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ハイスクールD×D大和の不死鳥

作者:sou×yuki
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62グレモリー対シトリー(作戦会議)

◇いのり


決戦日ーー。
グレモリーの居城地下にはゲーム場へ移動する専用の巨大な魔法陣が存在する。
私たち眷属はその魔方陣に集まって、もうすぐ始まるゲームへの準備を済ませて立っている。
アーシアとゼノヴィア以外、駒王学園の夏の制服姿。アーシアはシスター服で、ゼノヴィアは出会った時に着ていた戦闘服。シトリー眷属はこちらと同じく、駒王学園の夏の制服だそうだ。
リアスさんのお父さん、お母さん、ミリキャス君、アザゼル、シュウ、ヤマトが魔方陣の外から声を掛けてくれる。


「リアス、今度こそ自分の手で勝利を掴みなさい」

「次期当主として、恥じぬ戦いをしなさい。眷属の皆さんもですよ?」

「がんばって、リアス姉さま!」

「まあ、頑張れ」

「いのりも祭も頑張って……」

「あいつらの期待を裏切るなよ?」

「「「「「「「「「はいっ!!」」」」」」」」」

私達グレモリー眷属は大きく返事をする
ついでにこの場にサーゼクスさんとグレイフィアさんは居ないけど、既に要人専用の観戦会場に移動していると聞いた。そこには三大勢力のお偉いさんだけじゃなくて、他の勢力からのVIPも招待されているという。アザゼルとヤマトもこの後その会場に移動するらしい。
そんなことを考えていると魔法陣が輝き出す。始めよう……私達の戦いを…

魔方陣でジャンプして到着したのはーーテーブルだらけの場所だった。
本拠地はここか。……飲食店フロアとか、工夫次第では魔城になるんだよねー。
私はフロアを軽く見てから、少し歩いて奥の方を見渡す。そこにはーー広大なショッピングモールが広がっていた。
見知った店が奥までずらりと並び、天井は吹き抜けのアトリウム。そこから光が溢れてきていた。


「駒王学園近くのデパートが舞台とは、予想しなかったわ」

私の隣に来ていたリアスさんが、フィールドの正体を言っていた。
そう。ここは私たち駒王学園の近くのデパートだった。勿論、本当に駒王町にあるデパートにジャンプしたわけじゃない、全部専用空間に用意されていた本物のそっくりのレプリカ…
その時、店内アナウンスが流れてきた。


『皆様。この度はグレモリ一家、シトリー家の「レーティングゲーム」の審判役を担うことになりました、ルシファー眷属『女王』のグレイフィアでございます』


アナウンサーは我らがグレイフィアさんだ。ライザー戦と口上が違うのはーー戦いが身内同士の決闘ではないから。

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。さっそくですが、今回のバトルフィールドはリアス様とソーナ様の通われる学舎「駒王学園」の近隣に存在するデパートをゲームのフィールドとして異空間にご用意いたしました』


ゲームの舞台となっているこのデパートは二階建て。高さ的には大したことがない、一階二階と吹き抜けの長いショッピングモールになっているから、横面積がかなりのものとなっている。ショッピングモールの屋上には駐車場があって、その他にも立体駐車場が存在している。


『両陣営、転移された先が「本陣」でございます。リアス様の本陣が二階の東側、ソーナ様の「本陣」は一階西側でございます。「兵士」の方は「プロモーション」をする際、相手の「本陣」まで赴いてください』


本陣は互いに遠いデパートの端っこ。私たちの陣地の周りにはペットショップ、ゲーセン、飲食フロア、本屋、ドラッグストアが存在している。本陣の下の一階には大手古本屋の支店とスポーツ用品店があるね。
そして相手側にあるのは食材品売り場と、電気屋、ジャンクフード店、雑貨売り場。

『今回、特別なルールがございます。陣営に資料が送られていますので、ご確認ください。回復品である「フェニックスの涙」は今回両チームにひとつずつ支給されております。なお、作戦を練る時間は三十分です。この時間内での相手との接触は禁じられております。ゲーム開始は三十分後に予定しております。それでは、作戦時間です』


アナウンス後、私たちは飲食フロアに集まって話し合いを始めた。


「バトルフィールドは駒王学園近くのデパートを模したもの……つまり屋内戦ね」


リアスさんが飲食フロアの壁に描かれた大きなデパート内の案内図を見ながら言う。リアスさんの手元にはチェスのマス目に区切られた専用の図面も存在する。

部長が送られてきたルールの紙に目を通す。


「今回のルール、『バトルフィールドとなるデパートを破壊し尽くさないこと』ーーつまり、ど派手な戦闘は行うなって意味ね」

「なるほど。私や副部長にとっては不利な戦場か。効果範囲の広い攻撃が出来ない」


ゼノヴィアはリアスさんから聞いた情報に、口惜しそうな表情を見せる。
ゼノヴィアの言う通り。屋内戦で建物をあまり破壊するなというルールがあると朱乃さんの雷雲を展開しての特大雷による攻撃なんて論外。ゼノヴィアは破壊力がありすぎるデュランダルの放つ、聖なる斬撃波動が気軽に発生出来ない。


「困りましたわね。大質量による攻撃戦はほぼ封じられたようなものですわ」


朱乃さんが困り顔で頬に手を当てていた。まあ……朱乃さんには困りものだけど、私からしたらこのルールは有り難い。魔法が使えないなら〝アスカロン〟やヤマトの剣のヴォイドを使えばいいだけ…

「ギャスパー君の眼も効果を望めませんね。店内では隠れる場所が多すぎる。商品もそのまま模されるでしょうし、視線を遮る物が溢れています。闇討ちされる可能性もありますし……困りましたね。これは僕らの特性上、不利な戦場です。派手な戦いが出来るのがリアス・グレモリー眷属の強みですから、丸々封じられる」

「レーティングゲームは、単純にパワーが大きいほうが勝てるわけじゃないわ。それはどんな戦いでも言えること。状況次第ではこちらの持ち味を出しきれないのもよくある話よ。ーー要するに、全てはやり方次第。工夫次第よ。それぞれ知恵を振り絞れば、打開できない局面は存在しないわ」


リアスさんの力強い言い方に、朱乃さんは頷く。


「そうですわね。実際の戦場でも、このような屋内戦は今後あるかもしれません。そうなった場合、今日のように力が完全に発揮出来ないこともあるでしょう。ーーいい機会だと考えましょう。チームバトルの屋内戦に慣れておくのに、今回のゲームは最適ですわ」

リアスさんは私たちを見渡して言う。


「ゲーム開始は十五分後ね……。十分後にここに集合。各自、それまでリラックスして待機していてちょうだい」

リアスさんの言葉により、一時解散をした。私は真名と祭、アーシアの四人で作戦会議をする事に…



続く 
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