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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
心の温度
  第15話

 
前書き
現在“心の温度”リズベッドとの出会い辺りまで書きます。 

 
圏内殺人からおよそ3ヶ月後の6月。
48層<リンダース>の主街区の一角で武器屋を営む少女がいた。
名はリズベッドことリズ。アスナが第10話で言っていた武器屋の友達とは、このリズベッド張本人だ。
彼女はここで、<リズベッド武具店>を開業し、毎日忙しく働いている。

歳はアスナと同い年だが、童顔な顔付きのせいか、中学生又は小学生と間違われる事がよくあった。無論、現実世界でもそうだった。
とはいえ、リズベッドはこれでもマスタースミス兼マスターメイサー。
中層プレイヤー1人くらいなら一瞬で屠るだけの実力を有している。
服装は鍛冶屋らしい作業服ではなく、ウェイトレスに近い格好。何故こんな格好かと言うと、理由は簡単。実はこの格好は、リズベッドの友達であるアスナがコーディネートしたからだ。理由はアスナ曰く「リズは童顔だから。」との事。

リズベッド本人は、こういう格好は基本的に着ない方だが、店が繁盛(はんじょう)する結果となった為この格好で通している。

____________________

ある日、リズベッドは工房でアスナ愛用の細剣<ランベントライト>を研いでいた。理由はアスナにピカピカにして欲しいと頼まれたからだ。リズベッドは剣を研ぎ終えると、それをアスナに返した。
因みに、アスナの細剣はリズベッド自身が作った剣なので、作成者の名にはリズベッドが表記されている。
アスナ『ありがとう、リズ。』
リズベッド『どう致しまして、これが仕事だから。』
その後2人は、店番のNPCが用意した椅子に座った。

リズベッド『そういえば、今日はどうしたの?随分早いじゃない?』
アスナ『えっ、うん。』
因みに今は、午後4時頃。普段のアスナなら、こんな時間に中層なんかに降りたりしない。
リズベッド『アンタ、やけに怪しいわね。』
アスナ『そうかな?』
リズベッドはアスナをとても怪しがった。夕方に出て来るのも理由の1つだが、それ以前に、ブーツはシミ1つないぐらいに輝き,両耳に綺麗なイヤリングまで付けている。誰が見ても怪しく思うだろう。
リズベッド『確か、63層で攻略組が大分苦戦しているって聞いたけど、そんな時にアンタがこんな所に居てイイの?』
アスナ『そうなんだけど、今日は団長からOFFにして貰ったの。後で人と会う約束があるから。』

団長とは、<血盟騎士団>団長のヒースクリフのこと。普段は攻略はアスナにほぼ全て委託している。

リズベッド『ほ〜、それは気になりますな〜。誰にも言わないから言いなさいよ。相手は誰よ?』
アスナ『いっ、言える訳ないでしょ⁉︎』
気になったリズベッドはアスナに詰め寄った。
リズベッド『相手は誰よ?もしかして……』
アスナ『言わないで〜///‼︎』
アスナは顔を赤く染めながらリズベッドに言った。
読者なら解ると思うが、相手は勿論キリト。
リズベッド『成る程、通りで最近丸くなったと思ったわよ。』
アスナ『そっ、そう?』
アスナはおぼつかない言い方でリズベッドに聞いた。
リズベッド『そうよ‼︎第一、昔のアンタなら、こんな平日に攻略をサボるなんて考えられないし。』
アスナ『そう?やっぱり、彼から影響受けてるのかな?』
リズベッド『相手はどんな奴よ?』
リズベッドはアスナを変えた相手について聞いた。
アスナ『結構強い割には、いつもパートナーで槍使いの女の子とベッタリだし、おまけにマイペースな性格で……。』

アスナが言う女の子とは、キリトの相棒のサチのこと。

リズベッド『槍使いの女の子?ひょっとして、〈青の槍壁〉の異名を持つサチのこと?』
アスナ『えっ、リズ知ってるの⁉︎』
リズベッド『知ってるわよそのくらい‼︎54層のフロアボスを奥義技で撃破したって言う子でしょ⁉︎』
アスナ『うん、そう。』
リズベッド『半年くらい前に、35層で中層プレイヤーを叩きのめしたって話を知らないの⁉︎』
アスナ『えっ、全然知らない。』

リズベッドが言っているのは、第6話の一件のこと(詳しくは、第6話を参照)。
アスナはその一件を知らないようだ。

リズベッド『ちょっと待って、〈青の槍壁〉と一緒にいる奴って…、まさか、〈黒の剣士〉のこと⁉︎アンタが好きな奴って⁉︎』
アスナ『うっ、うん……///。』
アスナはリズベッドからの問いに首を縦に振った。それを見たリズベッドは驚いた。
リズベッド『嘘っ、だって〈青の槍壁〉って、アンタが目の敵にしている〈俊足の槍突〉の異名を持つ子でしょ⁉︎デュエルでアンタを負かした子。』
アスナ『確かにそうだけど…、プライベートでは、仲の良い友達みたいな子だから。』
リズベッド『ヘェ〜、ソイツの相棒ね。まあ〈黒の剣士〉だったら、アンタより強いのも、納得が出来るわ。』
アスナの言葉にリズベッドは納得した。

アスナ『ハイ、お金。』
リズベッド『毎度。』
アスナはリズベッドに代金を払い、リズベッドはそれを受け取った。
リズベッド『ねえ、ソイツ今度連れて来なさいよ。』
アスナ『うん、そうする。じゃね‼︎』
リズベッド『じゃあ』
アスナはそう言って工房を後にした。

その後…、
リズベッド『アスナはイイなぁ。好きな人がいて…私も彼氏とか欲しいな……』
リズベッドはこう呟いた。リズベッド自身、SAO内で口説かれたりされた事は多々あったが、皆自分の好みではなかった。
だからそう言う意味で、リズベッドはアスナが羨ましかった。

だが、今は仕事が忙しいのでそういう訳には行かない。そしてリズベッドは作業を続けた。

そしていつの間にか、リズベッドはカウンターで爆睡してしまった。

____________________

そして翌日…、
『あの…すみません。』
リズベッド『はっ‼︎ごめんなさい‼︎』
その一声でリズベッドは跳ね起きた。
すると、男女2人のプレイヤーがリズベッドの目に映った。
リズベッド『あれ?貴女は、〈青の槍壁〉⁉︎』
サチ『そう…ですが……。』
リズベッド『嘘っ、じゃあそっちが〈黒の剣士〉⁉︎』
キリト『ああっ。』
リズベッドの問いに男女のプレイヤーは、首を縦に振った。
____________________
これが、キリトとサチとリズベッドの初の出会いであった。 
 

 
後書き
次回作は、早くとも週の初め辺りに公開します。 
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