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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
奈落の淵
  第35話

 
前書き
原作の<血盟騎士団>本部に向かう所辺りまで書きます。 

 
3日後の朝、天気は快晴。
絶好の釣り日和であった。キリトとサチは、主が居る湖にやって来た。
するとそこには…、
『『『『『わあ〜〜‼︎』』』』』
ギャラリーが30人近く集まっていた。
キリト『なんで…こんなに集まっているんだ?』
サチ『さぁ。』
かの光景を目撃したキリトとサチは呆然となった。

ニシダ『あっ、キリトさんとサチさん、お待ちしておりましたよ。』
その時、ニシダが姿を現した。
この時、ニシダには釣り竿と釣り餌が入っていると思しき小箱が握られていた。
キリト『ニシダさん。なんですか、このギャラリーの数は?』
ニシダ『ああ、それはですね……』
キリトと問いに、ニシダは説明した。
どうやら、ニシダが仲間に話し、そこから数が増えてこの数になったとの事。
キリト『そう…でしたか。』
サチ『はは……。』
ニシダの説明を聞いたキリトとサチは、引きつった表情を浮かべた。

ニシダ『それでは早速、主を釣り上げようと思います‼︎』
ニシダはそんな2人を差し置いて話を進めた。
『『『『『わあ〜〜〜‼︎』』』』』
ギャラリーは盛り上がりを見せた。そしてニシダは、準備を始めた。

『『……。』』
2人は、そんなニシダの手元を覗き込んだ。
『『⁉︎』』
すると、釣り餌を見たキリトとサチは驚いた。それは、全長2,30cmあるかないかくらいの大きさのトカゲだった。
サチ『あれが釣り餌なら、主ってどれくらい大きいんだろう?。』
キリト『さあ…な。』
キリトとサチは、ただ驚くしかなかった。

そんな2人はさておき、準備を終えたニシダは、釣り餌を湖に投入。ゲームの釣りは、色々と個人差があるが、SAOに至っては直ぐに結果が出る。
すると…、
≪ピクピクッ≫
釣り竿の先端が動いた。
ニシダ『……。≪キランッ≫』
ニシダの目が光り、竿を見据える。
ニシダ『よし‼︎キリトさん、思いっきり引いて下さい‼︎』
キリト『はい‼︎』
頃合いと見たニシダは、キリトに竿を託す。
キリト『いっけ〜〜〜‼︎』
竿を託されたキリトは、力の限り竿を引いた。すると水中から、主は空高く舞い上がり、湖の畔に落下した。
キリトとサチ、更にニシダやギャラリーは主に視線を合わせた。

すると…、
≪ムクッ≫
主が起き上がった。体長は数m程で全高だけでも2m以上あり、姿は両生類に近く、足が6本ある。キリトは更に視線を主に合わせると、主の頭上に黄カーソルが表示された。この時、キリトは確信した。主は紛れもないモンスターである事を。
≪ギョロッ≫
主の目にキリト達が止まった。
すると…、
≪ドドドドド……≫
キリト達目掛けて突進して来た。
『『『『『うわ〜、にげろ〜〜〜‼︎』』』』』
ギャラリーは我先に避難し始めた。
ニシダ『こりゃあいかん、我々も直ぐに……‼︎』
キリト『いえ、ここは俺達に任せて下さい‼︎』
ニシダ『解りました。気を付けてくださいね‼︎』
キリト『任せて下さい‼︎サチ、行けるか?』
サチ『準備万端、いつでもいいよ‼︎』
ニシダもキリトとサチと一緒に逃げようとしたが、キリトとサチに、ここは任せて欲しいと言われたニシダはあえて思い留まった。そしてキリトは、サチに声を掛けた。サチの準備は万端であった。
キリト『よし、行くぞ‼︎』
サチ『解った‼︎』
素早くウインドウを操作して武装した2人は、即座に武器を装備して主を迎え撃った。

数分後、キリトとサチのコンビネーションにより、主はポリゴン状となって消滅した。
ニシダ『凄く強いですね。流石は攻略組の方ですな。』
サチ『嫌々。』
キリト『それ程ではないですよ。』
ニシダは2人を賞賛した。一方のキリトとサチは照れ臭そうな表情を浮かべた。
サチ『そういえばキリト。主との戦闘後に何かドロップしたんじゃない?』
キリト『ああ、そういえばそうだったな。』
サチにそう言われたキリトは、ウインドウしてドロップアイテムをオブジェクト化した。すると出て来たのは、銀色に輝く1本の釣り竿だった。
ニシダ『おおこれは、まさかこんな素晴らしい竿に巡り会えるとは‼︎』
ニシダは目を輝せながら言った。ニシダの言葉から察する所、レアアイテムと言った所だろう。
キリト『これをニシダさんに差し上げます。今回のお礼です。』
ニシダ『本当ですか⁉︎ありがとうございます‼︎』
キリトから竿を受け取ったニシダは大いに喜んだ。
そしてその後も、会場は盛り上がりを見せた。

ーーーーーーーーーー

その晩、アスナからメールが届いた。
「第75層のフロアボスの攻略への参加を、団長が要請して来た。」
と言った内容であった。
つまり、キリトとサチの穏やかな新婚生活は終わった事を表していた。

_______________________

翌日の朝、支度を済ませた2人は武装して家を出た。(この時のキリトの服装は、アニメの時の姿と同じ。)
転移門前に到着すると、そこにはニシダの姿があった。何故いるかと言うと、キリトがメールで伝えたからだ。

そして、3人は話し始めた。
ニシダ『行くのですね?』
サチ『はい。』
キリト『俺達は一刻も早く、SAOをクリアしなければならないのです。このデスゲームから解放される人達の為に。』
ニシダ『そうですか。』

それから少し間が空き…、
ニシダ『私は正直に言う所、あなた達のような人達が最前線で戦っている事が、この世界でない気がしていました。もしかしたら、もうここから出られないとね。』
サチ『そうでしたか。』
ニシダ『私はもう歳です。今更現実世界に帰還して会社に戻ったとしても、即厄介払いされる程度でしょう。それだったら、ここでずっと釣りをやった方がいいと。』
キリト『……。』
ニシダの言葉に、キリトは掛ける言葉が無かった。
サチ『そう…なんですか。私はこのデスゲームに囚われてからは、ジレンマを抱えていました。』
すると、サチが話し始めた。
サチ『私は元ベータテスター。攻略組に入ろうと考えた事は何度かありました。けど、友達を見捨てる訳には行かない。そのジレンマで、ずっと苦しんでいました。ですが、そんな私を…キリトは救ってくれたんです。それ以来、キリトは私に力をくれました。SAOを、生き残る為の力を。だから私はその力を使って、キリトを守る。私を救ってくれたキリトの為に。』
キリト『ははっ……。』
サチの言葉に、キリトは苦笑いした。
ニシダ『そうですか。キリトさんサチさん、あなた達は、世代を超えた私のお友達です。あなた達にお会い出来て、私はとても嬉しいです。』
キリト『俺も嬉しいです。あなたのような方に会えた事が。』
サチ『私もです、ニシダさん。』

雑談の後…、
ニシダ『スッカリ時間をとってしまいましたね。ここで失礼します。頑張って下さいね。』
サチ『はい、頑張ります。そして、また戻って来ます。その時は、また話し相手になってくれませんか?』
ニシダ『勿論です。いつでも相手になってあげますよ。』
キリト『その時は、俺もお願いします。』
ニシダ『勿論ですよ、キリトさん。』
ニシダに一瞥したキリトとサチは、転移門に入った。
サチ『では、行って来ます‼︎』
キリト『必ず戻って来ます‼︎』
ニシダ『ええ、行ってらっしゃい‼︎』

その後キリトは、転移先を設定した。
キリト『転移、^グランザム^‼︎』
≪パアーーッ‼︎≫
キリトの言葉に呼応するかの様に、門は青く光り、2人は第55層に転移した。 
 

 
後書き
今回はここまで。次回作は、早ければ来週初め辺りに公開の予定で行きます。 
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