インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
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突然の襲撃
前書き
眠い。
「今日はよろしくお願いします、一夏。そして、なんでその人が居るんですか?」
「……すまん」
「いやーん。邪険に扱わないでくださいの、那珂様」
「…………。さぁ、模擬戦を始めましよう。一夏はあっちで私はこっちからスタートとします」
私と一夏はそれぞれのスタート位置に立つと始める。この模擬戦は週に三回行われている。千冬お姉ちゃんは【清風明月】を頼りにしてる私の戦い方を危険に感じて、この模擬戦をもう数回している。模擬戦は私が対戦したい相手にお願いするというスタンスで模擬戦で勝負がついたら報告をしに千冬お姉ちゃんに会いに行く。で、今日の対戦相手は一夏というわけだ。
「じゃあ、お願いします。一夏」
「おう。任せろ」
☃☃☃
「…………負けた。もう12回連敗中です」
「あと、ちょっとだったのにな〜」
「一夏があそこで【零落白夜】を使うから」
「俺のせいかよっ!?」
「そうです。全部全部、一夏が悪いんです」
「なんでだよっ!?」
頬を膨らませて、一夏を睨むが一夏は困ったような顔をしている。
「一夏のバカ〜、バカ〜。音さんとかにはすぐ負けるくせに〜」
「なんで、俺が攻められるだよっ!それに音さんって、誰だよ!?」
「音さんは鈴さんです」
「ややこしいわっ」
「あぁ、疲れたな。それより、一夏 ののさん知りません?」
「自由だな。おい」
一夏から離れて、辺りを見渡すが近くにいた筈の ののさんが見当たらない。
(先に寮に帰った?でも、ののさん あぁ見えて方向音痴ですからね……)
顎に手を当てて、考えていると足元に紙切れが落ちていることに気付く。開くと
『志真埜 雪乃は預かった。返して欲しければ、すぐ近くの廃墟まで来い。ただし、ただ一人でだ。もし、一人で来なかったらどうなるか分かるな?早優』
(早優?あの山吹色のISの少女か)
「一夏、急用を思い出しました。少し出てきます」
そう言って、立ち去ろうとするが一夏に腕を掴まれる。振り返ると一夏が変な顔をしていた。
「志真埜さんはどうするだよ?」
「そのうち帰ってきますよ」
「もっと、心配してやれよ。大事な友達なんだろ?」
「めんどくさい友達ですよ。……………でも、それ以上に大切な友達です。だから、助けてあげないと………」
「なんか、言ったか?優里?」
「一夏が鈍感さんで良かったって言ったんです。では、また。対戦お願いします」
一夏に頭を下げるとアリーナの出口に向かって走っていく。
「鈍感さんか……。俺が鈍感なら優里、お前は何なんだよ……」
そう呟いて残された織斑一夏は拳を握った。
☃☃☃
「はぁ……はぁ……。着きました……」
「お姉ちゃん、本当に一人で来たんだ〜」
「だから、ののさんを渡して下さい」
肩で息をしながら、早優という名の少女を睨みつけるが 少女はケラケラと笑うだけで涼しい顔だ。その少女を睨みながら、銀狼を展開する。鬼切を早優に向ける。少女もISを展開する。
「残念だけど、ののさんとやらはここには居ないよ?お姉ちゃん」
「?」
「だから、暫く わたしと遊んでいってよ」
そう言うと少女は切りかかってくる。それを鬼切で受け止めてから、素早く反撃する。
「よっと。お姉ちゃん、反応速度が落ちてない?」
「うるさいですねっ。ちょこまかと……」
「ちょこまかしないと、お姉ちゃんには勝てないからね」
少女は笑いながら、私の攻撃をかわしていく。その間にも少女はカウンター攻撃を仕掛けて、その分かりやすい攻撃を受けるということは私はまだまだ未熟者なのだろう。
(銀狼を使い切れてない……)
「っ!ここは」
「あれ?お姉ちゃん、逃げちゃうの?」
そう言って笑った少女の顔を私は忘れない。歪んだ笑顔をーー。
(……。彼女はもう……)
「……私はっ。私のせいで、私の大切な人が傷つくのが許せないです。だから、貴女が私の大切な人を傷つけるのなら……私は貴女を倒します。どんな手を使っても……」
「怖いな〜、お姉ちゃん」
私は少女に斬りかかる。大切な人を守るためにーー。
☃☃☃
「………っ。はぁ……、なんとか……」
(倒せましたね。でも……)
今まで戦っていた少女はあのISが作り出した幻想だったらしく、本物はいつも間にか居なくなっていた。私は舌打ちをして、ののさん探しを再開しようとした時だった。私の携帯がなっていることに気付いたのは。携帯を開き、そこに表示された名前に眉をひそめる。耳を近づけると愛しい声が聞こえてきた。
「はい。もしもし」
『あっ、優里?何処に居るの?なかなか、帰ってこないから心配してたんだよ』
「すみません、シャル。もう少し帰るの遅くなりそうです、なかなか用事が終わらなくて」
『うん、分かったけど。優里、また変なことに首を突っ込んでないよね?』
「どっ、どうしてですか?」
シャルの言葉が図星だったので、声が裏返ってしまう。それを敏感に感じたシャルは心配そうな声に変わって、私を心配する。
『あっ、声が裏返ってる……。優里、危険な事をしたら嫌だよ?』
「……分かってますよ。心配症ですね、シャルは」
『むぅ〜。優里が自分の身考えずに危険な事をするからだよ。僕がそれで何回心配したと思うの?』
「………そうですね。その、怪我はしないように帰りますから」
『うん、約束だよ。優里。夕食までには帰ってきてね』
「はい、分かりました」
私はシャルにはかなわないな〜と苦笑すると電話を切ろうとした。その時だった、シャルの後ろから足音が聞こえる。そして、微かに聞こえる懐かしい声。
『デュノア、電話してるのは那珂か?』
『えっ、はい』
『ちょっと、貸してくれないか?すまんな。優里、聞こえてるか?』
「千冬お姉ちゃん?」
何故か焦った声で私に話しかける千冬お姉ちゃん。その声はいつもの鬼教師の織斑先生ではなく、私のよく知っている優しくも厳しい千冬お姉ちゃんだった。
(でも、この感じ……)
『あぁ、わたしだ。優里、そっちに一夏は居ないか?』
「一夏ですか?もう、数時間前に別れましたけど帰ってないんですか?」
『あぁ、アリーナを全部回ってみたが何処にも居なかった。もしかしたら、そっちに居るかもしれないと思ってな』
(……もしかしてっ!)
「千冬お姉ちゃん。すいません、電話切ります」
『おい、優里?どうしーー』
私は電話を切り、辺りを見渡す。
(くそっ。こんな時になんで丸いものが無いんですかっ)
「……疾風迅雷」
(無事でいて下さい。ののさん、一夏)
後書き
書いてるうちに訳がわからなく……
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