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ペルなの

作者:御門
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幕間.家族会議

 
前書き
キンクリの強い味方の八神家!

だけどはやての口調が難しい…… 

 
「うーん、問題が山積みやなぁ」

深夜に近い時間の八神家。

現在八神家は、その全員が主である八神はやてを中心として家族会議風に一つの長テーブルに着いていた。

議題は昼に起きたミッドガル市街を襲った怪事件である。

「今回の事件での人的被害はゼロで、物的被害も事件規模からすれば許容範囲内に収まってますー。依然として犯人の目的に霧の発生原因は不明ですが、最悪の事態は防げたと思われますです」

「スバルちゃん達が保護した女の子は検査した分には多少の衰弱と足枷による傷はあったけど、それ以外は特に問題は無し。ニ、三日もすれば元気になると思うわ。レリックに付いては出所を確認中ね」

「エリオ達が地下で追っていた今回の主犯と思わしき輩から遠距離による攻撃を受け、更にガジェットによる妨害もあって取り逃がす結果になった。これはエリオたちの失態というよりも、相手の作戦行動に撤退時のマニュアルも念密に組まれていたからだろう。相手の動きからして、レリックを持っていた少女を目標にしていたようだ」

「地上の厄介な霧は管理局の装備でも近距離しか効果が無かったが通信妨害とか無かった。霧に紛れて出てきやがったあの大玉お化けは無海曰く『シャドウ』とかいうので、本来は限定的な時間に発生する局地的な謎空間に生息してるらしい。それらはシャーリーが聴き纏めたレポートがあるからそっちを見てくれ。交戦した感想からすると、下級ガジェットとドッコイってとこか」

「この霧とガジェットを率いて市街地を襲撃した輩との関連性は不明。偶発的に自然発生した霧と襲撃が重なった可能性も微弱ながらあるが、まずこの両者は関連性があると推測される」

頼もしき家族であり部下でもあるヴォルゲンリッター達がそれぞれ改めて情報と見解等を口にする。

「人的被害ゼロはこっちからすれべ嬉しいんやけど、朱音ちゃんが言うには本来なら『シャドウ』はよっぽどの実力差が無きゃ無差別に人を襲う。やけど、外には逃げ遅れてた人も結構居たんにそこへの被害はゼロ、対して力の差があったヴィータ達には襲い掛かって来た矛盾。皆はどう思う?」

「……楽観的に捉えるなら、あのバケモノが無海の言う『シャドウ』ではなく亜種か全くの別物。ですが襲撃に関係し犯人が戦力、又は妨害目的に使ったとすれば、犯人達は何かしらの霧発生の手段と『シャドウ』をどの程度か分かりませんが、少なくとも標的を絞って襲わせる程度の技術は持っていると判断するのが妥当かと」

「アタシもシグナムと同意見だ。あのバケモノ共は明らかにこっちに敵意を向けてやがった」

「やっぱそうやよなぁ。となると、状況は結構待った無しかもしれへん」

はやては手元にあったシャーリーのレポートを捲る。

「朱音ちゃんが言うには『シャドウ』の強さも種類も千差万別。中には朱音ちゃん一人じゃあ苦戦するレベルのも普通に居るって話や。それをあん霧の中で使われたらどうなるか、考えただけで頭痛うなるなぁ」

「朱音ちゃんもまだ全部を話してくれた訳ではなさそうだったわ。何かまだ秘密があるのかしら?」

「少なくとも戦ったり対策取るには十分な量だけどな。こんだけ話して言わない話ってのはよっぽど取扱いがヤバイもんなんだろうし、そう簡単には口を割ったりしねぇだろ」

「無海があれ程までに戦闘に精通しているのにも関係があるだろうな。少なくともあれだけの情報は実際に関わってた人間でなければ持ち得まい。実力から鑑みるに、前線に出て戦っていたと考えた方が自然か」

「無海と主の出身世界は同じ。あの世界にあの様な異形が生息していた等とは俄かに信じがたいが……」

「そう言ったらザフィーラ、そもそも魔法とか夜天の書とかもなんも知らんかった当時のウチからしたら夢物語やったで。ウチの場合は実際に皆と出会ったから信じたけどな。ウチからしたら、魔法もあるならこういうのが在っても不思議や無い」

「自分の持つ常識の範囲内だけが世界では無いということですねぇ」

「ロストロギア関連の事件だとそういうのも多いけど、これもその一種の可能性は無いかしら?犯人達は同種のロストロギアを手に入れて使っているとか」

「可能性としてはある。それらは一回、テスタロッサと高町も交えて無海に話を聞いてみるのが一番だろう。無海はロストロギアの事は知らんかもしれないが、何らかの情報は得られるかもしれない」

「ロストロギアが関わっていると先入観を持ち過ぎるのも良くは無い。あくまで数ある可能性の一つとして受け止めておくのが良いだろう」

「どっちにしろ、情報が少なすぎて何も分かんねぇってこった。こっちはどんな状況でも対応出来る様に訓練して気を引き締めながら犯人連中のリアクション待ちしか出来ねぇしな」

「ヴィータの言う通りやね。各々で今出来る事をして、相手が動いたら手痛くカウンターを決めてやるんや」

はやてが皆の顔を見渡して宣言すると、ヴォルゲンリッター達は頷いて主の意思を受け取る。

そうして今回の家族会議は終わり、各人自分の部屋に戻って明日の為に休息を取る。

はやても自室のベッドに潜り込むが、はやてにはまだ他にも頭を悩ます事案があり、ベッドの中でもそれは離れていなった。



「……………朱音ちゃんとかの情報をどう伏せてシャドウとかの情報をレジアス中将にどう報告すればええんやろうか」


 
 

 
後書き
続きはまた遅れると思いますが、気長にお付き合いください   orz 
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