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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
圏内事件
  第10話

 
前書き
前回の続きから…。 

 
キリト『……。(圏内で死ぬのなら、デュエルで敗れる以外にあり得ない。だったら……。)』
キリトは一旦周りを見回し…、
サチ『みんな、デュエルのウィナー表示を探して‼︎』
サチは動向を見ていたみんなに、ウィナー表示を探すように言った。
だが、デュエルのウィナー表示はどこにもなかった。
アスナ『中には誰も居ないわ‼︎』
アスナは塔の内部を捜したが、中は無人の様だ。

キリトとサチは塔の中に居るアスナと合流し、話をした。
キリト『どう言う事だ、これは?』
アスナ『普通に考えれば…、デュエルの相手が、被害者の胸に槍を突き刺して、ロープを首に引っ掛けて、この窓から突き落としたって事になるかしら?』
現実的に言うなら、アスナの意見が最もと言った所だろう。
だが今回は違う。
キリト『でも、ウィナー表示はどこにも出なかった。』
アスナ『あり得ないわ。圏内でダメージを与えるには、方法は無いわ。』
サチ『いずれにしても、このまま放置する訳には行かないよ。』
キリト『そうだな。』
アスナ『圏内PK戦の様な技を誰かが発見したのなら、圏内も安全じゃないって事になるわ。』
サチ『調べる必要が有るよ。』
キリト『そうだな。』
アスナ『前線から暫し離れる事になるけど…仕方ないっか。』
『『⁉︎』』
アスナ『なら、解決までしっかり協力して貰うわよ。言っとくけど、昼寝の時間は有りませんからね。』
キリト『してたのはそっちだろ?』
アスナ『‼︎』
≪ギュ〜〜ッ‼︎≫
会話の後、アスナはキリトと握手した。
だが、キリトの発言にアスナは力いっぱいキリトの手を握り締めた。
キリト『痛〜〜〜‼︎』
サチ『ふふっ。』
これにキリトは断末魔の叫びをあげ、サチはクスクス笑った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3人が塔から出ると、動向を見ていたプレイヤー達が結果報告を待っていた。
キリト『すまない。さっきの一件を最初から見ていた人は?居たら話を聞かせて欲しい‼︎』
『……。』
キリトの言葉に呼応するかの様に、1人の女性プレイヤーが出て来た。

アスナ『ゴメンね。怖い思いをしたばかりなのに。貴方、名前は?』
『ヨルコと言います。』
キリト『もしかして、最初の悲鳴も?』
ヨルコ『はい…私です。
私…さっきまで、殺された人とご飯を食べていたのです。
名はカインズと言います。彼とは、同じギルドのメンバーなんですけど、突然はぐれちゃって、広場に出て辺りを見回したら…いきなり、この時計塔の窓から……。』
事情を聞く最中、ヨルコは恐怖のせいか泣き出した。
アスナはヨルコの背中を優しく摩り…、
アスナ『その時、誰かを見なかった?』
ヨルコに聞いた。
ヨルコ『そういえば、カインズの後ろに誰か立っていました。』
アスナ『その人影に心当たりは?』
ヨルコ『いいえ…。。』
ヨルコはその問いに答えたが、心当たりは無い様だ。
キリト『いやな事を聞く事になるが、カインズさんが殺される様な理由に、心当たりは?』
ヨルコ『ううん……。』
キリトの問いに、ヨルコは首を横に振った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その晩、3人はヨルコを宿まで送って行った。
理由は夕方の一件への対処だ。
ヨルコ『すみません、ここまで案内して貰って……。』
サチ『気にしないで。』
アスナ『また明日、話を聞かせてね。』
ヨルコ『はい。』
これにより、事情聴取は明日に持ち越された。

ヨルコが部屋に入るのを確認した3人は…、
キリト『さて、どうする?』
アスナ『まず、手持ちの情報から検証しましょう。あの槍の出処を調べないと。』
サチ『ということは、【鑑定スキル】が必要になるね。』
キリト『そうだな。お前は…持って無いか……。』
当然だろう。
アスナ『当然、君達もね。というより、そのお前って言い方、やめてくれない?』
キリト『ああ、じゃあ、貴方?』
アスナ『≪ムスッ≫』
キリトの呼び方にアスナは嫌気がさし、呼び方を変えるよう言った。
キリト『副団長様?』
アスナ『……。』
キリト『閃光様?』
アスナ『……。』
だが、どれもこれもパッとしない。
アスナ『アスナでイイわよ。』
キリト『了解。』
サチ『なら、私達も普通に呼んでイイから。』
アスナ『解ったわ。』
結局普通に呼ぶ事になった。キリトとサチも、そうゆう事で決まった。

キリト『それで、【鑑定スキル】だけど、フレンドで持っている人は居ないか?』
アスナ『うーん……。
友達で武器屋やってる子が持ってるけど、今が一番忙しい時間だから、直ぐには無理かな。』
キリト『そうか、俺等の知り合いの雑貨屋にでも頼むか。』
サチ『エギルさんのこと?』
キリト『ああっ。』
そして、3人はエギルが雑貨屋を営む50層に向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

50層の主街区の一角に、その雑貨屋がある。

3人がその雑貨屋に着くと、店から槍使いの男性プレイヤーが出て来た。
エギル『毎度、また頼むよ兄ちゃん‼︎』
どうやら商談の件だった様だ。
その後キリトとサチは店の中に入った。

キリト『相変わらず、阿漕な商売をやってるな。』
エギル『おお、キリトにサチじゃねえか。』
エギルは店に入って来たキリトとサチに反応して言った。
エギル『“安く仕入れて安く提供する”のが、ウチのモットーなんでな。』
キリト『後半は怪しいがな。』
エギル『何を人聞きが悪い。』
(後半は怪しいという件には指摘しないで下さい。)
サチ『キリト、悪い事言ったら駄目だよ。親切な人なんだし。』
エギル『はは、俺の気持ちを解ってくれるのは、サチくらいだよ。』
サチ『そうかな?』
エギル『そうだって。』
『『ははははっ。』』
サチ『ふふふふっ。』
キリトとサチとエギルは、暫し雑談した。

アスナ『……。』
エギル『⁉︎』
しかし、その雑談も直ぐに終わった。
何故なら、アスナが店に入って来たからだ。
アスナが店に入って来た時、エギルは驚いてキリトとサチに聞いた。
エギル『おいお前等、何で仲の悪いアスナと一緒に居るんだ⁉︎』
サチ『エギルさん落ち着いて、ちゃんと訳を話しますから。』
アスナ『は、ははっ……。』
一方のアスナは、少し引きつった表情をしていた。

ーーーーーーーーーーー

その後、落ち着いた4人は本題に入った。
エギル『圏内でHPが0?デュエルじゃねえのか?』
サチ『デュエルのウィナー表示は何処にも無かったんです。』
アスナ『直前までヨルコさんと会っていたなら、睡眠PKでも無いし。』
キリト『突発的デュエルにしても、やり口が複雑すぎる。
事前に計画されたPKと断定した方がイイ。』
サチ『そこで、この槍です。』
そう言ってサチは、カインズの胸に刺さっていた槍をエギルに手渡す。
槍は長さが1m程で、刃には薔薇の棘の様な逆棘が付いている。
エギルは早速槍を鑑定する。
それからまもなく結果が出た。
エギル『プレイヤーメイドだ。』
『『『‼︎』』』
エギルの言葉に3人は反応した。

プレイヤーメイドとは、その名の通りプレイヤーが作った物。

キリト『本当か?』
アスナ『誰ですか、作製者は?』
エギル『グリムロック…聞いた事ねえ名だ。少なくとも一線級の刀匠じゃねえ。
それに武器自体、特に変わった事は無い。』
アスナ『でも、手がかりにはなる筈よ。』
サチ『一応、固有名も教えて下さい。』
サチの言葉にエギルは固有名を調べた。
エギル『<ギルティー・ソーン>となっている。‘罪の茨(いばら)’ってとこだな。』
エギルはそう言って、槍をキリトに渡した。

キリト『罪の…茨……。』
そう呟いたキリトは槍を持ち替え、自分の手に槍を突き刺そうとした。
『『⁉︎』』
アスナ『待ちなさい‼︎』
これにサチとアスナは驚き、そんなキリトをアスナが止めた。
キリト『何だよ。』
アスナ『何だよじゃないでしょ‼︎馬鹿なの⁉︎その武器で実際に死んだ人がいるのよ‼︎』
キリト『いや、試してみない事には解らないだろ?』
サチ『そういう無茶はやめてよキリト‼︎それでキリトが死んだら私……』
キリト『解ったよ!解ったから泣くな‼︎』
サチ『うん……。』
キリトは、実際に死ぬのか試そうと思ったが、アスナの言葉とサチの泣き落としには敵わず、仕方なく身を引いた。

アスナ『これは、エギルさんが預かっていて下さい‼︎』
エギル『お、おう……。』
アスナは、キリトから槍を取り上げるとそれをエギルに預けた。

_____________________

そして翌日、ヨルコから事情聴取することになった。 
 

 
後書き
このままヨルコさんの背中に刃物が刺さっていた辺りまで書こうと思いましたが、一旦ここで切ります。
次回作は、遅くとも来週辺りに公開します。 
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