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メルヘン=ロケーション

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第四章

「僕は猟師さんになれるかな」
「なれるかもね」
「だったら赤頭巾ちゃんをね」
 それこそ、というのだ。
「守ってみせるよ」
「その時はお願いね」
 微笑んで私に行って来た、そして。
 私達は射的の後でお昼に洋食を食べてそれから行った場所は。
 動物コーナーだった、犬や猫がいて。
 鳥達もいた、彼は犬や猫と遊ぶ私に言った。
「鳥のコーナーにも行こう」
「そこになの」
「そう、あそこには白鳥もいるから」
「白鳥もなの」
「そう、それでね」
 白鳥達がいるからこそというのだ。
「白鳥達と」
「今度は白鳥の湖?」
「そうなるかな」
「とにかく白鳥と、なのね」
「一緒にいてね」 
 そして、というのだ。
「その場面をね」
「また写真に撮るのね」
「そうしたいんだけれど」
 少しおずおずとなって私にお願いしてきた。
「駄目かな」
「さっきと一緒よね」
 私はお城の時と同じやれやれといった笑顔で彼に返した。
「そうよね」
「うん、そう言われるとね」
「それならね」
 ならと返した私だった、そして。
 白鳥のところに行って写真を撮ってもらった。その後でだ。
 今度は私から言った、家鴨達のところに行ってから。
「ニルスの不思議な旅の」
「ああ、ニルスは家鴨だったね」
「家鴨に乗って飛んでたでしょ」
「小さくなってね」
「小さくなることはないけれど」
 それでもとだ、私は家鴨達を見ながら彼に笑顔で言った。
「それでもね」
「家鴨に乗って空飛びたいんだ」
「そうも思ったわ」
「何だ、君もメルヘンじゃない」
 私のその言葉を聞いてだ、彼は笑って私に言った。
「それなら」
「悪い?」
「最初は乗り気じゃなかったのに」
「仕方ないでしょ、何かここにいたらね」
 どうしてもだ、彼に返した。
「そうなるのよ」
「メルヘンな気分に?」
「そうされたのよ」
 彼に顔を向けて言った。
「自然とね」
「そうなんだ」
「全く、けれど今はね」
 この遊園地の中にいる時だけは、彼にこうも言った。 
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