辻堂雄介の純愛ロード
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番外編
番外編『読み切り版 辻堂さんの純愛ロード~if story~』
前書き
今回は現在連載中の辻堂雄介の純愛ロードを執筆する前に書いた物を投稿します。人物の関係性など微妙に違ったりしていますが読んでみてください。
昔からあたしは喧嘩一筋で誰の挑戦も受けて立った。もちろん完全無敗負け知らずの最強の喧嘩娘。
だけど。誰彼構わずに喧嘩をふかっけていたわけでもなくあたしが自分から手を出すときは何時だってあいつのためだった。
ドカッ!!!!
「うわ~ん!!」
「……ふん」
一発、顔に拳をたたき込んで泣いて逃げていくあたしより大きな男の子(おそらく小学生くらい)を冷めた目で見送り足下に落ちているおもちゃを拾い上げて砂を払う。
そして、あたしは後ろで 泣いている男の子におもちゃを差し出す。
「ほら、ゆう。おもちゃ取り返してあげたから。泣きやんで」
「うん………ありがとう、あいちゃん」
こいつの名前は辻堂雄介あたしの従兄弟。近所に住んでるし歳も同じだからよく一緒に遊んでた。
「まったく、ゆうは男の子なのに弱すぎだよ。いっつも泣かされて」
「……だって、ぼくけんかとかきらいだし…」
「そんなこと言ってるからあんなやつら舐められるんだよ」
ゆうの手を引きながら一緒に帰りながらのこの会話もするのもいつものこと。だけど今日は違った。
「……じゃあ、あいちゃん」
「なに?」
「もし、ぼくがあいちゃんより強くなったら……結婚してくれる?」
辻堂雄介の純愛ロード
番外編『読み切り版 辻堂さんの純愛ロード~if story~』
「………ん?……朝?」
カーテンの隙間から差し込む日差しに目が覚める。
「んんっ………懐かしい夢見たな」
身体を伸ばして呟く。
「あいつ、どうしてんのかな……」
◇◇◇◇◇
「愛さん!おはようございます!!」
「「「おはようございます!!!」」」
「あ~はいはい、おはよう」
あたしの名前は『辻堂愛』この稲村学園の番長ってことになってる。
「愛さん、辻堂軍団今日も全員集合しました!」
「……それ恥ずかしいから止めろって言ってるだろ」
「そんなこと言わないでくださいよ、愛さ~ん」
「クミ、通行の邪魔」
「あ、はい。お~い、解散解散」
これが、あたしのいつもの朝。正直辻堂軍団とかこの朝の挨拶とか止めて欲しいけどあたしを慕ってくれてやってることだから強くは言えない。せめて、他の生徒の邪魔にはならないようにはしてる。
「あ、そう言えば愛さん。最近よそのグループの奴ら2人がこの辺りをウロチョロしているらしいですよ」
「どうせそこら辺の雑魚だろ。キョーミない」
「それが、そうでも無いみたいなんです」
「どういう事だ?」
「はい、あるスジからの情報なんですけど、なんでも広島の奴らしいです」
広島……確かあいつが引っ越したのもソコだったな。
「……名前は?」
「はい、一人は『海堂澪』中国地方最強の奴で『喧嘩姫』と呼ばれています。そして、広島最大のチーム『炎の紋章』に属しています」
喧嘩姫・海堂澪。名前は聞いた事がある。中国地方に敵なしと言われている喧嘩の天才。
その強さはあたしや腰越と同等もしくはそれ以上とまでいわれている。
一度ヤッてみたいと思っていたんだよな。そっちから来てくれるならちょうど良い。
「そんで、もう一人は?」
「実は、名前も顔も解ってないんですよ」
「は?どういう事だよ」
「はい、表に顔を出さないみたいで中国地方はおろか広島内でさえ知られていないみたいで。ですから、こいつについては噂程度です」
「………」
◇◇◇◇◇
「え~、みなさん朝のSTの前にお知らせがあります」
炎の紋章の総長そして広島の喧嘩娘。なんでまた湘南に……まあ、海堂と喧嘩が出来ると思えばいっか。
「今日は皆さんに新しいクラスメイトを紹介します。どうぞ」
今考えても仕方がないか、しっかりクミ達に調べさせるか。
「初めまして、今日からこのクラスに転校してきました『長谷雄介』です。よろしくお願いします」
湘南のifの物語が始まった…。
後書き
いかがだったでしょうか、楽しんでいただけましたか?
今回は前に書いたのを投稿しましたが、次回からは新作のを投稿しようと思うのでこれからも辻堂雄介の純愛ロードをよろしくお願いします。
感想や意見などよければ書いてください。
それでは、雪月花でした。
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