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歌集「春雪花」

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 夜の波の

  淋しさ迫り

   時 癒えず

 心騒ぎて

    君 想ふなれ



 波の様に夜がやって来ると、淋しさが胸の奥へと迫ってくる…。
 そんな時間に癒される筈もなく、気付けば彼のことばかりが気にかかってしまうのだ…。

 彼は…どうしているのだろうか…?誰といるのだろうか…?

 所詮、私には関係ないことだと解っていても…心を騒がせずにはいられない…。



 雨雲の

  絶えず想いを

    降らせるは

 われに溜め息

   吐かすものかな



 朝から雨雲が広がり、ずっと雨を降らせている。
 それを見ていると、彼がいる場所の天気はどうか…とか、荒れてはいまいか…とかと、詮ないことを考えてしまうのだ…。

 私は溜め息ばかり吐くだけで、彼には何もしてやれないのだから…。

 ただ…ここで想うだけしか出来ないのだから…。



 
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