MS Operative Theory
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MS戦術解説
航空戦闘①
——ミノフスキー粒子によって原点回帰した空中戦——
宇宙世紀では、空中戦といえば航空機によるものではなく、MS同士で行われる戦闘のことをさす。ミノフスキー粒子の実用化によって、誘導兵器が封じられた航空機—————特に戦闘機—————は、第二次世界大戦(以下WWⅡ)時に行われた有視界戦闘を強制されるようになった。また、航空機が搭載する火器ではMSに有効打を与えにくいことも、航空機が優位性を失った原因と考えられる。WWⅡ後、電子機器やミサイル技術の急速な発展により、空中戦はWWⅡのような格闘戦(ドッグ・ファイト)ではなく、レーダーで補足した目標に対しミサイルを指向する戦いへと移行していった。つまり、肉眼ではなく、レーダーなどで敵機を捉えての長距離攻撃が空中戦における戦術の中心となったのである。
だが、ミノフスキー粒子の軍事利用によって、アウトレンジからのミサイル攻撃は事実上不可能となり、航空機はWWⅡさながらのドッグ・ファイトを余儀なくされた。それでも一年戦争初期のMSは空中戦能力を持たなかったため、空中戦は航空機同士による戦闘がほとんどであった。しかし、この状況は一年戦争末期になると変化することとなる。MSパイロットの中に、MSを用いた空中戦を行うものが現れはじめたのである。
その代表者がアムロ・レイで、彼はRX-78(ガンダム)のスラスターとジャンプを併用して、対地攻撃を行うドップを次々と撃墜した。これは誘導兵器が使えなくなったため、航空機が対地攻撃に際して、MSのジャンプ上昇高度にまで降下することに原因が求められる。機動性に劣る地上車両とは異なり、MSは地上でも時速80~130km(一年戦争時)程度での歩行が可能で、スラスターを併用した際のジャンプ移動速度は航空機を補足するには充分であった。そのため、MSは射撃だけではなく、白兵攻撃でも航空機を劇追加のうでることが実証され、航空機の優位性は更に減少することとなった。MSが機動性を充分に発揮できる宇宙空間と異なり、地上の1G環境はMSの能力を大きく制約しており、地球上では航空機の優位性は崩れないと思われても当然であった。しかし、MSのポテンシャルは、旧世紀から続く航空機の絶対的な優位性を覆したのである。
更にサブ・フライト・システム(以下SFS)の出現が、この状況に追い討ちをかけた。SFSは、MSの行動半径と作戦能力を大幅に拡大させただけでなく、MSに本格的な空戦能力を付与させることに成功した。この結果、航空機と同程度の飛行能力を手にしたMSは、腕部兵装によるフレキシブルな攻撃範囲を生かして、戦場からの既存の軍用航空機を駆逐した。また、U.C.0080年代中期に出現した可変MAや可変MS、U.C.0150年代に全盛を迎えるミノフスキー・クラフトやビーム・ローターの出現によって、空中戦もMSの独壇場となったのである。
補足事項
——航空機の優位性——
ミノフスキー粒子の戦力化やSFSの一般化、可変MSや可変MAの出現で、空戦における航空機の優位性は著しく減少した。だが、MSの空戦能力が限定されていた一年戦争時には、ミノフスキー粒子散布下での空戦を意識したドップなどの戦闘機が開発されていた。
■優れた生産性と低ユニット
旧世紀末期以来、高額兵器の代表的存在だった航空機だったが、MSと比べれば圧倒的に低コストであった。このため、対地攻撃や制空権の確保のために大量に生産、投入された。
■速度と運動性
MSよりも軽量で、空気力学的にも優れる航空機(特に戦闘機)は、MSと比較して空中での運動性に秀でる。また、最大速度にも優れ、最大速度がマッハ4以上の機体もある。
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