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黄金バット 第五話フー=マンチュー博士

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第五章

「そしてだ、この先にだ」
「道の先にですね」
「防空壕があってだ」
「その防空壕に若しかしたら」
「博士がいる」
 そのフー=マンチュー博士がというのです。
「その可能性はある」
「それじゃあ行きますか」
「行こう」
 警部は確かな声で答えました、そしてでした。
 神谷さんと警官の人達を連れてでした、そのうえで。
 先に進みました、道は長くて入り込んでいて幾つにも分かれていました。それで道に迷いそうになってでした。
 神谷さんは思わずです、警部さんに言いました。
「これはちょっと」
「想像していなかったな」
「はい、とても」
「まさかな」
「ここまで入り組んでいて」
「迷路みたいになっているなんてな」
「まさに地下迷宮ですね」
 こう警部に言うのでした。
「これは」
「全くだ、こんな場所が忘れられているとは」
「凄いですね」
「世の中わからない」
「不思議なことがありますね」
「本当にな、だがな」
「だが?」
「国会議事堂は噂が多い」
 何かと、というのです。
「そういえば議事堂の地下にだ」
「今実際に僕達がいる場所も」
「こうした場所があるという噂があった」
「それがここでしょうか」
「そうかも知れないな、だからな」
「それで、ですね」
「俺達が実際にその噂の場所に入った」
 警部は言いました。
「そういうことか」
「そういうことですか」
「そうかもな、とにかくだ」
「防空壕を探しましょう」
 こうしてでした、道をさらに進んで、でした。遂に。
 神谷さん達は行き止まりにある大きな鉄の扉を見付けました。その扉を見てです、警官の人達が言いました。
「警部、この扉が」
「この扉の向こうが」
「やはり」
「防空壕では」
「そうだろうな」
 警部も警官さん達に答えました。
「この扉の先がな」
「まさにですね」
「防空壕ですね」
「フー博士がいるという」
「そこですね」
「皆銃に実弾を装填しろ」
 まずはこのことを言いました。
「そして防弾チョッキは着ているな」
「はい、既に」
「着ています」
「ヘルメットも着けています」
「そして防毒マスクも被って」
「君もだ」
 警部は神谷さんにも言いました。
「いいな」
「わかりました、それじゃあ」
「全員で突入だ、相手は怪人だ」
 凶悪犯どころか、というのです。
「最悪射殺も止むを得ない」
「了解です」
「それじゃあ今から突入しましょう」
「扉を開いて」
「そのうえで」
 神谷さんも警官さん達も頷いてでした、そして。
 皆です、一気になのでした。
 完全武装したうえで扉を開いて中に飛び込みました、すると。
 そこは無数のガスボンベがあってです、様々な器具もあり。
 何か怪しいメーターも一杯ありました、その中を見回してです。 
 神谷さんは手に銃を持ったうえで、です。隣にいる警部に尋ねました。
「どう思いますか」
「間違いないな」
 これが警部の返事でした。
「アジトだ」
「フー博士の」
「情報は真実でだ」
「ここにも、ですね」
「アジトを築いていてだ」
「ここからですね」
「フー博士はガスを議事堂に撒こうとしている」
 まさにというのです。 
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