ロンパウ
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第四章
「人間のすべきことじゃない、ここはね」
「守るべきですね」
「絶対に」
「そうするべきですね」
「環境保護ってやつですね」
「うん、出来る限り自然環境は守らないとね」
先生は生徒達に環境のことも話した。
「ここは」
「わかりました」
「それじゃあ百歩蛇もですね」
「避けて、ですね」
「無闇に殺さない」
「そうすべきですね」
「そういうことだよ、じゃあ行こうね」
その場所にというのだ、そしてだった。
一行は村に入った、村はいささか古い家が多いが今の台湾の家が並んでいた。その家々を見回してだった。
生徒の一人がだ、先生に尋ねた。
「別に藁葺きの家とかじゃないんですね」
「それは昔の話だよ」
先生はその生徒にすぐに答えた。
「流石にそうしたお家はね」
「もうないですか」
「それはもう何十年も前の話だよ」
それこそというのだ。
「だからね」
「もうそうしたお家はですか」
「ないしね」
それにとだ、先生は生徒にさらに話した。
「ガスも水道も電気も通ってるよ」
「そういえば水道ありますね」
「お家にはちゃんとテレビのアンテナもありますし」
「近代的ですね」
「僕達のお家みたいな感じですね」
「そうだよ、この村もね」
パイワン族の村もというのだ。
「現代風だよ」
「ううん、もうそうした昔のものはですか」
「ないんですね」
「流石に」
「そうしたものは」
「ないよ」
はっきりとだ、先生は皆に話した。
「流石にね、ただね」
「ただ?」
「ただっていいますと」
「木彫りとか昔の文化は残っているから」
そうしたものはあるというのだ。
「観光目的でもあるみたいだけれど」
「そういえばお土産のお店ありますね」
「面白い木彫りありますよ」
「あれ家のお土産に出来ますね」
「安いですし」
「ああ、買っていいよ」
それもだ、買っていいというのだ。
「是非ね」
「わかりました、それじゃあ」
「あの木彫り買います」
「そうしてきます」
こうしてだった、生徒達は土産ものの店に集まって木彫りを買いに行った。そして女の子の一人がだった。
土産ものの中にあるものを見付けてだ、引率の立場でお店のところに来ていた先生に顔を向けて尋ねた。
「あの、これは」
「あっ、これはね」
先生もそれを見て言う。
「パイワン族の民族衣装だよ」
「民族衣装ですか」
「そうだよ、ロンパウっていってね」
先生は女生徒にその服の名前も話した。
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