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歌集「春雪花」

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 想い人

  待ちに待ちにし

   長月の

 終えて虚しき

     文月を迎え



 どれだけ待っていても…彼は来てはくれない…。
 当たり前だ…彼が私に会いに来てくれる筈はないのだ…。

 そんな想いを抱えて過ごしていたら、もう六月が過ぎ去って七月に入ってしまう…。

 あぁ…何と虚しいのだ…月日の流れと云うものは…。



 心なく

  暮らせし君ぞ

   侘したる

 ただ健やけく

    あれば良しとし



 私の想いなぞ知る由もなく、君は暮らしているに違いない…。

 本当に…何て侘しいのだろう…。

 だが…ここで何を言おうと彼に伝わる訳もない…。
 ただ…彼が健やかであれば良いではないかと…そう自分に言い聞かせるしかないのだ…。



 
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