オズのカエルマン
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第二幕その七
「温まって奇麗にしてきたわ」
「それは何よりだね」
「カエルマンさん達はお風呂早かったのね」
「男の子は早いよ」
お風呂はというのです。
「女の子よりもね」
「そうね、髪の毛を洗う手間が少ないし」
「それにね」
それに加えてというのです。
「身体も温まりやすいから」
「そうなのよね、女の子はね」
どうしてもと言うドロシーでした。
「冷え性から」
「そうだね」
「そのことがあるから」
「女の子の方がお風呂は長いね」
「それでなのね」
「うん、僕達は先にあがってね」
そうしてというのです。
「ポーカーを楽しんでいたんだ」
「そうなのね」
「それで私のこと言ってたけれど」
ナターシャはドロシーとカエルマンのお話が一段落したところで、でした。男の子達に尋ねました。
「表情がないとな」
「御免、気を悪くしたかな」
神宝がナターシャに謝ってから応えました。
「悪気はないけれど」
「いいわ、それがわかってるから」
それならと返すナターシャでした。
「それに私の無表情はね」
「それは?」
「寒いからだし」
「寒いからって?」
「ロシアのことよ」
ナターシャの祖国であるこの国だからというのです。
「ロシアは寒いから」
「寒いから?」
「表情がないことと関係あるの?」
「そうなの?」
神宝だけでなくジョージとカルロスもナターシャの今の言葉には首を傾げさせます。
「何で?」
「ええと、何でかな」
「気候と表情の関係って」
「寒いから顔が凍るの」
ナターシャはいぶかしむ三人に答えました。
「あまり顔を動かせないから」
「えっ、そうなの」
「それで表情がなくなって」
「だから無表情になるんだ」
「そうなの、本当にロシアは寒いから」
今は微笑んでお話するナターシャでした。
「表情もなくなるの」
「ううん、それは凄いね」
神宝もびっくりすることでした。
「表情まで凍るなんて」
「そうだね、ニューヨークとかも寒いけれど」
ジョージも言います。
「そこまではね」
「うん、北京とかでもそこまでいかないよ)
神宝はジョージにもこう言うのでした。
「表情がなくなるとか」
「そうだよね」
「日本でもね」
恵梨香もナターシャにこう言います。
「北海道でもそこまで寒くないから」
「ロシアの寒さはまた特別だから」
「それでなのね」
「ロシア人は無表情な人が多いの」
「そうなのね」
「成程ね、いい勉強になったよ」
神宝っはしみじみとした口調で述べました。
「寒過ぎると表情がなくなるんだ」
「そうなの」
「だからナターシャもなんだ」
「皆よりも無表情なのよ」
「そういうことだね」
「そう、けれどそれでポーカーが強いのなら」
微笑んでこうも言うナラーシャでした。
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