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第七感

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第一章

                     第七感
 人間には五感に加えて第六感があると言われている、そして。
 友達の慶子が私にこんなことを言ってきた。
「第六感、そこに第七感もあるのよ」
「それ漫画のお話でしょ」
 私はすぐにわかった、彼女の言葉の根拠を。それで少し苦笑いになってそのうえで彼女にこう言葉を返した。
「聖闘士星矢でしょ」
「あっ、わかった?」
「わかるわよ、私もあの漫画読んでるから」
 正直言って大好きだ、物凄く面白いと思う。
「最近そんな言葉出て来たから」
「あんたも読んでたのね、あの漫画」
「人気あるからね、だからね」
 それでとだ、私はまた彼女に答えた。
「読んでるわよ」
「それじゃあ話が早いわ」
「第七感ね」
「人間にはそれもあるのよ」
「ないわよ」
 即答でだ、私は答えた。
「そんなの」
「ないの?」
「漫画の話でしょ」
 私は今度は呆れた顔で返した。
「それは」
「漫画は現実と違うていうのね」
「当たり前でしょ、そもそもね」
「そもろも?」
「人間が音速で動けると思ってるの?」
 その漫画の話からだ、私はまた慶子に言った。
「ましてや光速とか」
「無理よね」
「そう、ないでしょ」
 こんなことは言うまでもなかった、あの漫画はそうした凄い設定も面白いけれど現実にはどう考えてもなのだ。
「だからね」
「英美はないって思ってるのね、第七感」
「ええ、そうよ」
 慶子に言う言葉は変わらない。
「絶対にないわよ」
「何だ、ないのね」
「あればね」
 それこそ、というのだ。
「見てみたいわ」
「第六感は所謂勘よね」
 慶子は私に言われてもだ、まだ言うのだった。
「それよね」
「私もそう思うわ」
「そうでしょ、ただね」
「ただ?」
「第七感ってあるとしたら」
 まだあると思って言う慶子だった、思い込みの激しさに私は内心呆れた。
「何かしらね」
「勘とは別に」
「そう、何かしらね」
「だからないでしょ」
 そんなものはと返した私だった。
「そんなものは」
「まだそう言うのね」
「だから何かしらね」
「そんなの作者さんに聞いたら?」
 あの漫画の原作者の人にだ。
「それは何かって」
「流石に原作者ならわかってるかしら」
「まあ、ジャンプだから」
 この雑誌での連載だからだとだ、私はこうも言った。
「思いつきで出した適当な設定かもね」
「確かにジャンプってそういう設定多いわね」
「ストーリーが忘れられるなんていつもじゃない」
 私は冷めた目でまた慶子に言った。
「だからね」
「それでなのね」
「原作者の人、若しくは週刊少年ジャンプ編集部に聞いても」
「わからないのね」
「そうじゃないの?」
 私は慶子に言うのだった。
「そもそもコスモって何?」
「小宇宙?」
「そう、何なの?」
 あの漫画の確信の設定について問うた。
「あれって」
「ううん、気?」
 慶子は左手の人差し指を自分の唇に当ててだ、そのうえで首を少し左に傾げさせてそのうえで私に答えた。 
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