上、当然皆が食欲旺盛であり、幾ら料理があっても足りなくなる。
そんな状況で活躍するのは、言うまでもなくこの中では料理が最も得意でもある四葉だ。勿論この人数を四葉一人で捌ける訳もないので、料理の得意な面々がそれぞれ手伝っていた。
千鶴やマリュー、超包子でバイトをしている神楽坂に、料理が得意な近衛を始めとした元3-Aの面々。茶々丸も見かねたエヴァの命令で手伝いに駆り出されている。娘娘でバイトをしていたというランカやルカの恋人――片思いの相手か?――でもある、ナナセとかいう女。
予想外だったのは、フレイもかなり料理が上手かった事だ。フレイは父親が大西洋連邦のお偉いさんで、いわゆるお嬢様だった筈だ。
まぁ、それはあくまでも数年前の事ではあるが、それでもフレイが料理を出来るようになっていたというのは……
「あははは。確かに僕も最初はちょっと驚きましたけど、フレイって何気にそっち関係のセンスがあるんですよ。最初にフレイが料理をするって聞いた時にはどんな料理が出てくるのかと思ってたんですけど……美味しい料理が出てきましたからね。それに……実は今の僕の昼食の弁当ってフレイが作ってくれてるんですよ」
「……何ともはやまぁ、意外だねこれは。あのお嬢ちゃんがねぇ……」
俺の近くでビールを飲みながらサザエの壺焼きを食っていたムウが、感心したように頷き……そして口を開く。
「な、坊主。じゃあナタルに料理を教えてくれないかお嬢ちゃんに聞いてみてくれないか?」
「え? ナタルさんって何でも出来そうな人に見えますけど……」
「ははは。まぁ、確かに外からはそう見えるかもしれないな。けど、この前なんか寝ぼけてネグリジェのままうわぁっ!」
最後まで言葉に出す事なく、ムウは横から飛んできたタコを顔に張り付ける。
そのタコが飛んでき方へと視線を向けると……
「ムウ、今何を言おうとしたんでしょうか? きっと私の気のせいだとは思うんですが、是非聞かせて貰えませんか?」
背後に炎を背負ったナタルの姿が……って、おい。本当に炎を背負ってるぞ!?
「え? え? ナタルさん!?」
キラもまた、そんなナタルの様子に思わずといった様子で呟いたが……すぐに何故そんな事になっているのかに気が付く。
何故なら、少し離れた場所で純炎の涙を使っている円の姿があったのだから。
……何だってこんな真似を。いやまぁ、恐らく何だかんだで意気投合したんだとは思うが。円とナタルというのは、意外に生真面目ってところが結構似ているし。
「すまない、アクセル。私はちょっとムウと話があるので、席を外させて貰う」
そう呟き、こっちに救いを求めるような視線を向けてくるムウを連れて去って行く。
ちなみにタコは再び調理している方へと戻されて塩揉みでヌメリをとる為に洗われていた。
……ん? って事は、ムウの顔にはタコのヌメリが思い切りついているって事にならないか? まぁ、その辺に関しては連れて行ったナタルがどうにかするんだろうが。
ともあれ連れて行かれたムウはスルーしながら、キラとの会話を再開する。
「え? あの……いいんですか、アクセルさん。ムウさんを放っておいて」
「気にするな。奴は犠牲になったんだ。俺達が楽しく日々を過ごすための」
「おい待てこらーっ! 勝手に人を犠牲にするなーっ!」
そんな風な声が聞こえてきたが、そっちに関しては完全にスルーだ。段々と小さくなっていったのも含めて色々と精神衛生上的な意味でも。
「アクセルさん……」
「気にするな。あの声の中には喜びの感情もあっただろ? 新婚なんだから、色々な意味でイチャイチャしたいんだろ」
「そう、なんでしょうか?」
今一つ納得出来ない様子で首を傾げるキラだったが、やがて自分を無理矢理納得させたのか小さく頷いてから口を開く。
「僕、正直ムウさんとナタルさんが結婚するとは思っていませんでした。性格的な問題もありますし」
「まぁ、それに関してはな。ムウは軽い性格で、ナタルは生真面目な性格だし」
「そうですね。こう言っては何ですが、ムウさんはマリューさんとくっつくと思っていましたから」
「……へぇ」
予想外に高い観察力に思わず感嘆の声を出す。
確かにこの歴史に俺がいなければ、マリューとムウがくっついていた可能性が高い。だが、この歴史に俺が存在する事でマリューは俺の方に惹かれ、俺もまた受け入れた。本来はムウの入る位置に俺が割り込んだと言ってもいい。
まぁ、オーブがSEED世界の盟主的な立場になってる時点で、原作って何? みたいな感じだしな。
そんな風にキラと会話をしたり、あるいは周囲にいる他の面々と会話をしていると、ふとこちらに近づいてくるラクスの姿が目に入る。
「はい、キラ。アクセルさんも。こちらの方、美味しそうに焼けたので持ってきましたわ。是非食べてみて下さい」
皿の上に乗っているのは肉や野菜が串に刺さったバーベキューらしいバーベキュー。
個人的にはバーベキューと言えばこういう串に刺さったのが思い浮かぶ。
まぁ、ぶっちゃけバーべキューってのは外でやる焼き肉的なニュアンスなんだろうが。
「あ、アクセル君。ほら、これも食べてみて。私も焼いてみたんだけど」
そんなラクスの後ろから姿を現したのは、先程ナタルの背後に炎を作り出していた円。
今はさすがにアーティファクトを消して水着姿に戻っているが……ぶっちゃけ、あの姿は水着姿と殆ど変わらないよな。
そんな風に考えながら、円の差し出してきた皿を受け取り、焼かれた肉……ではなく、何故かお好み焼きを受け取る。
「お好み焼き?」
「そ。アクセル君やスレイが海産物を獲ってきてくれたし、ムラタさんも色々と獲ってきてくれているから、それを使って海鮮お好み焼きを作ってみたの」
ムラタか。そう言えば去年マブラヴ世界で海に行った時も、潜って海人の如く獲物を獲ってたよな。
確かに、こうも若い奴ばかりがいる場所でムラタだけが圧倒的に年齢が上なのは事実で、居心地が悪いというのもあるのだろう。
敢えて話の合うメンバーは……オズマとか、ジェフリーとか、洪古とか、エヴァとかか?
ただ、オズマは折角の旅行ということで恋人のキャサリンとイチャついているし、ジェフリーはサーフィンに夢中になっており、洪古はいつの間にか姿を消しており、エヴァはエヴァで直射日光がうざいとばかりにのんびりとジュースを飲んだりしている。
どう考えてもムラタと話があうとは思えないだろう。
……ロゥリィがいれば話は別だったんだけどな。本当に色々な意味で惜しい奴をシャドウミラーに引き込み損ねた。
そんな風に考えながら、円お手製の海鮮お好み焼きを口へと運ぶ。
噛み締めると、お好み焼きの生地にジュワッと広がる海鮮の旨味。それとキャベツのふんわりとした食感もいいアクセントになっている。
ただ、この海で獲れた食材を使っている為に、タコは入ってるけどイカやエビといったものが入っていないというのは残念だ。エビのプリプリな食感はかなり好きなだけに。
他にも肉の代わりに入っているのは俺が獲った魚の身や、ウツボ。
特にウツボは食感が魚というよりは肉に近い。
ソースとマヨネーズ、鰹節と青のりはお好み焼きの最強調味料だよな。
「ああ、美味い」
「本当? 良かった。色々と教えて貰いながら作ったんだけど……」
海鮮お好み焼きを食べている俺の横では、キラもまたラクスの焼いた肉や野菜の刺さっている串へと口を付け、笑みを浮かべている。
こうして見ると、色々と面白いグループが出来ているな。
アルトの周囲に早乙女がいるのは、恐らく同人誌の取材的な感じなんだろう。
一応そんな早乙女に答えているアルトだが、どういう同人誌を書くのか分かっているのかいないのか……そこまで考えて、ふと思った。アルトの名字も早乙女だと。
そういう意味では結構相性がいいのかもしれない。
「うおおおおおおおっ! これマジで美味いっす! ああ、今日ここに来て良かった」
「美空、オオゲサ」
そんな声のした方へと視線を向けると、そこにいたのはシスター服を着た春日と、もう1人シスター服を着た……確か春日とコンビを組んでいるココネだったか?
さっきまで水着を着て海ではしゃいでいた筈だが……いつの間に着替えたんだ?
「いやいや、そんな事はないよココネ。何しろ超包子自体が既に麻帆良では食べられなくなったんだから。それを思えば、ここでその味を思う存分味わっておくってのは決して間違いじゃない筈だよ!」
「あー、そか。美空ちゃんはあまりホワイトスターに来れへんのか。ウチとかアスナとかは結構来てるんやけど」
「このか、羨ましい……ズルい……」
「おや、シスターですか。僕のこの悩ましい思いも是非その美しさに聞いて欲しいんですけど……ぐふっ!」
「ミシェルッ! 全く、お前は……ええい、一から教育してやるからちょっと来い!」
いきなり現れたかと思えば、春日を口説こうとして速攻でクランの一撃を食らう。
完全に出落ち要員と化してるよな。
……ん? そう言えばアルトもいつの間にかこっちに来てたな。カニの方はもういいのか?
そんな風に考えていると、ジュワァッ、という揚げ物の音が聞こえてきた。
そちらに視線を向けると、そこでは炭火で網焼きをやっている場所に鍋が用意され、丁度何かが揚げられている。
四葉が作業しているその足下にバケツがあるのを見ると、恐らく早速カニを揚げているのだろう。……何故かそんな四葉の近くで、霞が悲しそうにウサギの耳をピコピコと上下に動かしているが。
「はぁ、はぁ、はぁ……危なく死ぬかと思った」
「ん? ああ、無事に生きて戻ってきたか。どうだった?」
ゼーゼーと荒い息を吐いているムウへと尋ねるが、返ってきたのはどうしようもないと言いたげな笑み。
「いや、何かマクロス世界の……ミハエルとか言ったか? 小さい奴に強制連行されてきたのを見て驚いたナタルから、何とか逃げ出してきた」
「……ああ。なるほど」
「ふふっ、似たもの同士という奴か」
「ギルフォード……それはちょっと言い過ぎじゃないか? 俺は別にあいつみたいに手当たり次第に手を出している訳じゃないぜ?」
皿の上に乗せたウィンナーや野菜、肉を美味そうに食べながら告げるギルフォードにムウが不満そうに告げるが……
「いや、全く説得力がないぞ」
「それはお前にだけは言われたくない」
即座にそう言い返され、確かに普段の俺の行い――恋人9人作るとか――を考えると、言い返せる事ではなかったりする。
「あらあら、やっぱりアクセルってば女好きなのね。ま、英雄色を好むって言うし分からないでもないけど……いい加減にしておかないと刺されるわよ?」
「ちょっ、夕呼! す、すいませんアクセル代表」
夕呼と神宮司がそう声を掛けてくる。
一応神宮司は夕呼の部下という扱いなんだが、元々は友人……それも親友らしく、今この時に限って言えば上官と部下という扱いではなく友人同士という関係になっているらしい。
いやまぁ、それでも神宮司が夕呼の側から離れないのは護衛という役割を忘れていないからこそだろうが。
「うおっ、こ、これは……」
夕呼の紐のような水着姿に、ムウが思わず息を呑む。
そんなムウに気が付いたのだろう。夕呼は艶然とした笑みを浮かべて口を開く。
「あら、私に見惚れてくれるのは嬉しいけど、いいのかしら? 後ろで女の人が怖い笑みを……」
「っ!?」
その言葉にナタルの姿を連想したのだろう。それこそムウの近くで顔を真っ赤にしているキラがSEEDを発現したのかと言いたくなる程の速度で振り向くが、そこには誰の姿もない。
「ふふっ、どうやら驚いたようね。まぁ、あたしがいい女なのは認めるけど、そうマジマジと見つめられれば少しは恥ずかしいって気持ちがあるの。これがそこにいる子や、あっちにいる子達なら性別識別範囲外だから問題ないんだけどね」
そう告げる夕呼の視線の先にいるのは、すぐ近くで夕呼の強烈な水着姿を見て顔を真っ赤にして固まっているキラや、少し離れた場所で焼きそばを食べているスティング達へと向けられる。
「あら、キラ……このような水着がお好みでしたの? でしたら今度着てみましょうか」
そう告げるラクスだが、そこにあるのは天然の純粋さか……それともチクリとした嫉妬の一刺しなのか……何かどっちもありそうだ。
まぁ、確かに夕呼の水着姿を見て女に免疫のない男なら……あるいは多少の免疫があっても顔を真っ赤にするのは分かる。
キツイ顔つきではあるが美形であるのは間違いないし、その身体も生唾ものと言ってもいい。そんな夕呼が、紐ビキニとでも呼ぶべき水着――これを水着と呼んでもいいのなら――を着ているんだから。
正直、俺も今の夕呼を見ていれば妙な気分になる。
だというのに、本人は男に対する警戒心が足りない……いや、本人が言ってる通り、年下は男と見ていないんだろう。
そういう意味では、俺がどういう風に認識されているのかが非常に気になるんだが……
「あら、アクセル。随分と夕呼に熱心みたいね。次に狙っているのは恭子かと思ったら、実は夕呼だったのかしら?」
そんな風に後ろから声が聞こえてそちらに振り向くと、そこには夕呼程ではないにしろ、露出度の高いビキニの水着を身に纏ったレモンが面白そうな笑みを浮かべて立っていた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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