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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
青眼の悪魔
  第21話

 
前書き
フロアボスと対面する辺りまで書きます。 

 
翌日の朝、場所は74層主街区の転移門前。
キリト『遅い…、何しているんだアスナは?』
キリトはボヤいていた。理由は、アスナが来ないからだ。
サチ『待ち合わせの時間をとっくに過ぎているよ。』
サチもそうだった。
アスナと別れたキリトはホームに戻った後、アスナに待ち合わせ時間を決めた。
時間は午前9:00。
だが、それから30分くらい経っても、アスナは姿を現さない。
サチ『どうするキリト、少し迷宮攻略して帰る?』
サチはキリトに聞いた。
キリト『ああ、そうするか。』
キリトはそう答えて立ち上がろうとしたその時…、

≪パアーーッ‼︎≫
アスナ『ハアッハアッ…、やっと振り切った〜。』
転移門が光り出して、アスナが姿を現した。しかも息を切らしている。誰かに追い掛けられていた様だ。
≪パアーーッ‼︎≫
アスナ『‼︎≪ダダッ‼︎≫』
再び転移門が光り出すの見たアスナは、素早くキリトの後ろに隠れた。
キリト『おっ、おい‼︎一体……⁉︎』
キリトが動揺するのを余所に、光りの中からクラディールが姿を現した。
クラディール『アスナ様、身勝手な行動はお控え下さい‼︎』
クラディールはアスナに言った。
アスナが息を切らしていたのは、クラディールから逃げ回っていたからだ。
アスナ『あんたに指図される筋合いは無いわ、いいから帰って‼︎』
アスナは怒った様子で言い返した。これを聞いたクラディールは苛立ちを見せ、ついに強硬手段に出た。
クラディール『でしたら、力ずくで言う事を聞かせるまでです‼︎』
そう言ったクラディールは、両手剣を装備した。
アスナ『……。』
キリト『待て。』
アスナは細剣を抜こうとしたが、キリトがそれを引き止めた。
キリト『何なら、俺が相手をしてやろうか?。』
クラディール『何だと?』
キリトの言葉にクラディールは反応した。
キリト『俺だって、サチ以上に強い事を証明しないと、サチに失礼だからな。』
クラディール『ほうっ、いいだろう‼︎私の実力を示す絶好の機会だ‼︎力の差を見せてくれる‼︎』
クラディールは、キリトの挑発に乗った。

ーーーーーーーーー

こうしてキリトとクラディールは、デュエルすることとなった。オプションは《初撃決着モード》。
カウントダウンが始まった。

ーーーー

『〈青の槍壁〉の相棒のキリトと、<血盟騎士団>メンバーがデュエルか……』
『あの<血盟騎士団>メンバーって確か、昨日〈青の槍壁〉とデュエルした奴じゃないか?』
『間違いない。〈青の槍壁〉相手に、手も足も出なかったって言うのに、寄りによってそれより強いキリトを相手に選ぶなんてな……。』
『命知らずにも程があるな。』
ギャラリーが続々と集まり出して雑談を始めた。中には、サチとクラディールのデュエルを知っている様なプレイヤーもいる。

ーーーー

クラディール『チッ‼︎』
それを見たクラディールは舌打ちした。
実はクラディールは、こういう場面でのデュエルは苦手なのだ。

ーーーー

そしてDUELの文字が弾けると同時に、デュエルが開始された。
クラディールは両手剣ソードスキル"アバランシュ"を、対するキリトは片手剣ソードスキル"ソニック・リープ"を発動して互いに距離を詰めて行く。
クラディール『ふふっ。』
この時、クラディールは勝利の笑みを浮かべた。"アバランシュ"は、"ソニック・リープ"より威力が上。下手をすれば、キリトはダメージを受ける事になる。
だが、キリトの狙いはクラディールの他にあった。
キリトは愛剣の<エリュシデータ>をクラディールの両手剣の横っ腹に打ち付け、両手剣をへし折った。
いわゆる〈武器破壊〉だ。

ーーーーーーーーーー

『すげ〜、〈武器破壊〉だ。』
『狙っていたのか?』

アスナ『……。』
サチ『……。』

ギャラリーは騒然としていた。アスナもそうだった。
一方のサチは、キリトが勝って当然と言わんばかりの笑みを浮かべていた。

ーーーー

≪カチャンッ‼︎≫
キリトはいつもの癖で、剣を鞘に収めた。

キリト『武器を替えるのなら別に構わないが、どうする?』
キリトはクラディールに聞いた。
クラディール『クウ〜〜〜。』
悔しがったクラディールは、ウインドウを操作して短剣をオブシェクト化した。
クラディール『うおーー‼︎』
クラディールは短剣をキリトに向けて突っ込んでいった。
キリトが剣を抜こうとしたその時…、
≪ガキンッ‼︎≫
クラディール『何っ⁉︎』
サチ『……。』
クラディールの短剣が弾かれた。
サチが槍を装備して、短剣を弾いたのだ。これにはクラディールも驚きを隠せない。
この時のサチは暗殺者のような目をしていた。

アスナ『≪ザシャッ‼︎≫』
するとアスナが、クラディールの前に歩み寄った。
アスナ『クラディール。現時刻を以って、あなたを副団長の護衛役を強制的に解任。いいわね?』
アスナはクラディールにこう告げた。
クラディール『そっ、そんな…くっ、仕方ない……』
そう言ったクラディールは、その場を後にした。

ーーーーーーーーーー

アスナ『ゴメンね。こちらの都合に巻き込んで。』
アスナは、キリトとサチに謝った。
キリト『いいんだ。アスナの方はいいのか?』
サチ『ギルドで問題にならないの?』
キリトとサチは許したが、アスナに聞き返した。
アスナ『心配しないで、何とかなるわ。』
アスナはこう返した。
サチ『それじゃあ、早く迷宮区に行かない?』
キリト『そうだな…行こ、アスナ。』
アスナ『ええっ』
サチの言葉に2人は賛成し、早速主街区を出ると迷宮区に入った。

ーーーーーーーーーー

3人は、モンスターを次々に撃破しながら迷宮区奥へ進んで行った。
相手はほぼ全て、骸骨剣士の〔デモリッシュ・サーバント〕。〔リザードマンブロー〕程ではないが、それなりに強い。
骸骨剣士は剣技を持ってキリトに襲い掛かったが、サチの"シャイニング・エコー"と"危険回避の指示"の恩恵を受けたキリト達の敵ではなく、キリトは骸骨剣士の攻撃を全て躱して"バーチカル・スクエア"で動きを止めて…、
キリト『スイッチ行くぞ、アスナ‼︎』
アスナ『了解‼︎』
キリトの一声で、すかさずアスナと交代。
≪シュババッ‼︎≫
骸骨剣士の反撃を許さず、細剣ソードスキル"スピカ・キャリバー"を発動。これにより、骸骨剣士はポリゴン状となって消滅した。
その後、幾度が戦闘を繰り返した後に、迷宮区最深部まで進んでいた。

ーーーー

すると3人の目の前に、巨大な扉が立ち塞がった。
アスナ『キリト君、これってまさか……?』
アスナはキリトに聞いた。
キリト『フロアボスの部屋に間違いないだろう。』
キリトはアスナにこう返した。
そう、キリトの言う通り、3人の目の前にあるのは、紛れもないフロアボスの部屋だ。
サチ『どうする、キリト?』
アスナ『覗いて…見る?』
サチとアスナはキリトに聞いた。
キリト『そうだな、だが念の為、<転移結晶>は用意しておこう。』
アスナ『解った。』
サチ『ええっ。』
キリトの言葉に賛成したサチとアスナは、早速<転移結晶>を用意した。そして…、
≪ゴゴゴゴッ……≫
巨大な扉を開けた。部屋の中は、真っ暗で何も見えなかった。

ーーーー

3人が数歩前に出たその時…、
≪ボッ‼︎≫
部屋の隅の炎が燃え上がり、部屋を明るく照らした。部屋は、東京ドーム1つがおさまりそうな広さだった。そして、その中央にフロアボスが控えていた。全長は10mあるかないかくらいの大きさで、姿はケルベロスに近く、その手には槍にも見える大きな剣が握られていた。
モンスター名は、〔ザ・グリームアイズ〕。直訳すると、‘輝く目’。
≪グオオオオ〜〜〜‼︎≫
グリームアイズは雄叫びを上げると、キリト達目掛けて突進してきた。
しかも、巨大な体躯に似合わない速さだ。

ーーーー

『『『うわああああ〜〜〜‼︎』』』
悲鳴を上げたキリト達は、猛スピードで部屋から脱出。
そのまま安全エリア目指して後ろを振り向かず走り続けた。 
 

 
後書き
今回はここまで。次回作は早くとも今週半ば辺りに公開の予定で行きます。 
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